時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

第7話「時間線を超える姉妹」(脚本)

時間線を超えた姉妹 〜タイムライン・シスターズ〜

イヌドングリ

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〇公園のベンチ
坂野あかり「ちょっと! あんた、聴きなさい!」
???「えっ、あっ、ママ!?」
???「・・・・・・って、あなたは?」
坂野りせ「未来から来ただけでなく、あかりをママ呼びですか」
坂野りせ「坂野さん、ですね?」
???「どどど、どうして私の名前を?」
???「おおお、同じクラスだったっけ?」
???「か、帰って! こっちに来ないで!」
坂野りせ「奇遇なだけですよ、私も坂野です」
坂野あかり「私もね」
坂野あかり「言いたかないけど」

〇公園のベンチ
坂野 れい子「・・・・・・私は、坂野れい子です」
坂野あかり「わたしはあかり」
坂野りせ「私は、りせです」
坂野りせ「しかし、どうしてこのようなマネを?」
坂野 れい子「・・・・・・ごめんなさい」
坂野あかり「許さない」
坂野りせ「まあまあ、あかり、落ち着いて」
坂野りせ「理由があるのでしょう?」
坂野あかり「そうよ!」
坂野あかり「なんで親の恋路を邪魔したの?」
坂野あかり「自分も消えちゃうでしょ?」
坂野 れい子「・・・・・・うん」
坂野りせ「つまり、消えようとしたということですか?」
坂野りせ「なにを考えているんです!」
坂野 れい子「・・・・・・!」
坂野あかり「りせ?」
坂野りせ「いま、あの2人が結ばれれば」
坂野りせ「あかりが生まれたはず」
坂野りせ「そうすれば、時間線が戻って私もあなたも消えて」
坂野りせ「全ては元通りになった!」
坂野 れい子「そう、だったの、かも」
坂野りせ「そうなんですよ!」
坂野りせ「あぁ、なんてことを!」
坂野あかり「りせ・・・・・・」
坂野あかり「ねえ、れい子」
坂野 れい子「は、はい」
坂野あかり「どうして、消え、たかったの?」
坂野 れい子「私、いるだけで迷惑だったんです」
坂野 れい子「友達に、煩いって、言われてから──」
坂野あかり「あぁ」
坂野あかり「大変だったのね」
坂野 れい子「えっ」
坂野 れい子「私の、話を、聴いてくれるの?」
坂野あかり「なんか、わたしたち、姉妹らしいし」
坂野あかり「親が一緒なのよ、ね? りせ」
坂野りせ「ええ、遺伝的には姉妹です」
坂野 れい子「私、一人っ子・・・・・・」
坂野りせ「私も、あかりもです」
坂野りせ「ですが血は繋がっています」
坂野あかり「うん、だからって訳じゃないけど」
坂野あかり「なんでも話してみてよ」
坂野 れい子「よくわからないけど、そう、だったのね」
坂野 れい子「ごめんなさい!」
坂野 れい子「私、私、友達から遠ざけられて、見捨てられて」
坂野 れい子「消えて、しまいたかった」
坂野あかり「うん、そう、だったんだ」
坂野 れい子「でも、誰にも、親にも友達みんなにも迷惑をかけたくなかった」
坂野 れい子「でも、あの時、見つけちゃったの」
坂野 れい子「同級生を避けて、森の奥で」
坂野りせ「あの雲ですね?」
坂野 れい子「うん、最初は何かわからなくって」
坂野 れい子「でも、過去に行けることがわかって」
坂野あかり「・・・・・・」
坂野 れい子「もしパパとママが結婚しなかったら」
坂野 れい子「私は生まれない──」
坂野りせ「だから──」
坂野あかり「りせ、待って」
坂野 れい子「──だから、2人を繋いだキューピッドさんを邪魔すれば」
坂野 れい子「私は誰の記憶からも、この世界からも消えて」
坂野 れい子「誰にも迷惑をかけずに済む」
坂野 れい子「悲しまれることすらない」
坂野 れい子「そう、思ったのに・・・・・・」
坂野 れい子「ごめんなさい!」
坂野 れい子「あなた達に迷惑をかけて、しまった」
坂野あかり「うっぐ、ひっく」
坂野あかり「ほんとに、辛かったのね」
坂野あかり「でも、もう大丈夫」
坂野あかり「わたしは世界からは消えちゃったけど」
坂野あかり「わたし達、姉妹は、ここにいる」
坂野あかり「ね、りせ?」
坂野りせ(なにか、引っかかりますね)
坂野あかり「りせ!」
坂野りせ「えっ?」
坂野あかり「彼女もわたしたちの姉妹よね?」
坂野りせ「え、ええ」
坂野 れい子「私、いてもいいの?」
坂野 れい子「こんなに迷惑をかけて、かけて」
坂野 れい子「あなた達を消してしまった」
坂野あかり「いいって言ってんじゃない!」
坂野あかり「ねえ、りせ」
坂野あかり「れい子がここにいてもいいわよね?」
坂野りせ「ええ、もちろん」
坂野りせ「それより、キューピッドさんですか?」
坂野あかり「りせ? 急にどうしたの?」
坂野りせ「れい子さん、いや、れい子」
坂野りせ「キューピッドさんと言いましたね?」
坂野りせ「何人いたとか──」
坂野 れい子「あなた達のこと、だと思う」
坂野 れい子「ほんとに邪魔してごめんなさい!」
坂野りせ「もういいですよ、終わったことです」
坂野りせ「それより、大変なことに気づいてしまったかもしれません」
坂野あかり「どうしたの?」
坂野 れい子「わわ、私、なにか迷惑なことを・・・・・・?」
坂野りせ「つまり今日の告白がうまくいった世界では」
坂野りせ「れい子、あなたが生まれたと言うことです!」
坂野りせ「・・・・・・なんてことだ」
坂野 れい子「あかり、さん? 私が、悪いの?」
坂野あかり「違うんじゃ、ないかな?」

次のエピソード:第8話「量子論的カット&ペースト」

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