No.0002 本題(脚本)
〇黒
────そろそろ本題に入ります。
コレは婆ちゃんが婆ちゃん自身に送った国際荷物。
日本から西に4大陸を三年かけて四周旅して再び日本に戻ってしてきた小包である。
しかも、また何処かに転送する指示書付。
拳銃の件もそうだったが、コレこそババ抜きのババだ。
だが、開ける恐怖より私は好奇心が勝り、とうとう包みを開けてしまった。
三楢 栞白「もう婆ちゃんが闇の武器の売人でも売国のスパイでも驚かないぞ‥‥」
中身はサーキュラー・スクリプトの刻印が施されている高そうな本革のハードケース。
鍵はかかっていない。
止め金をパチンと外し、あっさり中は開いた。
三楢 栞白「外国のオモチャ‥‥?」
ケースから取り出すと今度はなんとなく掌に掲げて眺めてみる。
これは所謂、名探偵が持つような時計ではない。
見た目はゴツいし、鈍器みたいに重いし、まるで戦車のような武骨さである。
中身をあらためると外国製の懐中時計だと思っていたモノはどうやら違うようだ。
三桁の月と日付のある意味不明なカレンダー。
秒針・時針・分針の他にも二つ余計な針が左右に振れて奇妙な回転を繰り返し、
水時計のようなも付いている。
中身は綺麗な蒼。
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