買った森からダンジョンへ

ちぇのあ

第8話 朝から愛を育んだら永遠の幸せの中へ(脚本)

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〇古いアパートの一室
  チュンチュン・・・おや、もう朝か。
  僕の全身がすごく温かくて柔らかい感触に包まれている。中でも顔に圧倒的な柔らかさを感じる。
  目を開くと2つの天然マシュマロに挟まれている。いつのまにかソリアの寝てる向きは180度変わっている。
真樹「『どうひゃられてむあいふぁにどひらふぁがうほぉいひゃったみとぅいだにゃ。』」
真樹「『(どうやら寝てる間にどちらかが動いちゃったみたいだな。)』」
  雄大な山脈の前ではうまくしゃべる事もできない。僕は大自然の洗礼を受ける。恵みだけを享受するのは都合が良いと言うものだ。
真樹「『まだソリアは起きてないな・・・モゴッ』」
  ソリアが以前言っていた服が脱げてしまう癖くせだろうか・・・大山脈は僕のおなかのほうへ移動していく。
  そしてキュっと細くて柔らかいおへそに顔が当たる。これはしゅごい。
真樹「『あ、このままだとソリアの秘境が・・・』」
  一瞬悩んだが、僕は覚悟を決める。起こしたら悪いのでこのままにしよう。決して秘境を見たいわけではない。
  位置がズレてしまい、僕の顔にふとももが通過していった。とても柔らかくて良い匂いです。
  その後ソリアが目を覚ます。僕と山桜デートをしている夢を見ていたそうだ。
想里愛「『ごめんなさい、朝からご迷惑おかけして・・・』」
真樹「『大丈夫だよ、僕もよくあるし。』」
想里愛「『まだ寒いですね・・・もう少し布団で温まります?♪』」
真樹「『そうだね、一緒に温まろう♪』」
  布団で寝起きソリアをギューする。昨日の夜のままの恰好だがとても温かい。ソリアにジッと見つめらる・・・、すぐに僕も気付く。
  楽しみにしている甘い時間だ。二人共目を閉じて唇を重ねる。昨日食べた桃のアイスよりも甘い味がした気がした。
想里愛「『えへへ・・・♪』」
真樹「『ふふふ・・・♪』」
  僕はとても幸せだ。1日中布団の中でソリアと過ごしたいと思ってしまう。ソリアを抱きしめて頭を撫でながらそう考えてしまう。
真樹「『昨日の残りだけど・・・朝食もう食べる?』」
想里愛「『もう少し真樹さんと温まってからが良いです・・・♪』」
  ちなみに正面から抱き合っているので僕の僕が元気にならないか心配で仕方がない。
真樹「『僕もソリアとずっと温まってたいよ、大好き♪』」
想里愛「『あたしも大好きです!すごくドキドキしています♪』」
真樹「『ふふ・・・どのくらいドキドキしてるのかな?♪』」
  2つの恵みの果実を2つの手のひらで片方ずつ包む、包み切れないけど包めるだけ包む。
  その母なる大地は僕に内包する負の感情を全て打ち消す。そう、今僕の精神は母なる大地へ還っているのだ。これが・・・地球。
  (真樹哲学第弐拾伍節、母なる大地への帰還、真樹著)
想里愛「『ぁっ・・・ど、どうですか?♪』」
真樹「『すごく柔らかくて大きくて・・・ドキドキしてるね♪』」
想里愛「『えへへ・・・ドキドキですぅ~♪』」
  たっぷり母なる地球を堪能する。これはしゅごい。
想里愛「『温かくしなきゃ・・・♪』」
  ソリアが布団で包み直してくれる。こんな優しい娘に巡り会えて僕は幸せだ。
真樹「『スーパーで買った食材がまだあるし、今日のお昼はお弁当用意して山桜の樹の下で食べる?』」
想里愛「『やったぁ、真樹さんのお弁当すごく楽しみです♪』」
