怪盗たちの夜

Nazuna

美術館のダイヤモンド(脚本)

怪盗たちの夜

Nazuna

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〇センター街
???「号外だよ、号外!」
???「怪盗ラムダがまたやったぞ!」
  世界最大級のダイヤ盗まれる
  世間を揺るがす大怪盗ラムダ
  果たしてその正体は──?

〇おしゃれなリビングダイニング
  号外発表の約14時間前
  AM8:00
ザクロ「ん、うまい」
ルリ「どうも」
アクア「おっはよー!」
サンゴ「おっはよー」
ルリ「おはよう。アクア、サンゴ」
アクア「いっただっきまーす!」
ルリ「あ、ちょっと待って」
ルリ「先にお義父さん呼んできてくれる?」
アクア「えー、どうせまだ寝てるよ」
アクア「な? サンゴ」
サンゴ「どうせまだ寝てる」
ルリ「それもそうか・・・」
アクア「ヒスイばあちゃんは?」
ルリ「お義母さんは昨日から町内会のお泊り会」
アクア「なんだ」
アクア「じゃ、今度こそいただきまーす!」
サンゴ「いただきます」
ザクロ「ごちそうさま」
アクア「あれ、父さんどっか行くの?」
ザクロ「ちょっと出かけてくる」
ザクロ「ルリ、これ」
ルリ「・・・・・・」
ルリ「私もごちそうさま」
ルリ「お義父さん起こしてくる」
ルリ「食べ終わったら、食器は洗面台に置いといてね」
アクア「はーい」
アクア「・・・行ったかな?」
アクア「サンゴ、それ取って」
サンゴ「これ?」
アクア「うん」
アクア「ほら、これ見ろよ」
  世界最大級のダイヤモンド
  〇〇美術館にて本日から展示開始
アクア「今日かららしいぜ」
サンゴ「らしいね」
アクア「お父さん出かけるとか言ってたけど、嘘だな」
アクア「”下見”だよ、”下見”」
サンゴ「”下見”だ」
アクア「お母さんも狙ってそうだしな・・・」
アクア「でもヒスイばあちゃんがいないのはチャンスだ」
アクア「・・・やるか」
サンゴ「・・・やろう」
歳三「ふわあ~」
アクア「な、なんだじいちゃんか」
アクア「おはよう、歳三じいちゃん」
歳三「お?」
歳三「おお、おはよう、サンゴ」
アクア「俺はアクアだよ、じいちゃん」
アクア「こっちのおとなしい方がサンゴ」
歳三「おお、そうだったか。すまんすまん・・・」
アクア「母さんは?」
歳三「買い物に行くと言って出ていったよ」
アクア「そう」
アクア「サンゴ、続きは俺の部屋で」
歳三「なんじゃ、遊びの相談か?」
アクア「ま、まあそんなこと」
アクア「それよりほら、早く朝ごはん食べちゃいなよ」
歳三「おお、そうだな」
アクア「俺たちはごちそうさま!」
アクア「ほらサンゴ、行くぞ」
サンゴ「うん」
歳三「今日はなんだか忙しないのお・・・?」

〇本棚のある部屋
アクア「さあ、作戦会議だ」
アクア「ダイヤモンドがあるのは、○○美術館の一階」

〇立派な洋館
アクア「昼間はメインの広間で展示されて、」

〇立派な洋館
アクア「夜は奥の部屋で保管されるらしい」

〇本棚のある部屋
アクア「やっぱり、狙うとしたら夜だろうな」
サンゴ「だろうね」
アクア「問題は・・・」
サンゴ「父さんと母さん」
アクア「ああ」
アクア「お泊り会に行ってるヒスイばあちゃんはともかく、」

〇ビルの裏通り

〇アパレルショップ

〇本棚のある部屋
アクア「父さんと母さんは確実に狙ってる」
サンゴ「競争になるね」
アクア「ああ」
アクア「最初に盗ったもん勝ち」
アクア「”争奪戦”だ」
アクア「・・・・・・」
サンゴ「大丈夫」
サンゴ「俺たちなら勝てる」
アクア「・・・そうだな」
アクア「こっちは二人いるんだ。負けるもんか」
サンゴ「その通り」
アクア「よし、俺に考えがある」
アクア「まずは──」

〇おしゃれなリビングダイニング
  PM8:00
アクア「ごちそうさま!」
サンゴ「ごちそうさまー」
歳三「なんじゃお前ら、もう寝るのか?」
アクア「うん。おやすみ!」
ルリ「私もそろそろ寝ますね」
ザクロ「ん、俺もだ」
歳三「なんじゃ、お前らもか」
歳三「しょうがない、儂も寝るとするかのお・・・」

