〇おしゃれなリビングダイニング
黒江 樹音（じゅね）「ねー、ママー、お小遣い増やしてよー！」
黒江 瑠香（ママ）「なーに、またその話？ 増やしてもどうせ無駄遣いするでしょ」
黒江 樹音（じゅね）「無駄遣いって決めつけないでよ！」
黒江 瑠香（ママ）「はいはい、わかったから」
黒江 瑠香（ママ）「で、一体何に使う気なの？」
黒江 樹音（じゅね）「とにかく、オシャレになりたいの！」

〇アパレルショップ
黒江 樹音（じゅね）「可愛い服、いっぱい欲しいし」

〇宝石店
黒江 樹音（じゅね）「オトナっぽいアクセも身に着けたい」

〇おしゃれなリビングダイニング
黒江 瑠香（ママ）「先週一緒に洋品店に行ったとき 「服いらない」って言ってたじゃない!?」
黒江 樹音（じゅね）「だって、あの洋品店って高齢者向けでしょ 女子高生としては無理だし」
黒江 樹音（じゅね）「あのお店しか連れて行ってくれないから 着られる服、全然持ってないんだよ」
黒江 樹音（じゅね）「私がこの中学時の指定ジャージを 着ている理由、考えたことないの？」
黒江 瑠香（ママ）「てっきり、家で筋トレ三昧だと思ってた」
黒江 瑠香（ママ）「ところで、オシャレな服なんて 急にどうしたのよ？」
黒江 樹音（じゅね）「だって、私って・・・」

〇未来の都会
　　クロエ・ジュネ
　　
　　海外生まれの女子高生

〇おしゃれなリビングダイニング
黒江 樹音（じゅね）「フランスっぽい名前と海外生まれのせいで オシャレなイメージが広まってるの」
黒江 樹音（じゅね）「でも、実物はこんなクソダサＪＫだから 会う人みんな、憐れんだ目で見てくるし」
黒江 樹音（じゅね）「だから、せめて見た目だけでも オシャレ感を出したいんだって！」
黒江 瑠香（ママ）「別に気にしなければいいでしょ 毎日フルマラソンして精神鍛錬しよっか」
黒江 樹音（じゅね）「それ、元陸上選手のママしかできないって」
黒江 樹音（じゅね）「海外生まれっていっても ２歳で帰国したから現地語できないし 少しでも話せれば格好つくんだけど」
黒江 樹音（じゅね）「しかも生まれた所もヨハネスブルグって 全然オシャレ感ないから」
黒江 瑠香（ママ）「パパの赴任地だから仕方ないじゃない でもヨハネスブルグは 生存力が試されるイイ土地なのよ」
黒江 樹音（じゅね）「私が欲しいのは語学力とオシャレ力！ 生存力なんて、どーてもいいから！」
黒江 瑠香（ママ）「だったら、語学堪能な商社マンのパパに 外国語を教わったら？」
黒江 瑠香（ママ）「パパー、樹音に外国語を教えてあげてー！」
黒江 雄吾（パパ）「オーケー、パパにかかれば 数日で日常会話くらい楽勝さっ！」
黒江 瑠香（ママ）「さすが、５ヶ国語を駆使する語学の天才！ パパかっこいい！」
黒江 雄吾（パパ）「よせよ、照れるじゃないか」
黒江 樹音（じゅね）「パパが話せる５ヶ国語って 日本語と英語の他は・・・」
黒江 樹音（じゅね）「ラテン語・パーリ語・ヴェーダ語 こんなの日常じゃ使わないでしょ」
黒江 樹音（じゅね）「しかも、肝心の英語だって サンスクリット語訛りが強くて ネイティヴに笑われてるんでしょ!?」
黒江 雄吾（パパ）「問題ないさっ 笑われても意思疎通ができるから」
黒江 樹音（じゅね）「問題大アリだって」
黒江 樹音（じゅね）「じゃあさ、話を戻すけど お小遣いアップがダメならバイトしたい！」
黒江 樹音（じゅね）「こうなったら、自分でちゃんと稼ぐから！」
黒江 瑠香（ママ）「ダメよ、バイトしていたら 勉強がおろそかになっちゃうでしょ」
黒江 瑠香（ママ）「親の目が届かないところだと心配だし」
黒江 雄吾（パパ）「あっ、パパがよく行くショーパブで ポールダンサーのバイト募集していたよ」
黒江 樹音（じゅね）「パパ、そんなトコ行きつけなの!? ていうか、ポールダンスは無理！」
黒江 雄吾（パパ）「行きつけというか たまにステージで踊っているんだ」
黒江 瑠香（ママ）「パパ、ショーに出ているのね!? 今度見に行くから」
黒江 樹音（じゅね）「・・・もういい」
黒江 樹音（じゅね）「じゃあ、諦める」

