金持ち親父の奮闘記(脚本)
〇立派な洋館
〇謁見の間
金剛寺財閥会長 金剛寺パパカ
パパカ「見ての通り、私の家は普通ではない」
パパカ「こんな我が家で生まれ育った 三つ子の娘達は、特殊な環境で 育ったがゆえに、どこかおかしい」
パパカ「私は、そんな娘達が 心配でたまらないのだ・・・」
父上!おはようございまーす!
ララカ「今日も一日、根性で乗り切りましょう!」
ララカ「うぅ・・・でもやっぱり・・・ 学校に行くのは大変ですね・・・」
ララカ「今日はもうお休みにして、 高級リゾートに宿泊しても良いですか?」
パパカ(これが長女のララカだ・・・ 恐ろしい程に根性がなく、 すぐに楽をしたがる困った子だ・・・)
まったく!だらしないわね!
リリカ「そんなんじゃこの先、 自立して生きていけないわよ!?」
SP「リリカ様、お洋服にホコリが・・・」
リリカ「ひっ・・・!?」
リリカ「ななななんなのよ・・・? 私は食べてもおいしくないわよ・・・?」
SP「食べませんよ!リリカ様!」
パパカ(これは次女のリリカ・・・ 驚異的な人見知りで、他人と ロクに会話することが出来ない・・・)
ホニャラ〜 ホニャララ〜
ルルカ「みなさま、ご機嫌麗しゅうございます」
ルルカ「コアラを愛でたいです さっそく注文いたしましょう」
パパカ(この子は三女のルルカ・・・ 何を考えてるのかまったく分からん・・・)
パパカ(なるべく娘達には、自力で 困難に立ち向かえるように なって欲しいのだが・・・ なるべく無理はさせたくない・・・)
パパカ(というか、甘やかしたい・・・)
パパカ(私はそんな悩ましい日々を 送っているのだ・・・)
ララカ「では、父上!根性で学校へ 登校してまいります!」
パパカ「あぁ・・・気を付けてな・・・」
パパカ「うぅん・・・心配だ・・・ ちゃんと学校生活を送れるだろうか・・・」
ママカ「まったく・・・ちょっとは あの子達を信じてはどうですか?」
パパカ「ママカ・・・だがな・・・ そうは言っても心配なのだ・・・」
パパカ「もう辛抱たまらん! こっそりと様子を見に行くぞ!」
ママカ「はぁ・・・わたくしは あの人のことが一番心配ですわ・・・」
〇街の全景
〇川に架かる橋
ララカ「はひ・・・はひ・・・ 根性でなんとしても徒歩で 通学してみせます・・・」
ララカ「・・・あうぅ・・・ やっぱりツラい・・・足がもげる・・・」
ララカ「あっ!ヘイっ!タクシーっ!」
〇タクシーの後部座席
ララカ「イロハ学園までお願いします」
タクシーの運転手「はい、分かりました」
〇川に架かる橋
リリカ「もうっ!ほんとに根性がないんだから!」
???「あの〜・・・すみません・・・」
おじいさん「ヤブサメ病院はどこにあるか 分かりますかのう・・・?」
リリカ「ひっ・・・!?」
リリカ「ななななんなの・・・!? 私を病院で解剖しようと するつもりなの・・・!?」
おじいさん「へ・・・?」
リリカ「今日のところはこれで 許してください・・・!」
おじいさん「ええええええ・・・!?」
ルルカ「うふふふ・・・♪」
ルルカ「やっぱりコアラよりラッコですね」
ルルカ「うふふふ・・・♪」
パパカ「だ・・・大丈夫かこれ・・・?」
〇華やかな寮
私立 イロハ学園
〇大学の広場
パパカ「なんとか学校に潜り込めたが、 娘達はどこで授業を受けているのか・・・」
パパカ「全員バラバラのクラスだからな・・・ 一人ずつ見に行くしかあるまい」
SP「パパカ様、時間割によりますと、 ララカ様は1限目、校庭で 体育の授業を受けるようです」
パパカ「そうか・・・ならば、まずは ララカの様子を見に行くとするか」
〇グラウンドのトラック
体育教師「よーし、今日は体力テストをやるぞ」
体育教師「まずは立ち幅跳びから」
ララカ「よぅし!根性で良い記録出すぞ!」
ララカ「うぅ・・・でもやっぱり、 緊張でお腹痛くなってきたし もう帰りたいかも・・・」
パパカ「い、いかん・・・! ララカが体力テストを放棄して 帰ろうとしている・・・!」
パパカ「今すぐクレーン車を用意しろ!」
SP「は、はい!」
体育教師「よし次、金剛寺ララカ!」
ララカ「あ、あのう・・・先生・・・ 実は私・・・」
パパカ「させるか!クレーン起動!」
ララカ「・・・へ?」
〇空
ララカ「ひゃあああああああっ!?」
女子生徒「金剛寺さんが飛んでるー!」
女子生徒「どんどん飛距離が伸びてるー!」
〇グラウンドのトラック
ララカ「いだっ!?」
体育教師「き、記録580.32センチ!」
女子生徒「ララカちゃんすごーい!」
ララカ「え・・・?そ、そう?えへへ・・・」
パパカ「よし・・・!授業を受けさせられたし、 友達にも褒められたし完璧だ!」
パパカ「ララカに気付かれる前に撤収するぞ!」
パパカ「クレーン車も片付けておけよ!」
SP「は、はい・・・!」
〇学校の廊下
パパカ「さて、次はリリカだが・・・」
パパカ「あの子は人と関わらなければ、 基本的に問題はないんだがな・・・」
女子生徒「リリカちゃーん!」
パパカ「む・・・?」
〇教室
女子生徒「たまには一緒にお昼食べようよ〜?」
リリカ「た、食べる・・・!?」
リリカ「ごめんなさいごめんなさい・・・ 私は食べてもおいしくないからぁ!」
女子生徒「え・・・?」
〇学校の廊下
パパカ「い、いかん・・・! リリカが変なこと言って クラスメイトにドン引きされてしまう!」
パパカ「今すぐ特製ケーキを用意しろ!」
SP「は、はい!」
〇教室
リリカ「うぅ・・・こ、怖い・・・!」
リリカ「そ、そうだ!死んだふり! 肉食獣に襲われたら死んだふりよ!」
女子生徒「えぇ・・・?ちょ、ちょっと?」
〇学校の廊下
パパカ「マ・・・マズい・・・! ケーキを教室に搬入しろ!」
SP「はっ・・・!運搬用ドローン発進!」
〇教室
女子生徒「えぇっ!?なになにっ!?」
女子生徒「こ、これは・・・!?」
女子生徒「え・・・手紙・・・?」
お近付きのしるしです!
