パパ!ママ!宇宙人拾って来たよー!!

ガンダーラ磯崎

宇宙人拾ったんだけど…(脚本)

パパ!ママ!宇宙人拾って来たよー!!

ガンダーラ磯崎

今すぐ読む

パパ!ママ!宇宙人拾って来たよー!!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇明るいリビング

〇明るいリビング
寛太「ただいまー!」
優一「どうした寛太!遅いじゃないか! もう7時過ぎてるぞ!」
朱美「塾の後どこ行ってたの?」
寛太「いや、コンビニの前通ったらさ、 凄いの拾っちゃってさ。 これなんだけど・・・」
  タイトル「パパ!ママ!宇宙人拾って来たよー!!」

〇明るいリビング
朱美「えっ!?イヤだ!! そ、それって・・!?」
優一「も、もしかして宇宙人か!?」
寛太「多分リトルグレイってヤツだよね」
優一「コンビニの前に落ちてたんだよな!?」
寛太「うん」
優一「客は騒然とならなかったのか!?」
朱美「エリア51なら大事件よ!!」
寛太「それが全然、客がいなかったのよ」
朱美「お店の人は?」
寛太「店員さんも裏で作業してたみたいで 全然いなくてさ」
優一「じゃあ寛太だけだったのか?」
寛太「いや、1人だけヤンキーっぽいお兄さんが 店に入ってったよ」
優一「そのヤンキーはビビって無かったのか?」
寛太「リトルグレイを踏んで店入ってったよ」
朱美「まあ!ひどい!」
優一「まったく。何でそんな事が出来るんだ!」
寛太「今日ずっと雨でしょ?」
優一「そうだな」
寛太「コンビニの入口が水たまりになっててさ」
寛太「リトルグレイが丁度「水たまり避け」に なってたから靴が濡れなくて良かったんじゃないかな?」
優一「フロアマット扱いじゃないか!」
朱美「そんなヤンキー、 UFOに吸い込まれれば良かったのに!」
優一「そもそもこんなフロアマット、 ツルツルしてて逆に滑りやすいだろ!」
朱美「パパそういう事じゃないでしょ!」
寛太「ヤンキーってリトルグレイに 興味無いんじゃない?」
優一「たしかにヤンキーは早熟だからな」
朱美「そんな事無いわよ! コンビニの雑誌棚なんて オカルト本ばっかりよ!? そのヤンキーが宇宙人に アンテナ張ってないだけよ!」
優一「ちょっとママ?」
朱美「何?」
優一「さっきからやけにリトルグレイの肩を持つな?」
朱美「え?そ、そうかしらね?」
優一「そういえばママも帰りが遅かったよな?」
朱美「は?そ、そうだっけ?…」
優一「近所のスーパーに買い物行くだけなのに 2時間くらい掛かってたじゃないか?」
朱美「そ、それは・・・」
優一「俺が一緒に車で行こうとしたら 1人で行くからって拒否したよな?」
朱美「ち、違うのよ。最近運動不足だから たまには歩かなきゃと思っただけよ!」
優一「それでも2時間は長過ぎるだろ?」
朱美「それは、大学時代の後輩にバッタリ遭って、思い出話をしてただけよ!」
優一「ふーん。まあ、いいや。 それよりこのリトルグレイをどうするかだ」
朱美「このリトルグレイは、 今どういう状態なのかしら?」
寛太「うーん。多分、息絶えてるんじゃないかな?」
  朱美がリトルグレイの身体に触れ、
  状態を確認した。
朱美「心臓があるのかどうか分からないけど、 鼓動はしないわね・・・」
優一「とりあえず交番に届けるか?」
寛太「今から?めんどくさいでしょー」
優一「こんなもん一般家庭が扱えるもんじゃないだろ?」
寛太「交番に届けたところで落とし主みつからないだろうし」
朱美「そうよ!落とし主がみつかった時は 宇宙戦争の始まりよ!」
寛太「落とし主がみつからない場合って、 リトルグレイの1割もらえるの?」
優一「どうだろう? ちなみに寛太はどこが欲しいんだ?」
寛太「やっぱり目かな」
優一「パパもだよ」
朱美「あんた達何言ってんの!? リトルグレイは物じゃないのよ!!」
朱美「そもそもまだ完全に死んでるかどうか分からないじゃない!! とりあえず救急車呼びましょうよ!!」
優一「・・・ママ?」
朱美「何よ?」
優一「やっぱりママ・・・ このリトルグレイと何かあっただろ?」
朱美「はあ?あ、あるわけないじゃない!」
優一「ママ、ちょっとごめん!」
  優一が朱美を羽交締めにした!
朱美「ちょ、ちょっと!何してんのよ!」
優一「おい、寛太!ママの首の後ろを見ろ!」
寛太「え?何で?」
優一「良いから見るんだ!!」
寛太「あ!何か黒い物が埋まってる!」
優一「マイクロチップか!?」
寛太「うん。何かそんな感じ」
朱美「ち、違うわよ!これはエンピツの芯よ!」
優一「そんなわけ無いだろ!エンピツの芯は 手の平と相場が決まってんだ!」
朱美「寛太はママの言うこと信じるわよね!?」
寛太「ごめん、 ママの口から「首にエンピツの芯が刺さったエピソード」なんて聞いた事無いわ」
朱美「もう!分かったわよ!・・・ とりあえず離して! 今日あった事を話すから!!」
  優一が朱美から手を離した。
優一「ママ。このリトルグレイと何があったか聞かせてくれ」
朱美「実はね・・・」

