エピソード1(脚本)
〇荒廃した街
黒木九郎「スクラップハンターも楽じゃねぇな」
マチ「なにがスクラップハンターよ! パパがしているのは単なるゴミ拾いじゃない!」
黒木九郎「マチはお子様だからわからないだろうけど、かつてホームレスというゴミ拾いのプロがいたんだぜ」
黒木九郎「父さんはなそんなゴミ拾いのプロなんだ! どうだ、すごいだろ!」
ロボットの反乱により世界が滅びて20年が過ぎた。
当時引きこもりニートだった黒木九郎はいまや立派なスクラップハンターとなり一家の大黒柱になっている。
aiko「九郎さま、お昼ご飯の準備が整いました」
マチ「わーい! ママのごはんだ!」
aikoは俺が引きこもり時代に作った自作の俺だけを好きになるロボット。今では俺の妻であり、戦争孤児だったマチの母親だ。
黒木九郎「もうそんな時間が、ゴミはこれくらいしか拾えなかったな」
aiko「対ヒューマノイド兵器アロンダイトですね。売れば500万円にはなりますよ!」
黒木九郎「そ、そんな武器が落ちていたのか? ってことは、近くで戦っていたやつもいたかもな・・・・・・」
黒木九郎は娘のマチが悲惨な最後を遂げたであろう戦士の姿を見なくて良かったと思った。
スクラップハンターは戦闘の終わった地域を餌場にしている危険な仕事でもあるのだ。
黒木九郎「これで当分は食事に困らないな」
aiko「そうですね。昆虫の粉末ばかりだと飽きてきますからね」
マチ「わたしお肉食べたい! 牛肉がいい!」
黒木九郎「よし、たまにはマチにご馳走を食べさせてやりたいからな。この剣を売っぱらって、今夜は焼肉にしよう」
マチ「わーい! ありがとうパパ!」
aiko「焼肉だなんて、そんな約束をして良かったのですか? 九郎さま」
黒木九郎「そうだなぁ、物価も高騰しているし、もうひと頑張りしないとダメかな」
aiko「お供したいのですが、わたしはマチさまを護らなければなりません。お仕事にいくのなら気をつけてくださいね」
黒木九郎「大丈夫、ダイジョーブ! それよりマチには学校に行かせてやりたかったな・・・・・・こんな世界にならなければ・・・・・・」
aiko「九郎さまは学校に行けたのに行きませんでしたからね」
黒木九郎「うるせー! いじめがあれば逃げる! 恐ろしいアンドロイドが現れれば逃げる! 生きのびるには大切なことだぞ!」
aiko「了解、学習しました。九郎さま」
〇荒廃したセンター街
マチ「焼肉、ヤキニク、やっきにくーー!!」
破壊兵器「ニンゲンヲホソク。チキュウのゴミヲショブンシマス・・・・・・」
aiko「マチさま! 危ない!」
アロンダイトを使って必死に抵抗するが、aikoは九郎自作ロボットなので性能のスペックで最新型の破壊兵器には敵わない。
マチ「ママ! 頑張って! そんな奴に負けたらダメだよ! 死んじゃダメ!」
aikoの手からアロンダイトかこぼれ落ちる。やられるかという時、マチはアロンダイトを拾い上げた。
マチ「どりゃあーー! わたしはママをもう2度と失いたくないんだ!」
破壊兵器「ムダナテイコウダ・・・・・・チキュウノゴミメ」
その時だった・・・・・・
アロンダイトが輝き出す。
マチ?「くらえー!」
aiko「す、凄いです。マチさま、一体どんな技を?」
マチ?「え・・・・・・わたしはただ普通に剣を振っただけだよ」
黒木九郎「遅かったか、でもマチたちが無事で良かったよ」
マチ?「パパ・・・・・・なんだったの? わたしになんであんな力があるの?」
黒木九郎「それはな、オマエがハッカーだからだよ」
マチ?「はっかぁ?」
黒木九郎「そう、対破壊兵器用ニュータイプ人類、ハッカーさ」
マチ?「いやだ! わたしはパパみたいなスクラップハンターになる!」
黒木九郎「ふぅ、ニュータイプはハッカーと呼ばれて・・・・・・アンドロイドをぶっ壊す不思議な魔法が使えたり、高い戦闘能力があるんだ」
黒木九郎「生まれ持った才能だ。俺はマチの才能を伸ばしてやりたい。家族だからな」
aiko「マチさま、わたしも九郎さまと同じ気持ちです。マチさまの力は困っている人たちを助けるために使うべきです」
マチ?「なら、わたし、家族みんなで最後まで戦うよ! いいでしょ?」
黒木九郎「ああ、いいとも。これでマチも立派なスクラップハンターだな。これからは一緒にゴミ拾いだ。その武器は記念にやるよ」
マチ?「ありがとう! パパ! あ・・・・・・でも焼肉・・・・・・お金平気なの?」
黒木九郎「じゃーん!」
aiko「おお! 最新式の対ヒューマノイド兵器イスカンダル! これは5000万円で売れます!」
黒木九郎「言っただろ、俺はプロのスクラップハンターなんだぜ!」
マチ?「ありがとう! パパ・・・・・・だーーーいすき! ちゅ!」
aiko「標的発見!」
黒木九郎「だわわっ、aiko! マチは敵じゃねえ! その武器をしまえ! マチも変身を解いてくれよ。大人になった姿だと誤解されるっ!」
マチ?「えへへっ!」
戦争孤児という物悲しい言葉の響きにしんみりしていたら、マチちゃんまさかのニュータイプ人類ハッカーだったとは!でも、マチちゃん本人が言うように、人類のために戦うよりもスクラップハンターの方が楽して焼肉食べれそうですよね。
ゴミ拾いで500万円の物を見つけるなんてすごいな!って思っていたけど5000万円のものまで見つけて来るなんて…その能力うらやましすぎるので、お友達になって一緒にゴミ拾いしたいです🤣