〇女の子の一人部屋
黒江 樹音（じゅね）「お小遣いアップもバイトもダメって 何なの!?」
黒江 樹音（じゅね）「こうなったら、」

〇SNSの画面
　　美味しいものが食べたいです♪
　　
　　#Ｐ活　#ＪＫ

〇女の子の一人部屋
黒江 樹音（じゅね）「ちょっと怖いけど お食事してお小遣い貰えるならいっか！」
黒江 樹音（じゅね）「目指せ、オシャレ女子！」

〇昔ながらの一軒家
　　──日曜日

〇公園通り
黒江 樹音（じゅね）「待ち合わせ場所は この道の左手のレストランか」
黒江 樹音（じゅね）「んー、緊張する」

〇店の入口

〇黒

〇ホテルのレストラン
　　ようこそ、イタリアン愛好会へ！
黒江 樹音（じゅね）「えっ、なに……」
おにぃさん「僕らイタリアン愛好会の ピッツァ活動にようこそ！」
おねぇさん「ピッツァの魅力を理解してくれて嬉しいわ」
黒江 樹音（じゅね）「あのー、これって……」
おにぃさん「僕ら、イタリアンの魅力を広めるべく 毎月イベントを開催してるんだ」
おねぇさん「ちょうど今月はピッツァなのよ！ ピッツァを愛する人達が大集合よ」
黒江 樹音（じゅね）「へっ、ピッツァ？」
おねぇさん「アナタだって、ピッツァを愛するから #Ｐ活 ってハッシュタグ付けてるのでしょ」
おにぃさん「さぁ、今日は思う存分 Pizza活動を満喫しよう！」
黒江 樹音（じゅね）「Ｐ活って、そういう意味じゃ・・・」
　　Ｐizza 活
　　
　　お小遣い：△５,000円（参加費）
　　ピッツァ美味しすぎ！
　　調子に乗って食べすぎた

〇昔ながらの一軒家
　　──翌週、日曜日

〇美しい草原
黒江 樹音（じゅね）「Ｐ活＝ポテト活!? ただの農作業じゃない」
　　Ｐoteto 活（収穫体験）
　　
　　お小遣い：△1,200円（参加費）
　　作業キツくて体バキバキ
　　休憩時のじゃがバター最高！

〇昔ながらの一軒家
　　──さらに翌週、日曜日

〇ケーキ屋
黒江 樹音（じゅね）「何か、女性しかいないんだけど」
　　Ｐancake 活
　　
　　お小遣い：△2,500円（参加費）
　　パンケーキ、山ほどおかわりしたった
　　生クリームは正義！

〇昔ながらの一軒家
　　──そのまた翌週、日曜日

〇システムキッチン
黒江 樹音（じゅね）「ここ、レンタルキッチンだよね」
　　Ｐudding 活（料理教室）
　　
　　お小遣い：△3,000円（参加費）
　　プリンもカラメルも、ヤバすぎ！
　　バケツサイズでも余裕で食える！

〇シンプルな玄関
黒江 樹音（じゅね）「お小遣い貰えないＰ活ばっかり……」
黒江 樹音（じゅね）「ただいまー」

〇おしゃれなリビングダイニング
黒江 瑠香（ママ）「おかえりー ここの所、毎週お出かけして楽しそうね？」
黒江 雄吾（パパ）「いいねー、充実した日曜日って感じで」
黒江 樹音（じゅね）「・・・うん」
黒江 瑠香（ママ）「でも、最近すごく太ったんじゃない？」
黒江 瑠香（ママ）「今晩でも、軽く20kmくらい走らない？」
黒江 雄吾（パパ）「それか、パパと一緒に ファイアーダンスでもどうかな？」
黒江 樹音（じゅね）「・・・もう寝るから」

〇女の子の一人部屋
黒江 樹音（じゅね）「Ｐ活違いでお金無くなるわ、太るわって あームカつく！」
黒江 樹音（じゅね）「やっぱ「美味しいものが食べたいです」 って投稿が悪かったのかな」
黒江 樹音（じゅね）「よし、内容を変えて再募集する！」

