初めての病(脚本)
〇英国風の部屋
──数日後──
あれからというもの、
ジェラン様の様子が変だった。
何を隠しているわけでもないのだが
何処か健康ではなさそうだった
〇病院の診察室
クルン「──ということなんです」
医師「なるほど・・・」
医師「クルン、可能な限り早く ジェランをここへ連れて来るんじゃ」
クルン「は、はい・・・!」
医師「──出すべきじゃなかったかもしれんのぅ」
〇英国風の部屋
メイド長「────?」
ジェラン「────!」
クルン「ジェラン様!!」
クルン「ハァハァ」
ジェラン「クルン、どうしたの? 息が切れてる・・・」
クルン「急いで来てください。 ジェラン様の安全のためです」
正装でないことを思い出し、
メイド長の方をちらりと見た
メイド長「・・・急用のため、 正装出ないことを認めます」
クルン「ありがとうございます!!」
ジェラン「ちょっ、クルン?!」
メイド長「・・・」
メイド長「・・・」
魔導師「やぁ久しぶりだね、メイド長さん♪」
メイド長「何をしに来たんですか」
魔導師「ちょっと未来予知を、ね?」
メイド長「あらかた予測はできています」
魔導師「だよねw じゃあ、ほんの慰め程度にだけ 予測してあげる」
魔導師「──が死ぬよ」
メイド長「────え?」
〇病院の診察室
医師「うん、やはりじゃ」
クルン「やはりって・・・」
ジェラン「どういうこと? 2人とも、何か知ってるの?」
医師「ジェラン、」
医師「お前さんは流行り病にかかっている」
ジェラン「・・・え?」
医師「クルンが相談してくれたんじゃ」
クルン「すみません、勝手に・・・」
ジェラン「ううん、心配してくれたんだね ありがとう」
医師「薬ならいくらでも出せる。 もって数ヶ月じゃが・・・」
クルン「ありがとうございます」
医師「お大事に」
医師「ジェランのあんな顔は初めてじゃのう」
〇英国風の部屋
メイド長「────が? そんなわけ無いわよ、」
魔導師「な〜んでそう言い切れるの?」
魔導師「きっと彼、彼女なりの考えがあるんだよ」
魔導師「君が知ってるように、ね?」
メイド長「・・・」
〇城の会議室
お母様「・・・」
ジェラン「お母様・・・」
お母様「クルン、ジェランと話がしたいの。 少し席を外していただける?」
クルン「はい」
お母様「彼から聞いたわ」
ジェラン「全部?」
お母様「全部よ」
「・・・」
ジェラン「お母様、ワタクシ提案がある」
〇西洋の街並み
──診断所から帰るとき──
ジェラン「クルン、ワタクシ 面白いことを思いついた!」
ジェラン「ワタクシ達で特攻薬を作るの!」
クルン「でも、ジェラン様の命は残り数ヶ月です」
クルン「それに僕達に医療の知識は ありませんし・・・」
ジェラン「だから、勉強する!」
ジェラン「期限を3か月にして、」
ジェラン「もちろんその前に 死んじゃうかもしれないけど」
ジェラン「まず1ヶ月勉強! それから2ヶ月かけて 色んなところを周って発見する!」
ジェラン「ワタクシの最期の願いだと思って ・・・お願い」
クルン「・・・」
クルン「頑張りましょうね、ジェラン様」
ジェラン様はとても驚いた顔をした
ジェラン「うん!よろしくね!!」
〇城の会議室
ジェラン「────ってこと。 お願い、お母様」
お母様「・・・」
お母様「わかった、気をつけるのよ」
ジェラン「ありがとう、お母様!」