  うんうん、同じ場所だけど眺めも最高だしお弁当も最高なら良いデートになるだろう。
  ソリアの世界の街にも行ってみたいけど二人きりのデートも悪くない。
想里愛「『にゃぁ・・・♪』」
  可愛く甘えてくれるソリアを抱きしめて撫でてる間に時間は過ぎる。長い時間ラブラブで過ごせて大満足だ。さて朝食にしようかな。
真樹「『そろっと朝食にしよっか~。』」
想里愛「『そうですね、食べましょう♪』」
  さすがにずっと何も着ていないのはマズいかな・・・。そうだ買った服を着てもらおう。
真樹「『今のままのソリアも良いけど・・・お洒落なソリアも見たいな♪』」
想里愛「『昨日買ってもらった服を着ますね♪ま、また寝る前になったら・・・今のあたしに・・・戻ります・・・。』」
  小声だがしっかり聞き取れる。照れ隠しなのか、僕は立った状態でソリアに抱きつかれている。
真樹「『うん・・・暖房はしっかり効いてるし・・・今のソリアをまた夜に見ちゃうね。』」
  抱き返しながら頭を撫でる。ソリアは嬉しそうに頷いている。とても良かったです。
  そしていつものようにソリアの手を使いうまく隠しながら服を着せていく。
  着せる過程で素晴らしい感触を堪能するが決して表情には出さなくする。僕は紳士です。純白のワンピースを着てもらう。
真樹「『すごく似合ってるよ、世界一可愛い♪』」
想里愛「『えへへ、真樹さんと出会えてすごく幸せです・・・♪』」
  宇宙一可愛い天使が僕の目の前にいる。清純で聡明で誰の色にも染まっていない、そんなイメージだ。
  少しずつこの天使を僕の色に染めていきたい。僕は昨日の残りを運ぶ。
真樹「『ソリアと一緒にごはん食べるのも楽しいよ♪』」
想里愛「『そうですね、毎日一緒で幸せです♪』」
  ラブラブでひと口食べ合いっこした後、まったりおしゃべりしながら朝食を味わった。炊き込みご飯も里芋のあんかけも美味しい。
  この朝食で両方とも食べ終わった。お昼のお弁当を作りにいくかな。
真樹「『ちょっとお弁当作ってくるよ、ソリアはゆっくり休んでていいよ~。』」
想里愛「『あたしもお手伝いします♪ご飯は炊くんですか?』」
真樹「『炊くよ~、じゃあご飯炊きをソリアにお願いしちゃおうかな。』」
想里愛「『はい、任せてください♪』」
  ソリアがご飯を、僕がおかずを作る事になった。さっそく白米を研いでいる、とても綺麗な手だ。
真樹「『あ、手が冷えちゃうからお湯で研いだほうが良いよ~。』」
想里愛「心の声『真樹さん優しい・・・改めて大好きだって実感するなぁ・・・♪♪』」
想里愛「『はい、お湯使わせてもらいますね♪』」
  にっこりと笑顔を向けてくれるソリア、すごく可愛い!天使と調理するの最高です。
  僕も気分良く調理を開始する。と言っても、今回は簡単だ。美味しいお肉を焼くだけなのだから。
想里愛「『今日はどんな料理なんですか♪』」
真樹「『和牛霜降りのミスジステーキだよ、柔らかくて美味しいお肉なんだ。』」
想里愛「『すごく美味しそうです!子供の頃にお金持ちのお友達の誕生会の食事で出た肉とそっくりです♪』」
  あ・・・うんうん、14歳ならもう立派な大人だよね。ミスジとは牛の腕の内側にある肉だ。
  普段牛が使わない部分の肉なので、柔らかい食感で脂が多すぎず絶妙な味わいだ。牛1頭から2~3kgしか取れない希少な肉だ。
  今回は2種類の味付けにする。鍋にみりん・醤油・砂糖を入れる。そして胡麻・林檎・玉ねぎの3種類をすりおろして鍋に入れる。
  鍋の中が温まってきたら肉を入れて煮込んでいく。沸騰するまで煮れば、あとは余熱で肉の中まで火が通る。
