グレイな家族(脚本)
〇地球
3年前ある生命体が地球に来た
〇高級一戸建て
〇豪華なリビングダイニング
熊山 直美「あの、大丈夫ですか?」
菅田 代 「・・・」
熊山 直美「えっと」
菅田 香江与「・・・」
熊山 直美「えっと、その・・・」
菅田 替太「お母さん、お父さん!620倍速で喋るの止めてよ!先生が聞き取れないよ!」
熊山 直美「620倍速?問題そこじゃないのよ」
菅田 代 「ピッ──」
菅田 香江与「ピッ──」
菅田 替太「テレパシーもダメ!普通に話してよ!」
熊山 直美「テレパシー?何の話してんのこの子?」
菅田 代 「すいません、先生まだ地球に来て3年しか経って無いので、慣れなくて」
菅田 香江与「高次元が低次元に合わせるのって時間がかかってしまうんですよ」
熊山 直美「低次元って・・・その格好は何なんですか?(地球に来て3年?)」
菅田 代 「これ、男性が一番好きな服装らしいですね!」
菅田 香江与「ボーダー柄のアイテムは押さえておくようにと、ファッション雑誌でみたんです」
熊山 直美「変態な父親と主観がズレた母親、大変な家族ね」
菅田 代 「先生、私たちは分裂も出来るんです!」
菅田 香江与「それも、無限にですよ!」
熊山 直美「テレパシーだとか、分裂だとか、本気で言ってます?」
菅田 香江与「もちろん!高次元の素晴らしさを知ってもらいたくて!」
熊山 直美「あの、今日はこれで、失礼します。また明日の13時頃に伺いますね・・・」
菅田 代 「お母さん、先生のお見送りを!」
熊山 直美「け、結構です。失礼します!」
菅田 替太「も〜お父さんと、お母さんのせいで変な家族に思われたじゃないか!」
菅田 代 「混乱してたね先生。もう少し低次元側に歩み寄らないといけないね」
菅田 香江与「それで、先生って何しに来たのかしら」
菅田 替太「実はね一昨日の給食の時間・・・」
〇教室
林 乙女「先生〜!替太君が三角食べをしていません!」
熊山 直美「替太君、バランス良くたべ無いとダメよ!」
菅田 替太「何でですか?」
林 乙女「三角食べをする事によって体の成長が良くなるってママとパパが言ってたもん!」
菅田 替太「その根拠は?」
林 乙女「えっと・・」
菅田 替太「乙女ちゃんが一番背が低いのは何故?運動が苦手なのは?テストも悪いよね?理由は簡単!三角食べなんて無意味なんだ!」
林 乙女「だって、ママとパパが言ってたから・・・」
菅田 替太「三角食べが、身体の発達につながるのは嘘だよ!その証拠に乙女ちゃんのお父さん太ってるだろ?」
林 乙女「違うもん!うぇぇぇ〜ん!」
熊山 直美「こらっ!替太君!誤りなさい!」
菅田 替太「嘘を吹き込もうとした生徒の方を庇うなんて、先生見損なったよ」
熊山 直美「な、なんですって!」
菅田 替太「図星でしょ?」
熊山 直美「替太君!放課後に職員室へ来なさい!」
〇豪華なリビングダイニング
菅田 替太「って事があってね・・・」
菅田 代 「そんな事言ったのか!替太!」
菅田 替太「ごめんなさい」
菅田 代 「それは・・・」
「正論だ!」
菅田 香江与「全くこれだから、低次元って困るのよ!」
菅田 代 「先生は、その事を伝えに来たんだな?」
菅田 替太「たぶん・・・」
菅田 代 「明日、先生が来たらガツンと言ってやる!」
菅田 香江与「そうよ!替太は悪くないわ!高次元の恐ろしさ見せてやるわよ!」
菅田 替太「ありがとう。気持ちは嬉しいけど、そんな事してたら、地球に馴染めないよ」
菅田 代 「・・・そうだな、低次元側に歩み寄ろうって言ったばかりだったな・・・」
菅田 香江与「そうね、怒りで目的を見失ってたわ、ごめんなさい」
菅田 代 「おやっ?」
菅田 替太「今日!友達と遊ぶ約束してるんだ!ねぇ家で遊んでもいいでしょ?」
菅田 代 「もちろんさ!」
菅田 替太「ありがとう!」
