父さん、退職金1年で使いきったんだって

ミラクル⭐モリワキ

読切(脚本)

父さん、退職金1年で使いきったんだって

ミラクル⭐モリワキ

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〇海辺
ママン「海外旅行たのしかったわねぇ。お父さんは始めての海外旅行だったものねぇ」
ミイ「(父さん、うでの切り傷魚につつかれてたな。あれはおもしろかった)」
メロン「海よ、海は最高よ!ふふふ、私の決定に狂いなし」
ミイ「(妹よ、おまえの計算あってたことねーけどな。乳でかかったな。ビキニは似合ってました!)」
ママン「それはそうとして、大事なお知らせがあります。 お父さん、退職金をつかいきりました!」
  私たちは楽しい海での写真を眺めていた。まさか父が退職金を1年で使いきってしまうなんて。
ミイ「(そんな気してたぁー!だから、銀行にいって退職金のシュミレーションしてもらった方がいいっていったのになぁー)」
メロン「私には関係ないわ!使ったなら節約すればいいのよ!」
ミイ「(できるわけねーだろー。だいたいお前の引っ越し費用ほとんど出してもらってたじゃん。しかも、もう実家に帰ってきたんかい)」
父さん「父さんとしてはしかたないので転職しようと思う。定年退職して今勤めてるところは給料少ないからな。年金満額までがんばる」
ミイ「お父さん、安定は大事だよ。少なくても今のところでこつこつがんばった方がいいよ」
ミイ「(そもそも、父さん専門職だから今までやってきた職種以外無理だろ。やめとけ)」
ママン「そうよ。私も節約がんばるわ。家族で力を合わせましょう」
父さん「ありがとう。がんばるよ」
ミイ「(がんばらないとならん状況にしないようにがんばってほしかったよ)」

〇綺麗なダイニング
ママン「ぐすん、ぐすん」
ミイ「わあーー!真っ暗ななかで何やってんの?」
ママン「支払いが足らなくなるわ。あと半年くらいしか持たないわ」
ミイ「(そりゃまぁ、そうだろ。退職金使いきっちゃってんだから)」
ママン「しかも、お父さんの退職金の用途見てよ。使途不明金が六百万円もあるのよ」
ミイ「(暗くて何も見えねぇよ。あと、なんでお金の計算がワードなんだよ。エクセル使えよ)」
ミイ「(ブランド品に使ってるだけだよこの使途不明金。父さんの使用金額ざっと見ただけでもちょろまかされてるよ)」
ママン「どうしよう、このマンション手放さないといけないかしら ぐすん」
ミイ「まあ、まあ父さんの実家があるから、そっちに引っ越せばなんとかなるかな」
ママン「わたし、田舎には住めないから離婚します!」
ミイ「ええーー、そうなのぉ? (いや、止めないけどさぁ、ポイントそこかぁ。そこかぁ~)」
ママン「でも、お父さんの年金目当てに結婚したのに今離婚するのおしいのよね」
ミイ「(やめろ、本音でてるぞやめろ)」
ママン「だって、お父さん趣味悪いんだもの!お母さんお父さんのそういうところ嫌いなのよね!」
ミイ「(おっと、根深い問題が掘り起こされる予感がするぞ?)」
ママン「おかあさん、あんたが小さい時、メロンちゃんも本当よく泣く子でしんどいのにシチューと焼鮭作ったら」
ママン「「組み合わせが悪い」って!ひどい!あんなひどいこと言う人、絶対許せないわ!」
ミイ「(私の小さいときの話根深ぇ~。これ長いやつだな~ふぁ~)」
ママン「退職金も全部お母さんにくれればよかったんです!」
ミイ「(もらえよー!あれは押せばいけただろー!なんでもらわなかったんだよー!)」
ミイ「じゃあ、別れるの?」
ママン「年金もらうまでは別れません!」
ミイ「(別れる気ぜんぜんねぇー!私の時間返せぇー)」

〇占いの館
占い師「こんにちは、今日は何を聞きにきたのかしら?」
ミイ「(まともな基準がぜんぜんない人たちにまともなこと言ってもぜんぜん通じないから、違う方面からせめよう)」
ママン「夫の仕事と今すんでいるマンションについてどうしたら良いでしょうか」
占い師「はいはい、大丈夫ですね。 旦那さんの仕事は変えない方がいいですね。ご縁あってこのままの仕事で重宝されるでしょう」
ママン「家は、支払いができるでしょうか」
占い師「父方のお母様が解決するでしょう。ご先祖様がそのように言っておられます。すぐに解決するでしょう」
ミイ「(占い師最近話した人の中で一番まともだぜ。ありがてぇ)」
ママン「お義母さんにはあまり会いたくないのですが」
占い師「なるようになります。心配いりません。旦那さんの新しい仕事の方だけ全力でつぶしてください」
ママン「わかりました。つぶします」
ミイ「(快諾したな。怖いわ)」

