ツマミなペットは、出荷待ち

セイ72

焼き鳥/ぐりふぉん(脚本)

ツマミなペットは、出荷待ち

セイ72

今すぐ読む

ツマミなペットは、出荷待ち
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇実験ルーム
  第0ラボ 「Mix」
  此処では日夜、空想を現実に変える実験が──
???「(*´・∀・)ピ?」
「────焼き鳥か、、、」
???「ピギャ!?」

〇本棚のある部屋
シオン「と、言うわけでお世話をお願い」
  と言うわけ、の意味が分からないのですが?
ルイ「えっと、取りあえず、後ろのそれが生まれたんですか?」
???「(*`Д')ピギャァ」
  サイズ感が可笑しいんですが!?
  ダチョウか何かですか!?
シオン「調整失敗したグリフォンよ」
ルイ「え、これグリフォ、、、え?」
???「(*`Д')ピギャァ!」
  私の知ってるグリフォンと違う。
  獅子と鷹を混ぜたヤツじゃないの?
シオン「フクロウとペンギンを混ぜてみたの」
ルイ「グリフォンとは!?」
シオン「空想の生物、よってグリフォン QED」
ルイ「あ、はい」
シオン「お世話よろしくね」
ルイ「、、、はい?」
???「( `д´)プイッ」
シオン「照れ屋だけど、よろしくね」
ルイ「私、嫌われてますよね、ね?」
シオン「一週間、お願いねぇ~」
ルイ「わぁ、逃げた、無責任だ!」

〇明るいリビング
  と言うかわけで、まずは餌やり!
ルイ「の、筈だったんだけど、、、」
りおん「もふたん、怖くないよぉ?」
もふたん「( `д´)プイッ」
りおん「撫でてあげるね~?」
もふたん「((( ̄へ ̄井)フンッ」
りおん「ルイ、この子可愛いね。照れ屋さんだよ?」
ルイ「そ、そうだねぇ?」
  この幼女は、リオンちゃん。
  シオンさんの従妹であり、
  この見た目で、私よりも年上です
ルイ「と言うか、気づかぬ内に名前をつけてる?」
りおん「モフモフだから、もふたん、なんだよ?」
  可愛い先輩が世話係に加わった?
ルイ「むむむぅ~、困ったなぁ」
りおん「どうしたの、ルイ?」
ルイ「りおんちゃん、実は、 もふたんの食事のことで、、、」
ルイ「肉、魚、野菜、ペットフードと用意したんだけど、何も口にしないんだよね」
りおん「むむ、それは当然だよ!」
ルイ「流石、りおんちゃん、既に理由が!?」
りおん「料理に大切なのは、、、」
りおん「愛情、、、だよ?」
ルイ「愛情かぁ、大事だよね!」
りおん「うん、とっても大事だよ!」
  いや、愛情じゃ解決出来ない!
  でも、口が裂けても言えるわけねぇ!
りおん「私、愛情を込めるのは得意だよ!」
ルイ「あ、料理は危な──」
りおん「子供じゃないから、心配しないで!」
ルイ「りおんちゃんの料理、 カップ麺だったら嬉しいな」
  結論から、もふたんは食べなかったよ
  そして、私は腹痛で悶え苦しんだらしい
  食べた後の記憶がない
  愛情料理、失敗

〇明るいリビング
  3日目
りおん「もふたん、お風呂入ろ!」
もふたん「(*`Д´*)ピギャァ」
りおん「お風呂は、嫌いなの?」
もふたん「(*`Д´*)ピギュゥ」
りおん「しょぼん」
  見慣れた風景、此処最近の日常風景
  腹痛ヤバめで、薬、水、薬、、、
ルイ「アハハ、胃薬が美味しいなぁ、、、」
  なんて、状態が続いている
りおん「ルイ、お風呂行こ」
ルイ「あぁ、うん。ちょっと待ってね」
ルイ「マジで、あ、ぅッ!」
りおん「、、、、、」

〇白いバスルーム
「痒いところは、ごさいませんかぁ~?」
りおん「うん、気持ちいい」
  こうやって、お世話してると
  どっちが年上か分からなくなる
「ふにゅぇぇ~」
りおん「んぅ~」
  暖かいお風呂と柔らか、りおんちゃん
「最高で、贅沢だぁ~」
りおん「ルイ、どうしたら もふたんと仲良くなれるかな?」
「どうって言われても、 私も仲良く慣れてないからね」
りおん「じゃあ、美味しい料理の作り方は」
「、、、ンンッ~と、シオンさんに教わる方が」
りおん「シオンの料理は美味しいよね 上手く出来なくて、、、ごめんね」
りおん「人より、何も出来なくてごめんね」
  ・・・・・・重い
「別に、失敗するのはいいと思うし、 真剣に頑張ってる姿、好きだよ?」
りおん「うん、、、」
りおん「うん♪」

