第2回TapNovelゲーム小説大賞(脚本)
〇テーブル席
行きつけの喫茶店で、隣のテーブルにいた女性が店を出て行って、少したって・・・
彼女のいたテーブルにあったスマホが鳴りだした。あれ~彼女の忘れ物だ・・・
と、とりあえず、出てみた。
椿原レナ「もしもし~?あ、あの私のスマホですか?」
横田マコト「え、えと、そうです?スマホ、お忘れになったんですね」
椿原レナ「すみません。すぐに受け取りに行きたいのですが。大変申し訳ないのですが、今晩、お時間ありますか?」
〇おしゃれなレストラン
椿原レナ「私の都合で、こんな時間に来ていただいて・・・すみません」
横田マコト「はい、あなたのスマホです。 呼び出し音が、”マルク大戦”のテーマ曲だったのでびっくりしました」
椿原レナ「うふ。このゲームの大ファンなんですよ。らしくないって、よく言われます」
横田マコト「僕も大ファンなんですよ、えと、あなたは、何推しですか?」
椿原レナ「もう断然、”ケッペル少佐”です!渋くてインテリでイケメン。 なかなか、一緒に語れる人がいなくて。嬉しいです」
そのあと、マルク大戦について熱く彼女と語り合った。至福~
矢野綾香「あーら、レナじゃない?」
椿原レナ「綾香!聞いたわよ、結婚決まったんだって?」
矢野綾香「うん、レナも式には来てね。何とか20代のうちに結婚決めたぞ」
椿原レナ「い~な~」
レナさん、独身なんだ・・・そういえばお付き合いしている人いるのかなあ?こんな、きれいな人だもん、フリーってことはないか
椿原レナ「あ、そういえば、私、マルク大戦の映画のチケット持ってるんです、一緒にいきませんか?」
横田マコト「え、僕とですか?いいんですか?」
椿原レナ「スマホのお礼と言っては何ですけど。でも、他にお誘いする相手もいないので。どうですか?」
横田マコト「よ、喜んで」
〇映画館の入場口
レナさん、まだかなあ。映画始まっちゃうよ・・・
椿原レナ「(ハア、ハア)お待たせしてごめんなさい」
横田マコト「いえ、全然(そんなに走ってこなくても)」
椿原レナ「駅で迷子になったお子さんを見かけたので。お母さんを一緒に探してしまいました」
優しいんだなあ。それに、子供好きなんだ
映画を見終わって
椿原レナ「映画、面白かったですね」
横田マコト「いやあ、ケッペル少佐をああいう風に使うとは。良かったです、今日は有難うございました」
おい?映画からの~、その後のプランはどうなってんだ?
??こ、この後、どうしたらいいのか考えていなかった。こ、これはデートなのか?
椿原レナ「・・・・・・じゃ、じゃあ、これで」
横田マコト「あ、ああ、はい。じゃあ・・・」
〇応接室
椿原レナ「ねえ、全然、彼と結婚まで進む気配がないんだけど!」
中川僚「横田さんは映画、コンサート、コミケ、とお誘いすると喜んで来るのですけどねえ。どうも、押しが弱いですねえ」
椿原レナ「今からターゲットを変更とか、できる?」
中川僚「まあまあ。 お客様のご要望にぴったりのお相手を探したんですよ。会社内の評判はいいし、生涯給料はAランクです」
椿原レナ「いい夫になると思うわ。でも、もうあさってが誕生日なの、明日までに彼からプロポーズさせるっていう契約でしょ!」
中川僚「お任せください、大丈夫です。 『お相手探しからプロポーズまで完璧サポート』が当結婚相談所のウリですから」
矢野綾香「所長、お客様カンカンですよ、頑張って『マルク大戦』の勉強をしたのにって」
中川僚「綾香くん、もう一押しお願いできないかな」
矢野綾香「明日の夜、マコトさんとレナさんと会う手筈にしています」
中川僚「俺がレナさんの「元彼」ということで、登場する、というのはどうだろう?」
〇おしゃれなレストラン
矢野綾香「レナ、明日が誕生日なのね」
椿原レナ「あ~あ、20代も今日までか。いいな、綾香は、20代で結婚決めて」
け、結婚っ。『レナさん、僕と結婚してくれませんか?』
いや、ダメだ。
やっぱり僕なんかとじゃあ、釣り合わないよ・・・
中川僚「お、レナじゃないか。ちょっと話があるんだけど・・・」
椿原レナ「・・・僚!私は、ないわ」
中川僚「いいから、ちょっと、ちょっとだけ。ちょっと来いよ!」
あ、二人で行ってしまった・・・
だ、誰だ?このイケメンは
矢野綾香「あらら。大丈夫かしら」
横田マコト「誰なんですか、あの人は?」
矢野綾香「元彼よ。レナの結婚願望に気付いたら、逃げ出すようなサイテーな奴。 新しい彼ができたって聞いて惜しくなったんじゃない?」
横田マコト「あ、あの、もしかして、僕が『新しい彼』なんですか?」
矢野綾香「そうよ~絶対、あんなチャラ男より、あなたの方がレナを幸せにできるわよ。自信を持って」
横田マコト「僕なんて。無理ですよ」
矢野綾香「大丈夫よ~レナもあなたのこと、素敵だって言ってたよ。 あんな奴にレナのこと、とられてもいいの?」
椿原レナ「僚ったら、信じられない、今さら、何よ!」
「(ここで、横田マコト、リアクション!)」
・・・・・・・・・
中川僚「おい!レナ、じゃあ、俺が結婚してやるよ。30歳になる前に!」
・・・・・・
中川僚「レナ、明日30歳なんだろ?20代最後の夜に、プロポーズするよ。どうだ?」
椿原レナ「何ですって?」
「(よーし!ここだ!ここでマコトさん、『ちょっと待ったー!』って)」
・・・・・・・・・
椿原レナ「ああ!じれったい!横田マコト、私とけっ」
矢野綾香「え、ちょっと」
中川僚「待った~!(お客様からプロポーズしたらダメだってー)」
矢野綾香「お、お客様(じゃなかった)、レナさん、落ち着いて・・・」
椿原レナ「いや、もう、あなたたちには任せておけない、ここは、私から、プロ・・・」
横田マコト「プロポーズします、レ、レナさん、僕とけ、結婚してください」
中川僚「結婚したい女性の皆様、我が社にご相談ください。必ず、狙った男性にプロポーズさせてみせます」
プロポーズまでお膳立てしてくれるところってそうないような…サービスいいですね。
男の人からのプロポーズって、やっぱり素敵ですよね!
自信がない彼でしたが、無事プロポーズ出来てよかったです!
結婚相手を選んだ理由はともあれ、なんだかこの2人はとてもうまく行きそうな組み合わせですね。お二人がこれから幸せになってくれることを願ってます。
とても面白かったです。こんな結婚相談所があったら楽しいですよね。草食系で自分からアプローチできない男性が対象だと誰かの手を借りたくなるかも…?とりあえず30歳までにプロポーズはしてもらえてめでたしめでたし、ですね!