異世界の花嫁

哉戸

救世主とは…(脚本)

異世界の花嫁

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〇貴族の部屋
「ん・・・」
「ふわぁ」
  ピピッ
  まだ起床時間としては早いです。
  後2時間ほどの睡眠を推奨します
四葉「ん〜、」
四葉「いや、もう起きるよ」
  了解しました──

〇貴族の部屋
  身体スキャン──
  体温・・・36,5℃
  状態異常・・・なし
  健康状態・・・オールグリーン
  おはようございます。
  四葉様──
四葉「はい。 おはようございます──」

〇豪華な部屋
メイド「おはようございます。 四葉様」
四葉「お、おはよう、ございます・・・」
四葉(ひぇぇ〜。 やっぱり何度目でもなれないよぉ・・・)
メイド「朝食の準備は既に完了しています。 お持ちしますか?」
四葉「は、はいっ! お願いします・・・」
メイド「かしこまりました」
メイド「それでは、ごゆっくりどうぞ──」
  部屋を出ていったメイドを見届けて、
  改めて出された朝食に向き直る
四葉「美味しそう・・・ それに、元の世界で食べてたご飯に近いし、 なんか、安心しちゃうな・・・」

〇豪華な部屋
四葉「美味しかった」
四葉「えっと、 お皿はどこに片付ければいいんだろう?」
  空になった皿を持って立ち上がろうとした時
四葉「うわっ!?」
  皿が1人でに浮き上がり、
  部屋の外へと片付けられて行った
四葉「す、凄いなぁ さすが異世界・・・」
四葉「さてと、とりあえず着替えて・・・」
四葉「その後どうしよう・・・」
四葉「巫女姫さんは、余程のことじゃない限り、 何してもいいって言ってたけど・・・」

〇貴族の応接間
  先日──
四葉「それが、私・・・?」
巫女姫「はい。 その通りです──」
巫女姫「四葉様の体の中には、 そちらの世界で100年間の間に発生した魔力が詰まっています」
四葉「えッ!?」
四葉「で、でも! 過剰な魔力は悪影響だって・・・」
巫女姫「よく覚えていらっしゃいましたね。 ご安心ください」
巫女姫「それは常に体に貯めている状態の場合です」
巫女姫「四葉様は体に1度貯められた魔力を、 常に放出している状態です」
巫女姫「100年1度召喚する救世主は生涯かけて溜まっている魔力を放出し続け、」
巫女姫「この魔力が尽きかけている世界に、 魔力を満たしてくれるます」
四葉「生涯、かけて・・・」
巫女姫「はい。 気づいてしまわれましたよね・・・」
巫女姫「救世主として召喚された人は──」
巫女姫「もう、元の世界には戻ることが出来ないのです──」

〇豪華な部屋
四葉「あの家にもう戻れない、か──」
四葉「こっちの世界の人たちも、 召喚の対象を『逃げ出したい』って思ってる人に絞ったり色々頑張った結果なけだし」
四葉「私には別に仲のいい友人なんていなくて、 家族もあんな感じだったからな・・・」
四葉「それに高校を卒業したら家を出ようとすら思ってたんだから、 それが早まっただけだと思えば・・・」
四葉「でも、やっぱりいきなりだと どうしたら良いのか分からないや」
メイド「四葉様。 よろしいでしょうか?」
四葉「は、はい! どうぞ」
メイド「失礼します。 よろしければこちらを・・・」
四葉「えっと、パンフレット?」
メイド「はい。 四葉様はまだこちらの世界に来たばかりですので、こちらの世界のことを少しでも知ることが出来ればとご用意いたしました」
四葉「わぁ・・・ ありがとうございます!」
メイド「いえ、お役に立てたのならよかったです」
メイド「では、何かあったらお呼びください」
  ぺら
四葉「凄い・・・ よくわからないところが多いけど、とにかくすごいことだけは分かる・・・」
  ページを一枚一枚捲るたびに、
  全く知らない世界を見ることが出来て、
  思わず目を輝かせながら次々とページをめくる。
四葉「凄いなぁ・・・・・・」

〇簡素な部屋

〇豪華な部屋
四葉「・・・・・・」
四葉「お姉ちゃんの様な、奇麗な人がいたら、 すごい映えるんだろうな・・・」
  ペラ
四葉「あれ?」

〇ファンタジーの学園

〇豪華な部屋
四葉「なにここ、お城かな?」

〇ファンタジーの学園
  ──魔法学校
  オリジン・アトリビュートスクール

〇豪華な部屋
四葉「スクール・・・学校なの???」
四葉「えっと何々・・・」
四葉「全世界規模でもトップクラスの魔法学校、 世界最高峰の設備と人材にて、 世界でも有数の魔法使いを育成するための学校・・・」
四葉「へぇー。 やっぱりこういう異世界だと、 こういう学校もあるんだ・・・」
四葉「魔法、か・・・」

〇貴族の応接間
巫女姫「ここまでで何か質問がありましたらお答えしますが、 何かありますか?」
四葉「えっと・・・ 私の中に魔力がたくさんあるってことは、 私も魔法が使えたりするんですか?」
巫女姫「それは・・・」
巫女姫「・・・」
巫女姫「全て、正直にご説明します・・・」
巫女姫「結論から言いますと、 四葉様が魔法を使うことは不可能です──」
四葉「そう、ですか・・・」
巫女姫「四葉様には膨大な魔力が眠っていますが、 そもそも四葉様は魔力を扱えない体質、 の人間として生まれていますので、」
巫女姫「いくら魔力があったとしても、 四葉様が魔法を使うことは不可能なのです」
巫女姫「魔法に興味がおありで?」
四葉「あ、いえ・・・ ただ魔法や異世界何て話に聞いてもいまいち実感できなくて──」
四葉「私の中の常識と並外れたことが起きたら、まだ納得できるかなって思って・・・」
巫女姫「そうですか──」
巫女姫「・・・」
巫女姫「これでも私は魔法においてはかなり長けた者ですので、 私でよければ魔法を使っているところをお見せすることは出来ます」
四葉「えッ!?」
四葉「そ、そんな迷惑かけられません!」
巫女姫「余程の大魔法で無ければそんな手間ではないのでご安心ください」
巫女姫「それに、私は魔法ぐらいしかできないものです。 そんな私が四葉様のお役に立てるようなことは、魔法ぐらいしかないのです」
四葉「そ、そんな・・・ 私はそんな風に気を使ってもらうような人間ではないんです」
四葉(姉のように美しくもない、 愛されてもいない、私なんかが・・・)
巫女姫「そうですか。 私の魔法が必要なタイミングがありましたら、いつでもおっしゃってください」
四葉「は、はい・・・」

〇豪華な部屋
四葉「私には一生縁遠い世界だな・・・」

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