時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第9話「再び巡り会うために」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

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〇けもの道
坂野りせ「みなさん、アレは持ちましたね?」
坂野あかり「うん、バッチリ」
坂野 れい子「でも、これで信じてもらえるのかな?」
坂野あかり「やってみなきゃ、わかんないでしょ」
坂野りせ「ダメならダメで、次の手を考えましょう」
坂野 れい子「はい!」
坂野あかり「それじゃあ登校中に紛れ込むよ」
坂野りせ「授業中は体育館裏に集合でいいですか?」
坂野 れい子「・・・・・・あ、その」
坂野あかり「じゃあ、プール裏?」
坂野 れい子「・・・・・・えっと」
坂野 れい子「北校舎の踊り場にしません?」

〇学校脇の道

〇階段の踊り場
坂野あかり「次は昼休みだけど、父さん見た?」
坂野りせ「いえ」
坂野 れい子「もしかして、ショックで休んでるのかな?」
坂野 れい子「それとも──」
坂野 れい子「私、なんてことを!」
坂野あかり「バカなこと考えない!」
坂野あかり「大丈夫よ、きっと」
坂野りせ「では、私が実家に向かいます」
坂野あかり「私たちは舞、母さんを説得ね」
坂野あかり「オーケー?」
坂野 れい子「はいっ」
坂野あかり「れい子、ちょっと無理いってお願いがあるんだけど──」

〇学校の廊下
坂野あかり「作戦通りいくよ」
坂野あかり「大丈夫? わたしだけでやろっか?」
坂野 れい子「不安だけど、やる」
坂野 れい子「あかりじゃ、できないんでしょ?」
坂野あかり「まあ、ね」
坂野あかり「来たよ」
堀井 舞「ねえ! あなたたち!」
坂野 れい子「は、はいっ」
坂野あかり「そっちから来てくれてよかった」
堀井 舞「はぁ?」
堀井 舞「なに、2人は仲良かったの?」
堀井 舞「もしかして、坂野くんと組んで私をからかってるの?」
坂野 れい子「ぜぜ、絶対にそれは!」
坂野あかり(さすがに、無理させちゃったかな〜)
坂野あかり(でも、わたしじゃ言い返しちゃいそうだし・・・・・・)
堀井 舞「それは? なに?」
坂野 れい子「すいません! すいません!」
堀井 舞「私に近寄らないで」
堀井 舞「わかった?」
坂野 れい子「はいっ」
坂野あかり「──仕方ないっか」
堀井 舞「まったく」
堀井 舞「落とし物よ〜!」
堀井 舞「・・・・・・って、聴いてないし」
堀井 舞「これはどういうこと? えっ!?」

〇昔ながらの一軒家
坂野りせ「あの〜、坂野くんいますか?」
坂野 智治「君には悪いけど、帰ってくれないか」
坂野 智治「もう学校に行く気もないし」
坂野 智治「君と仲良くしてると、堀井さんに嫌われる」
坂野りせ「まだ、舞さんに気があるようでよかった」
坂野りせ「実は見て欲しいものが」
坂野 智治「堀井さんのこと?」
坂野 智治「・・・・・・今は気分じゃないんだ」
坂野りせ「そうとも言えるし、そうじゃないとも言えます」
坂野りせ「これです」
坂野 智治「なに、たった10円がどうしたっていうのさ」
坂野りせ「ただの10円と思いますか?」
坂野りせ「よ〜く見てください」
坂野 智治「ええ・・・・・・ほんと、今はそんな気分じゃないんだけど」
坂野 智治「どれどれ・・・・・・!?」

〇体育館の裏
坂野 れい子「・・・・・・結局、ここなんですね」
坂野あかり「誰も来ないとこなんてここしかないでしょ」
堀井 舞「ねえ、これはどういうこと?」
堀井 舞「貨幣は大事にしないと──」
坂野 れい子「昨日はごめんなさい!」
坂野 れい子「私、私、ママと――じゃない、舞さんと坂野くんが」
坂野 れい子「くっつかないようにしようとしてたの」
堀井 舞「そ、それは、わかった、けど」
堀井 舞「いま、ママって言ったわね?」
堀井 舞「そして、この10円の年号は5年後の──」
堀井 舞「あなた達って、まさか・・・・・・」
坂野あかり「そう、私たちは未来から来た」
坂野あかり「あなたと坂野くんの娘よ」

〇実家の居間
坂野 智治「そんなの、信じられないよ〜」
坂野 智治「君と、あの2人が僕と堀井さんの娘だなんて」
坂野りせ「写真見ます?」

〇体育館の裏
堀井 舞「へえ、これが未来の私」
堀井 舞「悪くないわね」
堀井 舞「でも、あなたの写真しかないけど──」
坂野あかり「坂野くんが人違いしなかったら」
坂野あかり「最初の告白オーケーしてたでしょ?」
坂野あかり「それで生まれたのがわたし」

〇実家の居間
坂野りせ「で、最初の告白が人違いで失敗しても」
坂野りせ「同窓会で再会して結婚していたんですよ」
坂野りせ「それで生まれたのが私です」

〇体育館の裏
坂野 れい子「でも、世界を最初のかたちに戻そうって」
坂野 れい子「昨日の告白を2人がセットしたの」
坂野 れい子「私が邪魔しなければ、私が、生まれてたの」

〇実家の居間
坂野 智治「そうだったんだ」
坂野 智治「これは運命かもしれない!」
坂野 智治「僕は行くよ」
坂野 智治「君たち、また取り持ってくれるよね?」
坂野りせ「・・・・・・いえ」

〇体育館の裏
堀井 舞「それでも、あなた達の誘いには乗らないわ」
堀井 舞「今の坂野くんじゃダメ」
坂野あかり「そうよねぇ」
坂野 れい子「そう、よね」
坂野あかり(りせ、そっちは頼んだよ!)

次のエピソード:第10話「4度目の正直」

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