〇黒
アクア「・・・じいちゃん、もう寝たかな?」
サンゴ「たぶん」
アクア「父さんと母さんは?」
サンゴ「わからない、もう出たかも」
アクア「よし」

〇シックな玄関
アクア「急ごう、サンゴ」
サンゴ「うん、アクア」

〇立派な洋館
アクア「はあ、はあ」
アクア「サンゴ、大丈夫か?」
サンゴ「大丈夫」
アクア「よし、じゃあまずは・・・」

〇本棚のある部屋
アクア「まずは、三階のガラスを割って警備員を上に誘導させる」
アクア「美術館にあるのはダイヤだけじゃないからな」
アクア「警備員は三階に様子を見に行く」
アクア「その間、一階のダイヤは警備が薄くなるってわけだ」

〇立派な洋館
アクア「サンゴ、準備はいいか?」
サンゴ「うん」
サンゴ「いくよ」
アクア「上手い!」

〇洋館の廊下
警備員「なんだ!?」
警備員「上だ! 急げ!」

〇立派な洋館
アクア「今だ!」

〇空
  一方そのころ、○○美術館上空
パイロット「ほら、着きましたよ」
ザクロ「ああ」
ザクロ「送迎ありがとう」
ザクロ「帰りも頼むよ」
パイロット「はいよ」
ザクロ「一階の入り口ばかり警戒して、まさか空から来るとは思うまい」
ザクロ「三階から侵入して・・・」
ザクロ「・・・ん?」
ザクロ「なに!?」
パイロット「どうかしたんすか?」
ザクロ「三階のガラスが」
ザクロ「すでに割られている」
パイロット「は?」

〇立派な洋館
警備員「くそ、見つからないぞ!」
警備員「まだ近くにいるはずだ、探せ!」

〇空
ザクロ「警備員も集まってるか・・・」
ザクロ「仕方ない、別の入り口を探すぞ」
ザクロ「反対側に回ってくれ」
パイロット「はいよ」
ザクロ「くそ、大幅なタイムロスだ」
ザクロ「一体誰がこんなことを・・・」

〇洋館の玄関ホール
アクア「ふう」
アクア「よし、侵入成功だ!」
アクア「警備員もいない」
アクア「へへ、こんなに上手くいくとはな」
サンゴ「アクア、こっち」
アクア「ああ、ダイヤのところに急ごう」

〇要塞の廊下
アクア「サンゴ、止まれ!」
サンゴ「どうしたの?」
アクア「しーっ、あっち見ろ」

〇要塞の廊下

〇要塞の廊下
アクア「まだ残ってたか・・・」
サンゴ「アクア、どうする?」
アクア「別の道を探してる暇はない」
アクア「サンゴ、後ろから回り込め」
サンゴ「わかった」

〇要塞の廊下
アクア「えーん、えーん」
警備員「ボク、間違って入ってきちゃったのかな?」
アクア「うえーん」
警備員「ほらほら、大丈夫だから」
アクア(腰を屈めた!)
アクア「今だ、サンゴ!」
警備員「むぐっ!?」
サンゴ「純度100%の麻酔薬」
サンゴ「体に害はないよ」
警備員「ぐう・・・」
アクア「よし!」
アクア「先を急ごう」
サンゴ「うん」
警備員「・・・・・・」
警備員「・・・行ったかな?」
ルリ「あー、暑かった」
ルリ「警備員に変装すれば、忍び込むのなんて簡単♪」
ルリ「さ、罠の確認はあの子たちに任せて」
ルリ「私はゆっくり後を追おうかしら」

〇無機質な扉
サンゴ「これが・・・」
アクア「間違いない、ダイヤの保管場所だ」
アクア「見ろよ、きっと俺たちが一番乗りだぜ」
サンゴ「まだ油断は禁物」
アクア「そうだな、ダイヤを手に入れて逃げ出すまで油断はできない」
アクア「・・・開けるぞ」

〇殺風景な部屋
アクア「ここに、世界最大級のダイヤモンドが・・・」
アクア「おっと、部屋の中には入るなよ」
アクア「センサーが仕掛けてあるかもしれない」
アクア「サンゴ、ダイヤは見えるか?」
サンゴ「暗くて・・・」
アクア「そうだなあ・・・近くにスイッチはないか?」
サンゴ「あ、あった」
アクア「よし、電気をつけてくれ」

〇殺風景な部屋
アクア「どうだ、見えるか?」
サンゴ「うん、部屋の真ん中に机が・・・」
サンゴ「・・・ない」
アクア「え?」
サンゴ「ダイヤがない!」
アクア「なに!?」
ルリ「案内ご苦労様」
ルリ「さ、ダイヤは私が・・・」
アクア「母さん!? 一体いつから・・・」
アクア「いや、それどころじゃない!」
アクア「母さん! ダイヤがないんだ!」
ルリ「はあ?」
サンゴ「そんなわけない!!」
サンゴ「そんなわけないんだ、もっと近くで見れば・・・」
アクア「サンゴ、待て!」
アクア「まずい!」
ルリ「ちょっと~、一体どうなってんのー?」
警備員「おい、こっちだ!」
アクア「くそ、ここまでか!」
アクア「ん?」
アクア「この音、どこから・・・」
サンゴ「アクア、上」
アクア「上?」

