APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

菜鳥オウル

22.それが私のやるべきことです。①(脚本)

APAS討伐部~パートナーになったのは、最凶最悪の怪異でした~

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〇オフィスのフロア
須佐川「──お前が殺生石から抽出された妖力によって作られた、人工の陰陽師だからだ」

〇オフィスのフロア
玲奈「人工の、陰陽師・・・?」
観崎「それについてはアタシが説明するよ」
酒巻「観崎さん。どうしてここに・・・」
観崎「ちょっと様子見。でも、顔を出してみて 正解だった。だってこの件は、アタシの おじいちゃんも関わってたから」

〇広い和室
  ──キミたちも知っての通り、今は陰陽師が業界全体として不足している
  それは14年前も同じでね。特に陰陽師たちの力で殺生石の力を抑える任を負っていた狐守家には死活問題だったみたい。

〇古風な和室(小物無し)
  だから当時の狐守家当主は、研究部の部長だったアタシのおじいちゃんに相談したんだ
  陰陽師不足を解消する良い方法はないかって

〇黒
  そしておじいちゃんは思い付いてしまった
  怪異の妖力を霊力に変換して、人間の身体に植え付けるって方法を──

〇オフィスのフロア
酒巻「妖力を霊力に変換なんて、そんな事可能なんですか?」
酒巻「性質は似てますけど、全く違うものですよ?」
観崎「アタシのおじいちゃんは天才って呼ばれた人だからね。その程度は簡単だったんだよ」
観崎「・・・この手の類いの研究は、倫理的な問題から禁忌にも等しいもの」
観崎「それでも狐守家当主とアタシのおじいちゃんは秘密裏に考えを実行に移したんだ」
観崎「殺生石の妖力を抽出して霊力に変換し、孤児院から引き取った女の子を被検体として実験を行った」
観崎「その被検体がキツネちゃん──キミだよ」
玲奈「・・・」
時雨「殺生石を見た時、玲奈ちゃんの力に似てるって感じたのは気のせいじゃなかったんだ」
時雨「やっぱり人間って自分勝手。同族にまでこんなことするなんて」
観崎「うん、こればっかりはほんとにうちの親族が申し訳無い──」
  ──ドサッ
「キツネちゃん!?/玲奈ちゃん!?」
玲奈(被検体?妖力を変換?)
玲奈(それじゃあ何? 私の力は、怪異の力ってこと? 私の一部は、怪異ってこと?)
玲奈(そして──)

〇広い和室
  あの優しかった人達は──

〇広い和室
  ──私を利用しようとしてたってこと?

〇オフィスのフロア
玲奈(なにがあっても殺人はだめ)
玲奈(それに、こんな騒動を起こすことも許せない。陰陽師として白月を必ず討伐しないと)
玲奈(でも、どうして?)
玲奈(前のように強い気持ちになれない。 足に力が入らない・・・)
須佐川「・・・」
須佐川「よし。とりあえず、狐守は俺の部屋で少し休んでおけ」
須佐川「──八田島、お前は側についていてやること」
須佐川「ああ、酒巻に茨木。お前達はもう少ししたらまた街に──」
玲奈「・・・」

〇黒

〇個別オフィス
玲奈(私も、行かなきゃいけないのにな)
玲奈「・・・あ」
時雨「・・・」
玲奈(時雨、手を握ってくれてる)
玲奈(冷たいのに温かくて・・・ なんだかまた涙が出てきそう)
リポーター「──現場は今だ怪物達による混乱が続いています!」
玲奈「あ、テレビだわ・・・」
玲奈(須佐川さんが見てたのかしら。ついてたの、気付かなかったわ)
リポーター「おや、これはどういうことでしょうか!?」
玲奈「──え?」

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