オオカミの子

ショウガン

悪夢の夜を知らない子ども達(脚本)

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〇村に続くトンネル
  パンデミックに解放された世界。
  しかし、新しいウィルスに悩まされている。狂犬病が変異した狼ウィルスだ。
  狼ウィルスに感染した犬が人間を襲う。その犬に噛まれると人間も凶暴な狼人間になってしまう。
  まだワクチンはない・・・
  瀬戸内海の小さな島である家族が暮らしていた。父は漁師、母は家の裏の畑で野菜を育てながら三つ子を育てていた。
  ほぼ自給自足の質素な暮らしだったが、笑顔の絶えない幸せな家族だった。
  しかし、あの夜幸せな暮らしは一変した・・・

〇断崖絶壁
父てっちゃん「嵐が来るみたいだ。ちょっと船を見てくる」
母サトコ「もう少し嵐がおさまってからのほうが?」
父てっちゃん「大丈夫だ。 それより子供たち頼むな」
母サトコ「うん」

〇漁船の上
  土砂降りの中、船を岸壁にロープでしっかり係留した。
父てっちゃん「んっ、操舵室に何かいやがる!」
  父てっちゃんはモリを片手に持ち、操舵室に近づくと赤い目が4つ動いていた。
父てっちゃん「野良犬が俺の船から出て行きやがれ!!️」
  1匹の犬がてっちゃんに襲いかかり、てっちゃんはモリで突き指した。しかし、もう1匹の犬はてっちゃんの足にかみついた。
父てっちゃん「”ぐわーっ”」
  てっちゃんは足を噛み付かれたままその犬の顔面を拳で強打した。犬はたまらず”ギャイン”
  泣き叫び、ピクピクと震えて倒れた。
父てっちゃん「チキショー、野良犬野郎め!」
  てっちゃんは船を降りて、足を引きずりながら家に戻ろうとした。しかし、頭が割れそうになる。血が全身を猛スピードで回って
父てっちゃん「”ガーッ” ”グウァオー”」

〇古民家の居間
「父さんおそいね」
  布団に並んで眠る三つ子にサトコがつぶやいた。
  すると、玄関がガタガタと開いた。
母サトコ「てっちゃん帰ってきたの?」
  しかし、返事はない。
  サトコは立ち上がり玄関に行くと、てっちゃんがうつむいて座り込んでいた。
母サトコ「てっちゃん大丈夫だった?」
  しかし、てっちゃんは黙ったまま動かない。
母サトコ「どうしたのてっちゃん?」
  サトコがてっちゃんの肩に手をやると、
  てっちゃんが顔をあげた。
母サトコ「”ギャー!”」
  てっちゃんのカラダ中から毛が突き出し、肉食動物のようなとがった歯がむき出しになる。
  まるでオオカミ人間・・・
オオカミ人間「なんで怖がっている? 俺の何がおかしいんだ! サトコ、サトコ、グウァオ!」
  サトコは台所にあった包丁を握って、三つ子の前で立ち塞がる。
オオカミ人間「なぜ俺に包丁なんかむける? なんでだよー!」
母サトコ「てっちゃんじゃない。あなたは! 出てって!」
  それでもサトコと三つ子に近づいてサトコの肩を両手で押さえた。次の瞬間
  ”ぐさっ”
オオカミ人間「嘘だろ・・・サトコ」
  サトコはてっちゃんの腹に包丁を突き刺した。

〇ファンタジーの学園
  あれから15年・・・
  
  三つ子は別々の施設で育てられた。
  家族の事も、事件の事も何も知らない。
  それぞれの施設に手紙が届いた。
  15歳の誕生日、生まれ育った島の家に集合するよう書いてあった。
水「ずっと一人ぼっちだと思ってた」
地「早よここから逃げ出したい。」
天「俺に兄弟がいるのか?」

〇荒廃した教会
  ”三つ子”
  バラバラの家族が集められ
  あるミッションを課せられる。
  オオカミウイルスをばら撒いた組織に潜入する・・・     つづく

コメント

  • 狼男に変身したてっちゃんよりも、15年後の三つ子の変身ぶりに衝撃を受け、三つ子という設定を読み間違えたのかと三度見してしまいました。地くんのTシャツ・・・。三人のミッション遂行が楽しみです。

  • あんな暗いところでいきなり狼が出て来たら怖すぎますよね!
    私だったら腰抜かしちゃいそうです😂
    奥様も悲しいけれど三つ子ちゃんを守るために取った行動なんですね。
    大好きな家族が狼になって帰ってくる…想像しただけで辛いです🥲

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