〇SNSの画面
　　楽しい時間を過ごしたいな♪
　　
　　#Ｐ活　#ＪＫ

〇女の子の一人部屋
黒江 樹音（じゅね）「これでヨシっと！」
黒江 樹音（じゅね）「今度こそお小遣いをっ！」
黒江 樹音（じゅね）「目指せ、オシャレ女子！」

〇昔ながらの一軒家
　　──さらにその翌週、日曜日

〇公園通り
黒江 樹音（じゅね）「今回の待ち合わせ場所は あの路地を入って右手のビルか」
黒江 樹音（じゅね）「今回こそ、真っ当でありますように！」

〇ビルの裏
黒江 樹音（じゅね）「うわー、薄暗くてイヤな感じ」
黒江 樹音（じゅね）「あっ、入口見っけた！」

〇黒

〇牢獄
黒江 樹音（じゅね）「えっ、何ココ、牢屋!?」
黒江 樹音（じゅね）「ひょっとして、閉じ込められてる？」
？？？「時間通りだね、いらっしゃい」
黒江 樹音（じゅね）「だ、だれ・・？」
？？？「アナタと本日約束した者ですよ」
黒江 樹音（じゅね）「何で閉じ込めるの？ ワケわからないって」
？？？「それは、アナタの投稿が、」

〇SNSの画面
　　楽しい時間を過ごしたいな♪
　　
　　#Ｐ活　#ＪＫ

〇牢獄
？？？「だから、思う存分、囚人‐Prisoner として 活動してもらおうかと」
？？？「#Ｐ活 って、そういう意味だろ？」
黒江 樹音（じゅね）「ち・・ちが・・・」
？？？「お望み通り、楽しい時間をどうぞ」
黒江 樹音（じゅね）「ねえ、出して・・・」
？？？「すぐに出したら、折角のPrisoner活動が 台無しだからね」
黒江 樹音（じゅね）「やだ、おうち帰りたい！」
？？？「囚人が簡単に帰れると思ってる？」
黒江 樹音（じゅね）「アンタ達、絶対にオカシイって！ これって犯罪でしょ!?」
？？？「でも、ここに来たのは君の意思だ」
？？？「とりあえずは １人で今後の囚人生活を考えるといい」
黒江 樹音（じゅね）「やだ、１人にしないで・・・」
黒江 樹音（じゅね）「もうヤダー、助けてよー!!」
黒江 樹音（じゅね）「パパ―、ママー、助けて!!」
黒江 樹音（じゅね）「絶対にイイ子にするから、助けてー!!」
？？？「本当にイイ子にする？」
黒江 樹音（じゅね）「するー、絶対するー！」
？？？「SNSで知らない人と会ったりしないかい？」
黒江 樹音（じゅね）「もうしないからー、絶対にー!!」
？？？「罰として、フルマラソン走れる？」
黒江 樹音（じゅね）「走るからー、何十キロだって走るー！」
？？？「パパと一緒にポールダンスする？」
黒江 樹音（じゅね）「ポールダンスだって、何だってする！」
黒江 樹音（じゅね）「・・・んっ、パパと一緒？」
黒江 雄吾（パパ）「おっ、約束してくれたね！」
黒江 樹音（じゅね）「パパ、ママ、何で？」
黒江 樹音（じゅね）「えっ、さっきのヤツらは……」
黒江 瑠香（ママ）「あれ私達よ」
黒江 瑠香（ママ）「親子なんだから、さっさと気付いてよね」
黒江 樹音（じゅね）「そんな、知ってたの？」
黒江 瑠香（ママ）「ええ、樹音の投稿はバレバレだって」
黒江 雄吾（パパ）「ピッツァやプリンは美味しかったかい？」
黒江 樹音（じゅね）「今までのも全部……」
黒江 瑠香（ママ）「そうよ、樹音の投稿を見て パパが全部セッティングしたんだから」
黒江 瑠香（ママ）「パパの人脈、凄いわよねー」
黒江 雄吾（パパ）「よせよ、照れるじゃないか」
黒江 樹音（じゅね）「何なのよ」
黒江 樹音（じゅね）「気付いていたのなら すぐ止めればいいじゃない!? こんな大掛かりなこと……」
黒江 雄吾（パパ）「樹音、それはね、」
黒江 雄吾（パパ）「これは危険なことだと 樹音自身で気付いてほしかったんだよ」
黒江 雄吾（パパ）「それと、樹音の投稿のハッシュタグが、」
黒江 樹音（じゅね）「へっ？」
黒江 雄吾（パパ）「#ＪＫ」
黒江 雄吾（パパ）「Just Kidding（わるふざけ）だからさ」
黒江 樹音（じゅね）「笑えないよ」
黒江 瑠香（ママ）「さあ、帰るわよ」
黒江 瑠香（ママ）「今日は樹音のために 低カロリーな食事を用意してるから」
黒江 雄吾（パパ）「食後はパパと一緒にベリーダンスで カロリーを消費しよう」
黒江 樹音（じゅね）「・・・はーい」

〇黒背景
黒江 樹音（じゅね）「でも諦めてないから」
黒江 樹音（じゅね）「目指せ、オシャレ女子！」