  鍋の中身をそのまま弁当箱に入れる。ご飯は分けたほうが良いだろう。
  もう1種類は単純に焼肉に塩コショウを使って焼くだけだ。
  単純だが肉本来の旨味が味わえる。牛なので完全に焼かなくても良い。少しだけ赤身を残しても美味しく味わえる。
  今回はミディアム(肉の色は焼けてるが肉汁は生に近い状態)にした。2種類目の塩焼きも弁当箱に入れる。
真樹「『作り終わったよ~♪』」
想里愛「『あたしも研ぎ終わって、炊けるのを待つだけです♪』」
  二人の共同作業で作る料理、完成が楽しみだ。炊けるまで時間があったので、デザートに苺と桃の切り身も用意した。
  食後に食べると美味しいだろう。
想里愛「『あ、ご飯炊けました!弁当箱に入れておきますね♪』」
真樹「『ありがとう、ソリアの炊いたご飯食べるのすごく楽しみだよ♪』」
想里愛「『えへへ、真樹さんに喜んでもらえると良いなぁ♪』」
  二人で微笑み合う。山桜でのお昼ご飯がとても楽しみだ。弁当箱をリュックにしまい、出かける用意を済ませる。
  食後はおなかが落ち着くまで少し休む。その後に移動開始だ。
真樹「『少しゆっくりしたら、食材採りに行こう~。』」
想里愛「『はい♪育ててる桃はもぎたてでも食べれるので、着いたら1つ食べたいです♪』」
真樹「『いいね♪楽しみだよー。』」
  天然の果実は体に良い。ソリアの果実もすごく良いけどね。ソリアは苺のクッションに顔をモフモフしてリラックスしている。
  とても微笑ましい光景で僕の心も和んだ。ん、どうしたんだろう?ソリアに呼ばれる。僕はソリアの言われるまま横になる。あっ。
想里愛「『真樹さんにもリラックスして欲しかったんです♪』」
  女の子座りで待機するソリアが太腿に僕の頭を乗せてくれた。膝枕である。その圧倒的な包容力は大地の恵みに匹敵すると言える。
  これが噂の安眠枕か。その枕は反発することなく、マリンスノウが深海に沈むように僕の頭は沈んでゆく。
真樹「『すごくリラックスするよ、ソリアありがとう♪』」
想里愛「『えへへ♪毎日大切にしてもらってるんで少しはお返ししないと・・・。』」
  なんと頭ナデナデのサービスも追加で発動した。満面の笑顔と顔並の大きさの果実が僕の目に映る。
  幼児退行が止まらない。おねーちゃん、もっとナデナデして~・・・ハッ!幼児になってしまった。
真樹「『すごく癒されるよ、1日中こうされていたいぐらい幸せだよ♪』」
想里愛「『あたしも毎日真樹さんとこうしていたいです~♪』」
  毎日膝枕してもらえるのか。超ラッキーだ。ここは本当に天国のようだ。顔を横にしてふとももの匂いを嗅ぐ。
  とても良い匂いだ。ほっぺでモフモフする。とても柔らかい。こうして僕は、ソリアとラブラブの食後を過ごした。
真樹「『名残惜しいけど、お腹も落ち着いてきたし食材採りに行く?』」
想里愛「『そうですね、一緒にお散歩しながら採りに行きましょう♪』」
  僕はサッと精霊の人形をとってくる。そしてまた膝枕の位置に戻ってから二人で祈る。・・・無事ソリアの世界に転移できた。

〇桜並木
真樹「『こっちは暖かいね♪』」
想里愛「『そうですね、毎日外に出掛けやすくて良いですよね♪』」
  肩下げの竹刀や弁当箱など必要なモノはリュックにしまってあるので後は出掛けるだけだ。
  そんなことを考えながら、僕はもう少しこの幸せをソリアの逆ナデナデと膝枕の中で味わった。

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