仲良くしてね♡
金剛寺リリカ
女子生徒「あ、ありがとう!リリカちゃん!」
リリカ「へ?ど、どういたしまして!?」
〇学校の廊下
パパカ「ふぅ・・・多少強引だったが、 なんとか上手く行ったな・・・!」
パパカ「私の可愛い手紙も功を奏したという訳だ」
SP「そ、そうですね・・・」
パパカ「よし・・・次はルルカだな・・・」
〇学校のプール
ルルカ「うふふ・・・♪可愛い・・・」
ルルカ「うふふふ・・・♪」
ルルカ「・・・・・・」
ルルカ「なんだかもう飽きましたね」
パパカ「い、いかん・・・! ルルカが退屈してしまう・・・!」
パパカ「今すぐ・・・何か可愛い物を用意しろ!」
SP「え、えぇ・・・?分かりました・・・!」
SP「これなんていかがでしょうか・・・?」
パパカ「な、なんだそれは・・・?」
ルルカ「もう退屈で死にそうです」
パパカ「くっ・・・!仕方ない・・・! それでなんとかするしかあるまい!」
〇学校のプール
ルルカ「何か面白い物はないのでしょうか」
???「やあ!ルルカちゃん!」
パパカ「僕と遊ぼうよ!(裏声)」
ルルカ「・・・・・・」
ルルカ「お父様、何してるんですか?」
パパカ「ギクゥっ!?」
パパカ「なんのことだい?ぼ、僕は パパンダ!とっても楽しいパパンダだよ!」
ルルカ「・・・・・・」
ルルカ「では、パパンダさん」
パパカ「な、なんだい?」
ルルカ「パパンダさんが泳ぐ姿が見たいです」
パパカ「えぇっ・・・!?」
ルルカ「うぅ・・・駄目なんですか・・・?」
パパカ「うっ・・・!」
パパカ「お、泳ぐとも!僕はとっても楽しい パパンダだからね!」
パパカ「とうっ!」
パパカ「おぶあああああああっ!?」
パパカ「うおおおおおおおおっ!! 私は泳ぐぞ!ルルカのためなら、 泳いでみせるぞおおおおお!!」
SP「パ・・・パパカ様・・・!」
ルルカ「うふふふふ・・・♪」
SP「パパカ様!ルルカ様が笑ってますよ!」
パパカ「そ、そうか!なら、よかっ・・・」
ブクブクブク・・・
SP「パパカ様ああああああ!!」
〇立派な洋館
〇謁見の間
ララカ「母上!ただいま帰りました!」
ママカ「あら、なんだかずいぶん嬉しそうですね」
ララカ「今日、体力テストがあったんですが、 根性で凄い記録が出せたんです!」
リリカ「私はクラスメイトと少しだけ 仲良くなれました・・・」
ルルカ「私はパパンダさんと遊びました」
ママカ「そうですか・・・! 充実した一日だったようで、 わたくしも嬉しいです・・・!」
パパカ「う、うぅ・・・」
ママカ「あら、パパカ・・・どうしたんです? そんなにヨロヨロして・・・」
パパカ「な、なんでもない・・・ 歳のせいで体が衰えているのかもしれん」
ママカ「もう・・・まだ老いるには早いですよ?」
パパカ「あ、あぁ・・・少し休む・・・」
パパカ(娘達を見守るのはかなりハードだが・・・)
パパカ(かけがえのない眩しい笑顔が 見られたのだから、悔いはない)
3姉妹が可愛かったです😊私だったらリリカちゃんが書きたいなぁ✨ツンデレで人見知りなんて萌えます😉
でも何よりの魅力はパパカですね😁親バカでお世話好き……
もっと狂ってもいいかもですね✨
親バカで笑いました😂
パパの愛情が盛大に肩透かされてる感が物悲しくもコメディチックですね…絶対こんなパパ嫌だな…😂
三つ子がてんでバラバラに動き回るのがカオスにできそうで良いですね☺️
不労所得を極めたパパがいつでも見守ってくれるなら安心です😄