エピソード1(脚本)
〇大衆食堂
サラリーマン「はぁ・・・ 今月も営業成績は落ちた」
サラリーマン「最近は何だか疲れも取れないし・・・」
サラリーマン「ん?」
サラリーマン「こんな所に食堂があったのか?」
サラリーマン「『健康・・・偏食・・・食堂』?」
サラリーマン「随分と変な名前だな」
サラリーマン「まぁ、何か食べて帰ろう」
〇大衆居酒屋(物無し)
サラリーマン「すみません」
亜加己「はい、いらっしゃい!」
海泉「1名様ご案内します!」
サラリーマン(活気のいい店だな。 家族でやられているのか?)
海泉「お冷です!」
翠「お兄さん!メニューです!」
サラリーマン「え?紙と鉛筆?」
紀乃美「すまないねぇ、お客さん。 これがうちのやり方で」
紀乃美「なんでもいいから、気分のものを書いてくれ」
紀乃美「難しく考えたり、具体的なのじゃなくていいのさ。 「腹一杯になりたいたい。」とか 「濃い味がいい」とか」
紀乃美「お代は1000円から、 お客さんの要望に合わせるよ!」
サラリーマン「は、はぁ?」
サラリーマン「じゃ、じゃあ・・・。 最近疲れが取れないし 『1000円で疲れが取れるもの』で」
紀乃美「あいよ!腕が鳴るね!」
〇広い厨房
亜加己「ふふん! 『疲れが取れるもの』! お安い御用だ!」
亜加己「豚肉に含まれる、ビタミンB1は 糖質をエネルギーに変えて生み出す!」
亜加己「それから『クエン酸』等を合わせて接種してもらいたいし。 予算は1000円だからな! 俺のメニューはこれだ!」
〇広い厨房
海泉「よし、取り掛かりますか!」
海泉「魚介類はビタミンB群は豊富です! 疲労回復効果は期待できます!」
海泉「予算もさることながら、一発で回復に持っていくには・・・!」
〇広い厨房
翠「さて、疲れを取るなら野菜が一番!」
翠「ただ、野菜だけでは・・・苦手な人も多いし・・・」
翠「ビタミンのエース! それらを男の人の好む味付けに! 今回こそ!私のメニューを選んでもらうんだから!」
〇広い厨房
紀乃美「全く好き放題して! 私も頑張らないと」
紀乃美「オレンジなんかの柑橘類にはクエン酸とビタミンCが豊富!」
紀乃美「そのままでも美味しんだけど、 食べてもらうには・・・!」
〇大衆居酒屋(物無し)
海泉「お待たせしました! 改めてメニューです!!」
サラリーマン「うわっ! 凄い!」
サラリーマン「なになに・・・。 『豚肉の梅肉焼き』!」
亜加己「そうだ!俺のメニューだ! 豚肉の生姜焼きをイメージしてくくればいい!」
亜加己「サッパリと、かつ 疲れを取るクエン酸の効果を狙った 梅肉との相性は絶品だぜ!」
サラリーマン「それから 『戻り鰹の炙り』!」
海泉「それは俺から! 秋の戻り鰹は脂がくどくない。」
海泉「疲労回復のタウリンなども豊富で、 ポン酢と大葉を使って食べれば 疲労回復間違いなしです!」
サラリーマン「それから・・・ 『ピリ辛カボじゃが』!」
翠「それは私のメニューです!」
翠「ビタミン類を豊富に含むカボチャをメインにした肉じゃがですよ!」
翠「カボチャなどの緑黄色野菜は抗酸化作用が。食べごたえはあるし、キムチを合わせてカプサイシンが代謝を上げれば、疲労回復!」
サラリーマン「最後に 『フルーツのガレット』!」
紀乃美「あたしの料理さ」
紀乃美「ガレットは食べやすいようにそば粉じゃなく小麦で。」
紀乃美「柑橘類やキウイのクエン酸の疲労回復効果は絶大さ」
サラリーマン「凄い、どれも食べたいな・・・。 どうしよう・・・」
サラリーマン「じゃあこれください!」
〇大衆居酒屋(物無し)
サラリーマン「美味しかった! ご馳走様でした!」
亜加己「こっちこそ選んでくれてありがとうな!」
「くそー、及ばなかった!」
サラリーマン「いや、今度は違うメニューを頼みますよ」
亜加己「いや、そりゃできねぇんだ!」
サラリーマン「できない?」
亜加己「うちの料理は固定のものは無い。 金額もメニューも一期一会なんだ」
サラリーマン「そ、そうなんですか?」
亜加己「お客様はそんなこと考えず、 食いたいもん食いたいだけ食べれば良いんだ!」
サラリーマン「そー、ですか・・・。 ありがとうございます!」
海泉「今度は負けませんから!」
翠「私のメニューももっと魅力的にしないと」
紀乃美「まぁ、焦ってもしょうがない。 家のやり方でやりましょう」
来客「ごめんください!」
「いらっしゃいませー!」
紀乃美「さて、次はどんなお客かな?」
こんな店が実際にあったらいいなと思いました。世の中もっと自分の発想を出した店があったほうがいい気がします
お客の好きな食材を聞く店ならありそうですが、現在の体調や要望を聞いてそれに合わせたヘルシー料理を提案して選ばせるお店というのが斬新なアイデアです。食材の栄養成分とメニューを同時に教えてくれるので参考にもなりました。
健康偏食食堂というタイトルの「偏食」にネガティブなイメージを持っていたのですが、いやいやどうして、ステキな家族食堂ですね。どの料理も文字だけで美味しそうでした!