感触(脚本)
〇通学路
Eさん「一昨年にあったことなんですけど...」
Eさん「いつものように会社に行こうと、玄関を出て、駅に向かって歩きました。」
Eさん「すると...」
ポンッ!!
Eさん「ひぃっ!!!?」
Eさん「突然肩を叩かれました。」
Eさん「ただ、反射的に振り向いたんですが...」
Eさん「誰もいませんでした...」
Eさん「一応家も確認しましたが、門は閉まったままで誰もいません。」
Eさん「それに叩いてすぐ隠れるなんて不可能ですし、追い越した人もいません。」
Eさん「勘違いかと思いますが、肩にはしっかりと感触が残っていました。 あの質感と温かさは間違いなく人の手です。」
Eさん「ただ、誰もいないのは事実ですので... やっぱり気のせいだと思うことにしました。」
Eさん「気を取り直して歩き始めましたが、何となく引っ掛かるものがありました。」
Eさん「それが何かしばらく考えてみますと...」
Eさん「あっ!? 昨日作った資料机の上に置きっぱなしだ!」
Eさん「慌てて資料を取りに戻り、駅に向かいました。」
Eさん「もしかして、あれは私に忘れ物を気付かせてくれたんでしょうか。」