〇殺人現場
  朱美「スーパーへ買い出しに行く時、近道しようと路地裏を通ったの」
  朱美「そしたら上から謎の発光体が見えたのよ」
  朱美「「何だろ?」と思って眺めてたら、発光体が私の頭上に接近してそのまま私は吸い込まれちゃったの」
  優一「UFOの内部に入ったのか!?」
  朱美「うん。それで気が付いたら・・・」

〇ラブホテルの部屋
  朱美「ピンクの照明が当たった円形のベッドで寝てたの」
  優一「何で昭和のラブホ風なんだ!?」
  朱美「それでパッと横を見たら・・・」
  朱美「このリトルグレイが私の肩を抱き寄せて・・・」
  優一「お、おい、もしや・・・」
  朱美「私も大きな瞳に吸い寄せられそうに・・・」
  優一「ちょ、ちょっと待て!マ、マジか!?」
  朱美「なったけど、我に帰って思い切り抵抗して・・・」

〇ラブホテルの部屋
  朱美「突き放した所を左ローからの右ハイでKOしたの」

〇明るいリビング
寛太「ママ、リトルグレイにハイキック入れたの!?」
朱美「うん。それで慌てながらも 必死にUFOから脱出したのよ!」
優一「どうやって脱出したんだ?」

〇ラブホテルの部屋
  朱美「電話が置いてあったから「退出しまーす」って言ったら出口がウィーンて開いたの」
  優一「もうほぼラブホじゃないか!」

〇殺人現場
  朱美「気が付いたら元の場所に戻ってたの」
  優一「その後はどうなったんだ!?」

〇スーパーマーケット
  朱美「丁度、お刺身が半額になる時間だったから、急いでスーパーへ走ったわよ」

〇明るいリビング
優一「そんな状況でも家族の夕食の事を考えてくれてたのか・・・」
朱美「そうよ!なのにパパ、私がリトルグレイと イケない関係になってるんじゃないかって 疑いやがって!」
優一「正直スマンかった!! ママを愛してるばっかりに・・・つい・・・」
寛太「ん?ていうかママ?」
朱美「何?」
寛太「マイクロチップはいつ首に埋め込まれたの?」
朱美「だからー、これは中学生の頃にイスを傾けてたらバランス崩して、後ろの子が持ってた エンピツが刺さっちゃったのよ!」
寛太「落ち着きの無い男子みたいだね・・・」
優一「今までママにそんな傷がある事を知らなかった・・・」
朱美「ずっと隠してたのよ。そんな傷見せたらパパに嫌われるんじゃないかって・・・」
優一「そんな事で俺がママを嫌いになるわけないじゃないか!」
朱美「パパ!」
  優一と朱美は泣きながら熱い抱擁を交わした。
寛太「まーた始まったよ・・・」
  寛太は、呆れ気味で自分の部屋へと消えて行った。
  朱美は優一と抱き合いながら・・・
  動かないリトルグレイに向けてウィンクをした。
  その瞬間、
  リトルグレイの目がキラリと光った。

〇明るいリビング
  おわり

コメント

  • 宇宙船がラブホ仕様ww
    そもそも、家族がさらりとリトルグレイの存在を許容しているところから始まり、思いも寄らない展開が。。面白いですね!

  • 予想と斜め上の展開でした( ´ ▽ ` )
    にしても宇宙人との遭遇が拾ってきたって…捨てられた犬とか猫との出会いみたいですねw

  • 極めて武闘派なママと、そんなママを羽交い絞めにできるフィジカルを持つパパ…寛太くんの将来が今から非常に楽しみです。しかしママの言うことが本当であるなら、これから宇宙戦争がはじまり、パパ・ママ・リトルグレイの三角関係でマ〇ロスのような展開に…!

コメントをもっと見る(6件)

成分キーワード

ページTOPへ