〇シックな玄関
松山 治「替太〜来たぞ〜」
菅田 替太「治!上がって!」
松山 治「お邪魔しま〜す!」
菅田 替太「どうぞ!」
松山 治「はっ?」
菅田 替太「し、しまった!お母さんとお父さんの服装!」
菅田 代 「こんにちは!ゆっくりしていってね」
松山 治「はいっ!」
菅田 香江与「フフッ」
菅田 替太「(ナイス!お母さん、お父さん)」
菅田 香江与「替太が地球に馴染むため、低次元側に歩み寄ってるのを見ると感度するわね!」
菅田 代 「そうだね、僕たちも見習わないとね! 明日、先生がきたら謝ろう」
〇勉強机のある部屋
松山 治「あ〜また負けた!替太強いな!」
菅田 替太「でしょ!」
松山 治「あっ!16時30過ぎだ!」
菅田 替太「帰る時間?」
松山 治「ああ!門限が17時なんだよ!」
菅田 替太「そうか、また遊ぼ!」
松山 治「そうだ!殿様バッタ捕まえたんだろ?見せてくれよ!」
菅田 替太「いいよ!そこの扉を開けてみなよ!」
松山 治「ここか?」
〇黒背景
高次元バッタ「・・・」
松山 治「・・・」
高次元バッタ「何か要か?」
〇勉強机のある部屋
菅田 替太「お母さ〜ん!お父さ〜ん!治が倒れた!」
〇豪華なリビングダイニング
菅田 替太「治、大丈夫かな?」
菅田 代 「きっと大丈夫さ!」
菅田 香江与「あまりにも高次元な事を目の当たりにすると、低次元は現実を受け入れられないのよ」
菅田 替太「・・・今度から気をつけるよ」
菅田 代 「さて、今日はもう寝ようか!」
菅田 香江与「そうね、何だか疲れたわ」
「・・・・・・・・・──」
「おはよう替太!」
菅田 替太「10秒は早すぎるから、ちゃんと低次元の睡眠時間に合わせようよ!」
菅田 代 「大体の目安は6〜8時間くらいか?」
菅田 替太「そのくらいだと思う!」
菅田 香江与「そんなに睡眠とるなんて、低次元に寄せるってほんと大変!」
「ハハハハハッ」
次の日
〇豪華なリビングダイニング
菅田 香江与「えっ?もう夕方?」
菅田 代 「なんか、調整が難しいね」
菅田 替太「次第に慣れるよ!」
菅田 替太「僕が出るよ!」
〇シックな玄関
菅田 替太「はーい!」
熊山 直美「こんにちは・・・替太君」
菅田 代 「先生!どうしたんですか?」
熊山 直美「今日、伺う事は伝えてましたよね?3時間前にも来ましたけどお留守だったようで・・・」
菅田 替太「寝てたんだよ先生!」
菅田 代 「そうそう、睡眠の調整の難しさを知りました!」
熊山 直美「寝てた?何考えてんのよここの家族?」
菅田 代 「とりあえず先生!上がって下さい!」
熊山 直美「・・・お邪魔します」
〇豪華なリビングダイニング
菅田 替太「ねぇ直美先生って何歳?」
熊山 直美「・・30歳よ」
菅田 替太「彼氏はいないの?」
熊山 直美「います!」
菅田 替太「そんな、怒らないでよ・・」
熊山 直美「ごめんなさい。すぐ怒るなんて、未熟よね私」
菅田 代 「替太、先生の事を詮索するのは辞めなさい」
菅田 替太「は〜い」
菅田 代 「替太、お母さんとお父さんでお話しするから、自分の部屋で宿題しておいで」
菅田 替太「うん!」
熊山 直美「すいません、怒ってしまって」
菅田 代 「大丈夫ですよ、失礼な事を聞いたのは替太の方ですから」
菅田 香江与「それと昨日は変な服装でごめんなさいね」
菅田 代 「真剣な話しをしに来てくれたのに申し訳ありませんでした」
熊山 直美「昨日の制服はジェンダーレスの意味だったのかしら?だとしたら、よく話しを聞かなかった私も悪いわね」
熊山 直美「こちらこそ、よく話しも聞かず失礼しました」
菅田 香江与「先生が来たのは給食の三角食べの件ですよね?」
熊山 直美「三角食べ?」
菅田 代 「替太が乙女ちゃんを泣かせてしまったそうで」
熊山 直美「ああ!あの事ですか!違いますよ!確かに少しムッときましたけど、伺った理由はそんな事では無いですよ」
