動物家族

すうきにしろ

エピソード1(脚本)

動物家族

すうきにしろ

今すぐ読む

動物家族
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇島国の部屋
ウマ夫「決めた・・・」
ウマ夫「俺、YouTuberになるよ!」
ネコ美(妹)「あははは!」
ネコ美(妹)「まーた、ウマ夫兄ちゃんが変なこと言い始めたニャ〜」
シロクマ父さん「一体どうしたんだい、ウマ夫? 急にYouTuberになりたいだなんて」
インコ母さん「お父さん、いちいち本気にしなくていいわよ」
インコ母さん「きっと、就職活動が上手くいってないんでしょ?」
ウマ夫「実は・・・その通りなんだ 昨日も面接に行ったんだけど・・・」

〇オーディション会場(物無し)
  次は自分の長所を教えてください。
  はい、ウマ夫さんから。
ウマ夫「は、はい!」
ウマ夫「ええっと、私は潤滑油のように周囲の人間関係をスムーズに・・・」
面接官「うーん、それだけだと弱いですね。 もうちょっと他にないですか?」
ウマ夫「ほ、他にですか? えっと、ええっとー・・・」
面接官「・・・はぁ。じゃあいいです。 では次の人、お願いします」
ウマ夫「は、はい。すみません・・・」
ウマ夫(ああ、今回もダメだな・・・ 自分の長所なんてわかんないよ・・・)

〇島国の部屋
ウマ夫「・・・と、いうことがあって 案の定、結果は不合格だったんだ」
シロクマ父さん「それは残念だったなぁ・・・」
インコ母さん「そんなに気にすることないわ また次頑張ればいいじゃない」
ネコ美(妹)「ウマ夫兄ちゃんならきっと大丈夫ニャ〜」
ウマ夫「きっと俺には就職なんて向いてないんだよ・・・」
シロクマ父さん「ダメだ。全く聞いていないぞ」
インコ母さん「馬耳東風って感じね」
インコ母さん「・・・ウマだけに!」
ネコ美(妹)「うまいこと言ってる場合じゃないニャ〜」
ウマ夫「俺はシロクマ父さんみたいに頭も良くないし・・・」
シロクマ父さん「いやあ、それほどでもないけどね」
ウマ夫「インコ母さんみたいになんでも器用にこなすことも出来ない」
インコ母さん「ウマ夫は器用なタイプではないわね」
ウマ夫「ネコ美みたいに可愛くもないし・・・」
ネコ美(妹)「褒めても何も出ないニャ〜 あ、プリンいるニャ?」
ウマ夫「出張に行ってる蛇也兄さんみたいに狭いところに入ることもできない」
蛇也兄さん(ん・・・どこかで呼ばれた気が・・・?)
ウマ夫「だから・・・」
ウマ夫「俺にはもう、YouTuberになるしか道はないんだよ!!!」
シロクマ父さん「まあまあウマ夫、そう思い詰めるな そのうちいい道が見つかるさ」
インコ母さん「そうよ それに、YouTuberだって楽な道じゃないわよ?」
ネコ美(妹)「お兄ちゃん、なんか動画のアイデアあるんだニャ?」
ウマ夫「いや、それは・・・」
ウマ夫「・・・考えてなかった!」
ネコ美(妹)「ダメだこりゃあ、ニャ?」

〇島国の部屋
  翌朝
シロクマ父さん「あれを持ってこれを持って・・・ あっ、もうこんな時間だ!」
シロクマ父さん「やばいやばい、今日は大事な会議があるんだ! それじゃ、いってきまーす!」
インコ母さん「はーい、いってらっしゃーい 気をつけてねー」
インコ母さん「やれやれ、毎朝慌ただしいんだから」
ウマ夫「ふわぁ〜おはよ〜」
ネコ美(妹)「おはようニャ〜 よく寝たニャ〜」
インコ母さん「2人とも、やっと起きてきたわね ほらほら、さっさと朝ごはん食べちゃいなさい」
ウマ夫「は〜い」
ネコ美(妹)「わかったニャ〜 ・・・あれ、ちょっと待つニャ?」
ネコ美(妹)「その机の上にある物、もしかして・・・」
ネコ美(妹)「シロクマ父さんのノートパソコンじゃないかニャ!?」
インコ母さん「本当だわ!? 大変、お父さん忘れていっちゃったんだ!」
ウマ夫「ええっ!? お父さん、今日は大事な会議があるって言ってなかった!?」
インコ母さん「そうよ!! だから、パソコンないとすごく困るはず!!」
ネコ美(妹)「ますますまずいニャ!? でも、もうすぐ電車出ちゃう時間じゃ!?」
ウマ夫「・・・大丈夫。 俺が全力で走れば、きっとまだ間に合う」
ウマ夫「ネコ美、パソコン渡して! 早く!」
ネコ美(妹)「は、はいニャ!」
ウマ夫「うぉおおお! いってきまーす!」
インコ母さん「ウマ夫ー! 頼んだわよー!」

〇駅のホーム
シロクマ父さん「ウマ夫がパソコン届けてくれるって連絡はきたけど・・・」
  間も無く電車が参ります。
  白線の内側に立ってお待ちください。
シロクマ父さん「ああ、さすがに間に合わなかったか・・・」
  シロクマ父さんが諦めかけたその時・・・
ウマ夫「お・と・う・さーん!! パソコン届けにきたよー!!」
シロクマ父さん「おお、ウマ夫! ありがとう、よく間に合ったな!!」
ウマ夫「へへ、全力で走ってみたら案外間に合ったよ」
シロクマ父さん「ありがとう、本当にありがとう 足が速いのは、ウマ夫のいいところだな」
シロクマ父さん「それに・・・ 人のために一生懸命になれるところも」
シロクマ父さん「ほら、ウマ夫にもいいところいっぱいあるぞ 自分では気がつきにくいかもしれないけどな」
ウマ夫「そうか、言われてみれば・・・」
シロクマ父さん「もう一度、考え直してみたらどうだ? それじゃ、今度こそ行ってくるよ」
ウマ夫「・・・うん、ありがとう いってらっしゃい、お父さん」
  こうして、シロクマ父さんは無事会議に出ることができた

〇島国の部屋
ウマ夫「・・・えー。と、いうわけで。 足が速いということを踏まえて・・・」
ウマ夫「俺、決めたよ! オリンピック選手になる!!」
インコ母さん「また極端なこと言い始めたわね〜」
シロクマ父さん「ははは いいじゃないか、夢は大きい方が」
ネコ美(妹)「ちょっとお兄ちゃん、 どうやってなるか、ちゃんと考えてるニャ?」
ウマ夫「い、いやそれは・・・」
ウマ夫「・・・これから考える!!」
ネコ美(妹)「この調子じゃ、 先はまだまだ長そうだニャ〜」

コメント

  • 自分の長所を自分が一番分かってないことってあるあるですよね。人間の立場から見たら生活の中で一番役に立つのがウマ夫なのに。人間界からスカウトに行きたいくらいだなあ。

  • インコ母さんがちょいちょい辛口でおもしろかったです🤣
    ウマ夫はネコ美と違って可愛く無いとか…😂
    シロクマ父さんのおおらかな性格を見ていると、この家族が穏やかで仲良しなんだろうなあと、すぐに想像出来ました☺️

  • 動物家族ならではの各々の長所がとても可愛くて癒やされました。ユーチューバーでもなんでも、家族のみんなが応援してくれてウマ夫は幸せですね!

コメントをもっと見る(4件)

ページTOPへ