#推しアプリ #おすすめ #かわいくなりたい

猫目 ひとつも

#推しアプリ #おすすめ #かわいくなりたい (第2話)(脚本)

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〇廃ビルのフロア
スラッシュ//「う、うーん・・・・・・」
さわやか「やっと起きましたね スラッシュさん」
スラッシュ//「ここは・・・・・・」
さわやか「その質問に意味はありません」
  私は見知らぬ場所で
  イスに縛り付けられている
  そして、手首には・・・・・・
  手錠がはめられている

〇黒背景
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  #推しアプリ #おすすめ #かわいくなりたい (第2話)
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〇廃ビルのフロア
スラッシュ//「ちょっと!  ほどきなさいよ!」
さわやか「しばらくは縛られていてください 一生懸命縛ったんですから」
  ガタガタガタ!
さわやか「イスを揺らしても誰も気づきません」
スラッシュ//「だーれかーっ!!!」
さわやか「それもムダです」
スラッシュ//「ただで済むと思ってるの?! こんなことして」
さわやか「約束を破ったのはあなたです」
さわやか「なので、私は約束を守りに来ました」
スラッシュ//「どういうこと?」
さわやか「覚えていてほしかったです 数時間前に交わした約束なのですから」

〇黒背景
  ゆーびきーりげーんまん♪

〇廃ビルのフロア
スラッシュ//「もしかして・・・・・・」
さわやか「はい 指を切り落としにきました」
スラッシュ//「狂ってる!」
スラッシュ//「正気じゃない! 狂ってる!!!」
さわやか「いいですか?」
さわやか「確認しておきますけど 被害者は私なのです」
さわやか「あなたに嘘をつかれたのですから」
さわやか「悪いことをして お仕置きもないんじゃ 悪がはびこります」
さわやか「いやじゃないですか? そんな世の中」
スラッシュ//「お金? お金が目当てなの??」
さわやか「勘違いしてるみたいですね」
さわやか「これ、知ってます?」
さわやか「切れ味すごいんですよ」
さわやか「親指の骨とかって 頑丈そうじゃないですか?」
さわやか「でもこれを指に当てて ハンマーでコンコンって軽く叩くだけで」
さわやか「指先さん、さようならです」
スラッシュ//「た、ためしたこと、あるの?」

〇廃ビルのフロア
  やめてよ・・・・・・
  お願いだから、やめて・・・・・・
  コン、コン、コン・・・・・・
  いやぁぁぁぁぁっ!!!!!

〇廃ビルのフロア
さわやか「大変だったんですよ 刃先をちょっと当てただけで」
さわやか「オシッコ漏らしちゃうし 血をどびゃーって吹き出させちゃうし」
さわやか「刃先をちょっと当てただけですよ? 信じられます?」
さわやか「後片付けがどれだけ大変だったか・・・・・・」
さわやか「スラッシュさんはあんまり 手をかけさせないでくださいね」
  コツコツコツ・・・・・・
さわやか「わぁっ!」
さわやか「きれいなマニキュアですね 指先もすごくきれい」
スラッシュ//「やめてっ! 触らないでっ!」
さわやか「見てくださいよ私の手」
さわやか「ほらっ」
さわやか「これでもハンドクリーム塗ったり それなりにお手入れしてるんですけどね」
さわやか「憧れちゃうくらい すべすべな手ですよね」
さわやか「いいなー うらやましいなー」
さわやか「嫉妬しちゃうなー」
スラッシュ//「・・・・・・」
さわやか「これだけきれいだと お手入れもすっごい手間 かかってるんじゃないですか?」
スラッシュ//「だから! さわらないで!!」
さわやか「よかったですね スラッシュさん」
さわやか「爪のお手入れに費やしていた 無駄な手間とも 無駄なお金とも 明日からはもう、さようならです」
スラッシュ//「ちょっ、それどういう意味?」
さわやか「バカなのですか?」
さわやか「指がなかいんだから ネイルのケアなんて要らない」
さわやか「当然ですよね」
スラッシュ//「・・・・・・ごめんなさい」
さわやか「その言葉 もっと早くに聞きたかったです」
スラッシュ//「ごめんなさい・・・・・・」
さわやか「安心してください 痛いのなんて最初の5分だけですから」
スラッシュ//「ごめんなさい 本当にごめんなさい」
さわやか「反省してるんですか?」
スラッシュ//「してます 本当に反省してます」
さわやか「どうしようかなー ためらっちゃうなー」
さわやか「それにしても 本当にきれいな爪ですねー」
さわやか「もったいないですね これを切り落としちゃうなんて」
スラッシュ//「はい! 切り落とさないでください! お願いします!」
さわやか「じゃあ・・・・・・」
さわやか「切り落とさない!」
スラッシュ//(よかった・・・・・・)
スラッシュ//(こいつの気が変わらないうちに なんとか逃げ出さなきゃ)
さわやか「代わりに このきれいな爪、いただける?」
スラッシュ//「これ 付け爪じゃないんです」
さわやか「わかってますよ 私もいちおう 女子なんですから」
さわやか「私が欲しいのは あなたの・・・・・・」
さわやか「生爪」
スラッシュ//「あ、あげられません!」
さわやか「大丈夫 こんなものも用意してありますから」
さわやか「これを指と爪の間に挟んで、 ぐいっと・・・・・・」
スラッシュ//「や、やめてください!!!」
さわやか「知ってた?」
さわやか「爪って、 剥がしてもまた生えてくるんですよ?」
さわやか「安心して剥がせますよね」
さわやか「私、とっても思いやりがある人ですよね? 思いません?」
スラッシュ//「・・・・・・」
さわやか「じゃあ左手の小指から・・・・・・」

〇黒背景
  ギリッ、ギリッ、ギリッ!

〇廃ビルのフロア
スラッシュ//「痛いっ!  痛いですっ!!!!」
さわやか「痛くないですよ ドライバーを爪先に当てただけですから」
さわやか「痛くなるのはこれからです いきますね」

〇黒背景
  ギリッ、ギリッ、ギリッ!

〇廃ビルのフロア
  やめてーーーっっっ!!!!!
スラッシュ//「お願いだから止めてください お願いします」
さわやか「ごめんなさい それは無理」
スラッシュ//「待って!」
スラッシュ//「爪を剥がしたら アプリの操作教えてあげられなくなっちゃいます」
スラッシュ//「顔の加工アプリ、 使って綺麗な自分、見たくないですか?」
スラッシュ//「ねっ?」
さわやか「教えてくれるのですか?」
スラッシュ//「はい!」
さわやか「本当に?」
スラッシュ//「本当に教えてあげます!  教えさせてください!」
さわやか「でも・・・・・・」
さわやか「左手の小指なんて使わないでしょ?!」
スラッシュ//「使います!  10本の指、全部使います!!」
さわやか「そうなのですか?」
スラッシュ//「もちろんです! そのほうが、よりキレイになれるんです!」
  こうして私は、
  なんとか指を切り落とされる事態を、
  生爪を剥がされる事態を乗り切った
  そして、
  これから私と彼女との
  奇妙な「顔の加工アプリ」使用方法の
  レクチャーが始まるのだった──

〇黒背景
  ( つ づ く ・・・・・・ )

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