第壹譚・呪いの誕生(脚本)
〇SNSの画面
それから、俺は【呪いの日記帳】について調べた。
ネットの小さな書き込みから、図書館に置かれた古い新聞記事にまで・・・・・・
俺は、ありとあらゆる方法で時間が許す限り調べ尽くした。
夜中に聞こえる足音と、時折現れる青白い男の影から逃げながら・・・・・・
俺は最後まで調べ続けた。
俺はその数日後、とあるSNSに書き込みをしたんだ。
〔【呪いの日記帳】は、ある村に住む一人の少女が書いた物だった。彼女の家は余り裕福ではなく。
それでも、両親は彼女に苦労をかけない為にと身を粉にして働き・・・・・・
その苦労の甲斐あって、彼女は東京の大学に進学を果たした。
【呪いの日記帳】・・・・・・黒いノートは、東京で一人暮らしをする彼女が日記を書く為に購入した物だったのだ。
だから、最初の方は楽しい内容が書かれていた。初めての都会で一人暮らし、恋人も出来て・・・・・・
だが、彼女は酷い虐めに合っていた。付き合い始めた男性の元カノの仕業だ。
何故なら二人が別れた原因が、彼が彼女に一目惚れしたからだったから・・・・・・
ぽっと出の田舎者に恋人を奪われたと逆怨みされてしまったのだ。
動物の死骸をポストに入れられたり、元カノの男友達に襲われたり、・・・・・・
アパートの部屋に侵入され荒らされたり・・・・・・僅か六日の内にこれだけの目に合い。
彼女は、相当苦しんでいた筈だ。
そして、虐めが始まってから七日目に彼が失踪した。
彼は元カノに彼女への虐めを辞める様説得へ行き、口論の末その場に居合わせた元カノの男友達に頭を鈍器で殴られ殺されたのだ。
だが、何も知らない彼女は必死に彼を探した。
しかし、彼女に協力する人は誰もいなかったのだ。警察は録に話を聞いてくれず、大学には相談出来る友人すらいなかった。
そんな時、彼女の両親が山火事に巻き込まれ亡くなった。全てを失った彼女は虐めを受け始めてから、十三日後に自殺した。
ノートの中には、元カノとその男友達に対する怒りや憎しみが書き残されていた。だが、彼女は元カノたちだけではなく。
全てを呪っていたのだろう。その証拠に、彼女の死後。
元カノやその男友達は、不審死を遂げていたが【呪いの日記帳】が消える事はなかった。
彼女は自分を見捨てた全てを怨んでいる。だからこそ、ノートを読んだ人間に自分と同じ末路を辿らせるのだろう。
・・・・・・俺が【呪いの日記帳】を読んでから七日目の昨日、俺の恋人が失踪した。俺の命も後六日だ。
これを読んでいる、何処かの誰かさん。
もし君の前に【呪いの日記帳】が現れたなら決して関わらず、無視する事をお勧めする。
橘旬】