〇おしゃれな居間
OYG「こんにちわ。皆さん！」
OYG「はい、今日も始まりました 333回目のOYGチャンネル！」
OYG「今回は」
OYG「仕事が倍速になる時間管理術！」
　　その名も
　　ポモドーロ・テクニック
OYG「25分ごとに５分の休憩をとりましょう」
OYG「仕事にリズムができて、 恐ろしいほど生産効率が上がり──」
「どうしたの。お姉ちゃん？」
OYG「あ、気づきました？」
OYG「そうです、買っちゃいました！ イケオジ着物コーデ！」
OYG「いつもの「スーツ」アバターじゃ皆さんうんざりしちゃうでしょ？」
OYG「もうほんと可愛くて自分でもびっくり！」
OYG「買って良かった 皆さんにもめっちゃオススメ！」
OYG「興味のある方は概要欄をチエーック！」
？？？「ス、ストップ、ストッープ！」

〇おしゃれな居間
アンネ「何よう」
イモナ「やめろ、やめてくれえ」
イモナ「父ちゃんボケたと思われる」
アンネ「ふ・・・」
アンネ「ポモドーロね。元旦那もよくやってたわ」
イモナ「え」
アンネ「仕事が早く終わるからって、 30万のノートブックまで買ってた」
アンネ「私の光美顔器売り飛ばしてね！」
イモナ「・・・負のオーラぱねえ」
イモナ「お父さんのチャンネルのメイン視聴者、 20代から30代のシゴデキ男性だよ？」
イモナ「元旦那とモロ被りだけどほんとに大丈夫!?」
　　真面目で仕事一辺倒だった父
　　実は登録者数50万人の動画配信者だと
　　知ったのは、亡くなった後のことだ
アンネ「分かってる。次こそちゃんとやる」
イモナ「本当かなあ」
アンネ「じゃああんたがやる？」
アンネ「親友に彼氏とられた人間不信ニートちゃん」
イモナ「ぐ・・・」
イモナ「アンチエイジング狂いの三十路出戻り女」
　　私たちにはお金が必要だった

〇トレーニングルーム
　　有酸素運動
OYG「１日30分、午前中に運動すると、 その日の脳は一日中活性化しますよ」
OYG「・・・」
OYG「特にお勧めなのは」
OYG「高速道路のパーキングエリアに置いていかれる──いい運動になります」
OYG「大丈夫。夜に置いていかれても、 家に着く頃には朝になっていますから」
OYG「早朝散歩です！」

〇魔法陣
　　マインドフルネス
OYG「未来や過去に囚われてる心を解き放ち、 『いま・ここ』に意識を向けましょう」
OYG「・・・」
OYG「固まらない茶碗蒸しとか、塩と砂糖を間違えたパンケーキとか、過去のことにグチグチこだわって」
OYG「『どうせお前は何を作っても失敗する』って、よくも決めつけ・・・られた未来などを解放しましょう」
OYG「バツ・イチ！」

〇食器
　　プチ断食
「体を飢餓状態におくと、 オートファジーが活性化します」
OYG「気分がすっきりしパフォーマンスが良──」
OYG「・・・」
OYG「食費を月三千円にされてみるといいですね」
OYG「毎日が断食！」

〇おしゃれな居間
イモナ「お姉ちゃん！」
イモナ「よく帰って来たねえ」
アンネ「へ」
イモナ「離婚して正解だよ！そんな奴！」
アンネ「え・・・そう？」
アンネ「ふふ」
アンネ「なんかもう どうでも良くなってきちゃったかな」
アンネ「やめよっか。やっぱ私には無理だわ」
イモナ「ううん。やろうよ」
アンネ「でも、お父さんの顔に泥塗っちゃうし」
イモナ「大丈夫」
イモナ「お姉ちゃんの 得意なことをすればいいんだよ！」

〇おしゃれな居間
OYG「はい、今日ご紹介する最強時間術は」
OYG「美容脱毛です！」
OYG「聞こえますよー 画面の向こうの皆さんの「ないわー」」
OYG「でもね、脱毛すると 本当に仕事が早くなるんですよ」

〇オフィスのフロア
OYG「あ、君、この書類やっといてくれる？」
女性社員（あれ、顎が青くない。剃り残しもない）
女性社員（素敵！）
女性社員「やります！」
OYG「時間も彼女もゲット！」

〇おしゃれな居間
OYG「はいそこ、画面叩かないで 痛いのはあなたのスマホですよー」
OYG「でも皆さんだって、心当たりあるでしょ？」
OYG「そんな可愛い笑顔で『お願い』なんて 言われたら断れないよ」
OYG「媚びもジェンダーレスにしちゃいましょう」
OYG「人生楽になりますよ」

〇白いバスルーム
「剃る時間をカットできて、タイパも良し」
「空いた時間で勉強もしちゃいましょう」
サラリーマン「ふんっ、ふんっ」
「読みながらスクワットすれば 更にタイパアップ」

〇おしゃれな居間
OYG「え？ そういう自分は脱毛してるのかって？」
OYG「ふふふ。それではちょっとだけ」
OYG「生身の腕、オープン！」
イモナ「え、なに今の写真」
イモナ（台本から外れたことを何故・・・）
OYG「ツルッツルでしょ？」
OYG「まだありますよ！」
イモナ「!?!?!?」
OYG「大きなメリットが３つありました」
OYG「1.美容院にいく時間を節約」
OYG「2.髪を洗う時間を節約」
OYG「3.頭が反射板の役割をする （スマホの画面が明るくなる）」
イモナ「３は本当に!?」
OYG「つまり・・・」
OYG「No hair. No life.」
イモナ「・・・」
イモナ「それ意味逆ぅ！」
イモナ「いいよ。最後までいっちゃおう」
OYG「コホン」
OYG「皆さんにはですね」
OYG「世間の常識とか、男らしさとか」
OYG「時には忘れて、 本当に良いものを試してみてほしいんです」
OYG「という訳で」
OYG「今すぐ脱毛サロンへGO！」

〇黒
　　翌朝

〇SNSの画面
イモナ「『行き過ぎたコスパ・タイパ主義に、 OYG氏自らの髪をもって警鐘ならぬ毛いしょう・・・』」
アンネ「『一方で脱毛サロンに予約が殺到・・・』」
「・・・・・・」
イモナ「やったやったやったー！ 登録者めっちゃ増えたー！」
アンネ「👍の数くるくる回ってる！」
アンネ「いけるわ。この路線！」
イモナ「あのツルピカ写真、なんだったん？」
アンネ「元旦那。寝てるところを剃ってやったの！」
アンネ「まさか役にたつと思わなかったわ あはははっ」
イモナ「やられっ放しじゃなくて良かったなりよー」
アンネ「次は『営業向けコスメに挑戦』はどお？」
イモナ「『デフォルトモードネットワークが爆上がり！ハンドメイド挑戦』ていうのは？」
「ん？」
イモナ「お母さん・・・！」
イモナ「あの・・・違、これは」
イモナ（ヤバい。怒ってる！）
アンネ（お父さんで遊んでるって思われた？）
ハハノ「vlog・・・」
イモナ「え？」
ハハノ「丁寧な暮らしvlog挑戦で、 作業環境改善っていうのはどうかしら？」
「👍」
　　おしまい