〇明るいリビング
  五日目 料理リベンジ
  肉とキノコの放り込みグラタン
りおん「もふたん、、、食べて」
もふたん「( ・`ω・´)ムムム」
  、、、いや、人間の料理を作ってどうする!?
  普通ペット用の料理を、
  いや空想生物に常識は通用しないか
りおん「むむぅ、、、」
  むむぅぅ、、、
もふたん「(*`Д´*)パクッ」
りおん「え、食べ」
もふたん「(* >ω<)モシャモシャ」
りおん「やった、ルイ、ルイ!」
ルイ「良かったね、りおんちゃん」
  良かったけど、あの鳥。雑食にも程がある
りおん「良かったぁ~」
  でも、りおんちゃんが笑顔で嬉しい!
  嬉しいなぁ、嬉しいなぁ~

〇明るいリビング
  そんな、こんなで一週間
  あれから、一人と一羽は、とても仲良くなりました
ルイ「この、感じだと継続してお世話かもなぁ」
ルイ「一緒に空を飛びたいって言ってたし、 可愛い光景に出会えるはず!」
シオン「あら、こんな時間までお疲れ様」
ルイ「あ、お疲れ様です」
ルイ「シオンさんは、これから就寝ですか?」
シオン「そのつもりだったけど、 りおんの隣が奪われちゃったから」
シオン「あ、ルイも一杯いっとく?」
ルイ「未成年なので、遠慮しておきます」
シオン「そう、なら寝る前に、 私の部屋は入っちゃ駄目よ?」
ルイ「はい、おやすみなさい」
シオン「絶対に、入っちゃ駄目よ? 見つからないように、しなきゃ駄目よ?」
  入れって、ことですか?

〇部屋のベッド
「おじゃましま~す(小声)」
  シオンさんの自室を覗くと
  可愛らしい光景があった
「ほわわぁぁ、可愛いぃ~!」
  りおんちゃんと、もふたんが一緒のベッドで、
  はわわぁぁ~!
  最初は、駄目かもって思ったけど、、、
ルイ「愛情かぁ、凄いなぁ、りおんちゃんは」
  一人と一羽を撫でる。
  柔らかくて、暖かくて、生きている
ルイ「こんな、毎日が続けばいいのに、、、」

〇シックな玄関
ルイ「いいのになって、思ってたのに!」
ルイ「もふたんが出荷されちゃう!」
「お前を出荷してやろうか?」
  出荷待ちさんに、もふたんが奪われるぅ!
ルイ「シ、シオンさん!?」
シオン「元々、一週間だって言ったでしょ?」
ルイ「で、でも、りおんちゃんが!」
りおん「大丈夫だよ、ルイ」
もふたん「( >Д<;)ピキユ」
りおん「もふたん、仲良くしてくれて、ありがとう」
りおん「出荷されても、食べられちゃ駄目だよ?」
「私を何だと思ってるかな?」
りおん「優しい、お姉さんです」
りおん「だから、もふたんのことお願いします」
「えぇ、ちゃんとお世話するから、安心してね」
りおん「バイバイ、もふたん」
  なでなで
もふたん「(* ´ ▽ ` *)キュキュゥ」
りおん「バイバイ、、、」
りおん「もふたん、、、」
りおん「しおんッ!」
  扉が閉まった瞬間、
  りおんちゃんは涙を流した。
  出会いも別れも、平等にやってくる
  次は、どんな出会いが生き物がやってくるのだろう?
  追記 その日の夜、シオンさんが焼き鳥食べながらお酒を飲んでいた。
  人の心とか、、、、、あ────
  ちょ、シオンさん! 
  今日、鶏肉は無理です、無理ですからぁー!

コメント

  • もふたんの顔文字での感情表現、いいですねー!凄く伝わってきます。
    冒頭「焼き鳥」で始まり、ラストは鶏料理で、途中のペット愛が挟まれている構成ってww

  • 考えてみればペットかツマミかの境界線を決めているのは人間なんですよね。普段はあまり意識しないけれど残酷な現実だなあ。何はともあれ、りおんちゃんの目の前でもふたんがシオンのツマミにならなくてよかった。

  • 普段口にすることの多い鶏肉についてのお話、切なさと温かさを感じながら読ませていただきました。りおんちゃんがいつまでももふちゃんとの思い出を大事にしまっていてほしいですね。

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