菅田 代 「えっ?てっきりその事かと思ってました、」
熊山 直美「いえ、替太くんテストはいつも満点で、運動も出来る。教育者として、参考になるお話しを聞きたいと思って来たんですよ」
菅田 香江与「そうだったんですね!」
熊山 直美「ええ、是非聞かせて下さい!」
菅田 代 「分かりました先生、真剣にお答えします。その前に質問をいいですか?」
熊山 直美「どうぞ!」
菅田 代 「先生はUFOや宇宙人の存在を信じてますか?」
熊山 直美「弟がそういう話が好きで、私もいるかもしれないって思ってます!」
菅田 香江与「それは、良かったわ!」
熊山 直美「教育と何か関係があるんですか?」
菅田 代 「実はですね先生、あれらの類って・・僕たちなんですよ!」
熊山 直美「・・・はい?」
菅田 代 「ですから、宇宙人とかUFOの事です」
熊山 直美「おっしゃってる意味が・・」
菅田 香江与「先生、私たちは色んな形や物に変形や分裂が出来るんです」
菅田 代 「そう。ときにはリトルグレイの姿に、またあるときは、UFOや未確認生物の姿だったり様々なんです!」
熊山 直美「・・・はい?」
菅田 香江与「変形してる時をグレイゾーンって呼んでます」
熊山 直美「グレイゾーン?」
菅田 香江与「はい!」
菅田 代 「未熟な先生に真実を打ち明ける事は緊張します」
菅田 香江与「低次元に寄せて、話しをするのは難しくて!」
熊山 直美「・・・低次元」
菅田 香江与「あと私たちって浮いてるんです」
菅田 代 「今も地面から足が1センチ浮いてます!」
熊山 直美「・・・愚弄してます?」
菅田 代 「違いますよ!真剣に浮いてます!」
菅田 香江与「そういえば先生、教えて欲しい事があるんです」
熊山 直美「何でしょうか?」
菅田 香江与「三十路って何ですか?」
熊山 直美「ふざけないで!」
「あれっ?」
熊山 直美「あれっ?じゃないんですよ!完全に人を舐めてます!UFOとかの類って僕達なんですよ!(笑)ってそんな訳ないでしょう!」
菅田 代 「先生?」
熊山 直美「誰が未熟よ!三十路よ!浮いてるよ!本当に頭にきます!帰ります!」
菅田 代 「浮いてるのは僕たちですよ」
熊山 直美「馬鹿にしないで!」
菅田 替太「もぉ〜また怒らせたの?」
菅田 代 「本当、低次元に合わせるのって苦労するよ!」
菅田 香江与「めげずに頑張っていきましょう!」
「ハハハッ」
〇役所のオフィス
深村 三枝「熊山先生、有益な情報は聞けました?」
熊山 直美「いいえ。つい、怒ってしまって」
深村 三枝「何故です?」
熊山 直美「先生は、宇宙人とか信じます?」
深村 三枝「う〜ん、存在するかしないか、悩むわね」
熊山 直美「ですよね、どう見ても人間なのに、自分達がそうだと言い張るんです」
深村 三枝「人間か宇宙人か正体がグレーゾーンって事ね」
熊山 直美「・・・いえ、グレイゾーンです」
〇更衣室
熊山 直美「さて、着替えて帰ろう!」
〇黒背景
高次元バッタ「・・・」
熊山 直美「・・・」
高次元バッタ「何か?」
〇地球
〇豪華なリビングダイニング
菅田 香江与「みんなと仲良くなる為に〜♪」
「征服じゃなく制服を〜♪」
「アハハッ」
全てが グレーゾーンのグレイの家族⁉
いや 本当に宇宙人かどうかも グレーゾーン ですね!! !
ただの変態家族だったりして…お父さんは特に😆 でも結構 正論を語る!
夜中に読むと、ツボにはまって凄く笑っちゃいますね🤣🤣🤣
高次元バッタに笑っちゃいました!!!!!😂✨
高次元バッタって!!!!!!!2回出てきてさらに笑いました!!!!!!!わら
高次元が、低次元に合わせるのは、確かに大変ですよね・・・
それでも620倍速って!!!!!!!😂
面白かったです!!✨😊
最後『バッタが占めるんかーい!』