〇殺風景な部屋
ザクロ「くそ、遅くなってしまった・・・」

〇殺風景な部屋
アクア「父さん!?」
ザクロ「ん?」
ザクロ「アクア、サンゴ、それにルリまで・・・」
ザクロ「先を越されたか」
アクア「父さん、ダイヤがないんだ!」
ザクロ「何!?」
アクア「警備員がすぐそこまで来てる!」
警備員「そこだ! 逃がすな!」
ザクロ「・・・仕方ない」
ザクロ「アクア、サンゴ、掴まれ!」
ザクロ「天井から逃げる!」
ルリ「ねえ、私は!?」
ザクロ「お前は自分で昇ってこい!」
警備員「いない!?」
警備員「天井だ! 上から逃げるつもりだぞ!」

〇洋館の廊下
アクア「どこから逃げるの?」
ザクロ「屋上からだ!」
警備員「いたぞ! 追え!」

〇屋上の入口

〇広い屋上
ザクロ「おい、出せ!」
パイロット「うわああ、五人も乗れませんよ!」
ザクロ「二人は軽いから大丈夫だ! いいから早く出せ!」
パイロット「は、はい!」
アクア「う」
アクア「うわあ──」

〇黒背景
アクア「ん・・・」

〇東京全景
アクア「うっわ、すっげえー!!」
サンゴ「・・・きれい」
ルリ「悪くないわね」
ザクロ「おい、もっとスピードは出せないのか?」
パイロット「五人も乗っているんだから、無茶言わないでくださいよ」
パイロット「それに・・・」
パイロット「そんなに急がなくてもいいんじゃないですか?」
ザクロ「・・・それもそうか」
アクア「あれ見ろよ、東京スカイツリー!」
サンゴ「あっちは学校」
アクア「見ろよ! あっちには──」

〇綺麗な一戸建て
パイロット「じゃ、俺はこれで」
ザクロ「ああ、また頼むよ」
アクア「さようならー!」
サンゴ「さようなら」
ザクロ「さ、帰るぞ」
アクア「はーい」
アクア「それにしても、なーんかすっきりしないなあ」
アクア「”争奪戦”は結局引き分けだったし・・・」
ルリ「さあ、どうかしらね」
アクア「ん?」

〇シックな玄関
アクア「ただいまー」
アクア「あれ?」
アクア「じいちゃんの部屋、明かり点いてる」
アクア「寝てるはずなのにな・・・」

〇古風な和室
アクア「じいちゃん、起きてるの?」
サンゴ「いや」
アクア「寝てるじゃん」
???「おかえりなさい」
アクア「うわあ!」
アクア「って、えええ!?」
アクア「ヒスイばあちゃん!?」
アクア「お泊り会はどうしたんだよ!」
ヒスイ「お泊り会?」
ヒスイ「はて、何のことやら・・・」
ザクロ「やっぱりそういうことか、母さん」
アクア「どういうこと?」
ザクロ「町内会のことは嘘で、」
ザクロ「昨日から美術館に潜伏してたんだな?」
ヒスイ「ふふふ」
ヒスイ「ダイヤモンドの展示が始まったのは今日から」
ヒスイ「”外から来る人間には”、随分注意していたみたいだねえ」
ヒスイ「そのおかげで、ダイヤがある部屋には注意が向かなかった」
ヒスイ「私が丸一日隠れていたとも知らずにね」
ヒスイ「あとは、ダイヤを持って部屋を出るだけさ」
アクア「ダイヤを盗んだのは、ヒスイばあちゃんだったのか・・・」
  ダイヤモンド争奪戦
  勝者、ヒスイ

〇立派な洋館
  神出鬼没の大怪盗、ラムダ
  あらゆる手口を使い、どんなものでも盗み出す
  きっと警察でさえ、ラムダを捕まえることは出来ないだろう
  なぜなら、彼は一人ではないのだから──

〇綺麗な一戸建て

〇古風な和室
歳三「ふわあ~」
歳三「もう朝か・・・」
歳三「眼鏡、眼鏡」
歳三「ん?」
歳三「儂、こんなもの持ってたかのお・・・?」
歳三「最近物忘れがひどくて敵わんなあ」
  何も知らない歳三が怪盗ラムダなのではないかと疑われるのは、また別のお話・・・

コメント

  • 歳三が盗んだかと思ったら、勝負はもっと前からついていたんですね!しかも歳三はラムダではないんですね!

    楽しくて全年齢読みやすい素敵な作品でした

  • わー!!✨映画を見ているような気持ちになりました!!✨夜景ではしゃぐシーンとかが無性に好きですね✨😊あんな綺麗な景色見たら確かにはしゃぐと思います!!✨

    そして、家族がほとんど怪盗なのにそれぞれに頑張るっていうのが面白かったです!!✨😊

  • 怪盗一家ではあるものの、そんなに協力しなかったり、1人関係なかったり、斬新な設定がスパイスになってていいですね。

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