〇綺麗なダイニング
おばあちゃん「こんにちは。あんたがたはだれかねぇ?」
父さん「今日から母さんに住んでもらうことにしたよ」
ママン「急に困るわ」
おばあちゃん「だれかねぇ。こんにちは」
父さん「母さん痴呆で施設に入るまでここにいさせてくれよ」
ママン「そんな、少しは相談してくれないと」
ミイ「(母よ、違う違う。ばあちゃんご近所さんに迷惑かけまくってここに来たと思われるよ)」
ミイ「(父さんにめちゃめちゃ電話かかってきてたよ)」
おばあちゃん「だれかねぇ?ここはどこかねぇ?」
ママン「お義母さん、私ですよ」
おばあちゃん「あらぁ、はじめましてぇ」
  ばあちゃんは認知症が進んでいて施設に入ることが決まっていた。2ヶ月後、施設に元気にうきうきで向かっていった。
ママン「お義母さんあんなに元気だったのに」
ミイ「(認知症だけど、めちゃめちゃばーちゃん元気だったよ。いえーいつって施設入ってったじゃん)」
ママン「もっとやさしくすればよかったかしら?」
ミイ「ばーちゃん気にしてないよ。マイペースだし」
ママン「施設に入ることになるなんてかわいそうだわ」
ミイ「え、じゃあばーちゃん、うちに住んでいいの?」
ママン「お義母さんも施設の方がいい環境だとおもうわ!わたしはそう思う」
ミイ「(かわいそうとか思っとらんかっただろ。たてまえか。こいつたてまえ言ったな)」
父さん「母さんの貯金で当面はなんとかなりそうだから転職先には断りを入れたよ」
ママン「そうね、それが良いと思うわ」
父さん「年金が満額でるようになるまで、辛抱してもらうことになるけど、よろしく頼むよ」
ママン「わかったわ」
ミイ「(なんか、このパターン覚えがあるんだけどな?なんか危険な香りがするんだよな?)」
ミイ「母さん、おばあちゃんの貯金はお母さんが預かるんだよね?」
ママン「どうして?おばあちゃんの貯金なんだからお母さんがさわるわけないでしょ?」
ミイ「じゃあ、お父さんが持つの?」
ママン「そうよ、当たり前でしょ?」
ミイ「お父さんが持ってたら全部また使うんじゃないの?」
父さん「父さんなら大丈夫だ!」
ママン「今度は大丈夫でしょう。わたしは信じてるわ」
ミイ「(おいおい、大丈夫なわけねーだろーが。信じてんじゃねーよ)」
メロン「ちょっとー!すごくかっこいいカバン見かけたんだけどお父さん買わない?」
ミイ「(おいおいおい)」
メロン「絶対似合うと思うのよ~」
父さん「そうかそうか、買おう」
ミイ「(おいおおいおい、やめとけ)」
メロン「ついでに私のカバンも買っていい?」
父さん「やっぱり良いものを買わないとな!」
ミイ「母さん、やばくない?」
ママン「おかあさんも買ってもらわなきゃ」
ミイ「(それ、お前らのお金じゃねぇだろ。ばーちゃんのお金やろ)」
ミイ「節約とかしないんかね?」
  彼らはこうして生きて行くのか。節約とかしないのか。
  一人、まともに生きたいとミイは決意を新たにしたのであった。

コメント

  • はじめまして!✨☺️
    こちらの作品面白いですね!ミイの心のツッコミが面白かったです!✨あと、家族のほんのりやばい具合が読んでいてつい次どうなるのかな?と気になりますね!凄いです!✨☺️

    ところで、ミラクル様の他作品がずっと総合ランキング上位にいらっしゃいますね!✨☺️ワンコン終わってしばらく経っているのに、何度も読んでいる方がいるのでしょうか?✨☺️ずっと上位にいる秘訣とかって何かありますか?✨

  • 絶対にありえない話とはいえないところが怖いです。父さんがダメかと思いきやママンも同じくらいアレというのもあるあるですね。私が占い師ならばあちゃんの金をミイがエクセルで管理するようアドバイスします。占いでもなんでもないけど。

  • ミイちゃんの心の声のツッコミが的確すぎておもしろかったし、家族の中で一番まともな考えをしてて尊敬しました😂
    両親がお金にルーズなのは本当に良くないと思います😂
    取り返しがつかなくなる前に、両親がしっかりしてくれますように☺️笑

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