隣の席の花楓さんは、世界の全てを見透かして

内村一樹

第1話 きっかけ(脚本)

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内村一樹

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〇墓石
  この物語はフィクションです
  実在の人物や団体などとは関係ありません

〇保健室
  第1章 裁ちバサミ

〇まっすぐの廊下
  私──大心池須美(おごろちすみ)と黒光花楓(くろみつかえで)は、ある時から話すようになった。それは高校1年生の夏休み後。
  HR前の時間でトイレに行ってた私は、
  教室の扉の前に座り込んでる女子生徒を
  目にしたんだ。
大心池須美(彼女の名前は佐藤亜美(さとうあみ)。 友達が多くて明るいけど、下と見なした人に対してはきつい印象のある女子だ。)
大心池須美(・・・正直、苦手なタイプ。 だけど、今の彼女には少しだけ同情しちゃうかもしれない)
大心池須美(彼女は同じクラスの祇園寺壮馬(ぎおんじそうま)と付き合ってた。 でも、別れてしまったらしい。)
大心池須美(この手の噂って、あっという間に広まるよね。 鬱陶しいから、教室を出て来ちゃった。)
大心池須美(多分、佐藤も噂に気づいたんだろうなぁ。 ・・・ん? 彼女、何か持ってる?)
大心池須美「え・・・裁ちバサミ?」
  裁縫の時に使うあれ。
  佐藤はそれを逆手に持って、足元をじっと見つめてる。
大心池須美(なんか、様子が変・・・な気がする。 何するつもりなのかな?)
  なんて考えていると、彼女は私に気が付いたらしく、すっくと立ちあがって、教室の扉を勢いよく開け放った。
  そして、手にしていた裁ちばさみを高く掲げつつ、声を荒げる。
佐藤亜美「死ねぇ!!」
大心池須美「え・・・どういうこと?」
  どこか遠くからチャイム音が聞こえてきた気がする。
  だけど、教室に入ろうと思えるわけないよね?
大心池須美(・・・襲ったの!? いや、噓でしょ!?)
  今、目の前で起きた事を整理すると。
  佐藤亜美が、クラスメイトを襲撃した。
  被害者は多分、祇園寺壮馬に違いない。
大心池須美「せ、先生・・・呼んでこなきゃ」
田中先生「大心池? どうした、こんなところに突っ立って。ホームルーム始めるぞ。早く席に座れ」
大心池須美「ひゃぁい!?」
  突然現れた田中先生は、驚く私に眉をひそめながらも、何事も無かったように教室に入って行く。
大心池須美「ちょ、先生・・・!?」

〇教室
大心池須美「え?」
大心池須美(どうなってるの? 今のノイズは何? っていうか、皆どうして平気な顔して座って・・・)
田中先生「どうした、大心池。 早く席に着きなさい」
大心池須美「・・・は、はい。すみません」
大心池須美(言われるままに座っちゃったけど、正直、先生の話を聞いてられる気がしないなぁ)
大心池須美(どうなってるワケ? さっきのは幻? それにしては、リアルすぎだよね・・・)

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コメント

  • 花楓さんの可愛らしくでも不気味な感じが伝わってきました。ただ少し疲れているだけで、そんな幻覚みない気もするので、どんどん彼女に引き込まれていくのでしょうね。

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