恋はタイミング(脚本)
〇大樹の下
なつみ「もしかしてリフレの木村さんですか?」
木村「・・・ああ」
なつみ「サマーフェスに出てたでしょ」
木村「へえ、フェス来てたんだ」
木村「無名バンドの無名ボーカルなのに よく名前覚えてたね」
なつみ「出演バンドとアーティスト名は全員覚えてます! 記憶力だけは自信があるんですよー」
木村「すげーな 俺バカだから、頭いい奴尊敬するわ」
なつみ「ふふふっ ありがとうございます」
なつみ「次のライブはいつですか?」
木村「あれが最後」
なつみ「ええっ どうして?」
木村「俺、もう就職するからさ」
木村「バンドは学生の間だけって決めてたんだ」
なつみ「そうなんだ・・・・・・」
なつみ「残念です」
木村(わ、マジかよ 泣きそうじゃん え、ま、ま、まさか)
木村「君、もしかしてリフレのファンだった?」
なつみ「あ、はい…… まあ……」
木村(この反応…… 絶対違うな)
木村(調子に乗っちまったな)
〇音楽スタジオ
趣味でやってたバンドだけど
誰かの心を打ちたかった
この子の目があんまりキラキラしてたんで
夢が叶ったかと勘違いしちまった
〇大樹の下
木村(音楽の神様が 最後にご褒美くれたかと思った)
木村(んなわけ、ねーよな)
木村「ごめん 気を使わせちゃったな」
なつみ「あ、いえ そういうわけじゃ……」
木村「無理しなくていいって」
なつみ「いいえ 無理なんて ただ、私」
なつみ「リフレよりも 木村さんが好きなんです!」
木村「なるほど、俺が、ね」
木村「はあ??? 俺???!」
なつみ「一生懸命、歌うところ 観客に向ける優しい笑顔」
なつみ「一目惚れです」
なつみ「私と付き合ってください!」
木村「え」
木村「ええええ」
どうする木村
がんばれ木村!
恋はいつでもタイミング勝負
〇カウンター席
とりあえず喫茶店へ
2人がギクシャクしてる間に
140字きっかりの胸キュンnovelいきます!
「もしかしてリフレの木村さんですか?」
「・・・はい」
「やっぱり!次のライブはいつですか?」
「次はないな。俺来年就職だからさ。
バンドは学生の間だけって決めてたんだ」
「そうなんだ・・・」
「君、ロック好きなの?」
「いいえ、ロックじゃなくて木村さんが・・・」
「え・・・?」
「あ・・・?」
赤くなる2人。
恋の始まり。
「チャンスの神様には前髪しかない」と言いますもんね。目の前にきたチャンスをすぐに自分のものにしたなつみはすごい。見習いたいものです。
主人公の彼女がどれだけの美人さんなのか、それとも普通タイプの女の子なのかわかりませんが、こういう率直さって人の心に真っ直ぐ届くと思います。どうそお二人お幸せに!