脚本家族〜親子ともども脚本家!〜

イヌドングリ

サスペンス娘の動機(脚本)

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〇一軒家の玄関扉
芦本てるみ「こ、ここが私の家よ お父さんは、仕事でいない、わ」
友達「な、なんだか、緊張するなぁ」

〇おしゃれなリビングダイニング
芦本あいか「いらっしゃい」
芦本あいか「ねえ、てるみ」
芦本あいか「今日のお友達、」
芦本あいか「ほんとに友達なの〜?」
芦本てるみ「やめてよ、彼はただの友達」
芦本てるみ「ママの脚本と一緒にしないで」
友達「はじめまして」
芦本あいか「ま、楽しんでってね」

〇おしゃれなリビングダイニング
友達「そう言えば、芦本さんって」
友達「サスペンス書いてるんだっけ?」
芦本てるみ「うん」
友達「じゃあ、いっつもその──」
友達「事件のことばっかり、考えてたり・・・するの?」
芦本てるみ「い、いや、そういうわけじゃ」
芦本たけひろ「帰ったらいっつも書いてるじゃん」
芦本てるみ「ちょっと、たけひろ! 茶化さないでよ!」
友達「そう、なんだ〜」
芦本てるみ「や、そ、そりゃ」
芦本てるみ「兄弟姉妹みんな、脚本家目指してるからね?」
芦本けーじ「うんうん、姉ちゃんはだいたい1話に1人だし、」
芦本けーじ「少ないほうだよ」
芦本てるみ「うん、そうそう、少ないほうよ!」
芦本けーじ「僕なんか、山荘に10人くらい閉じ込めて」
芦本けーじ「その内5人くらいは帰れないから」
友達「・・・・・・えっと?」
芦本てるみ「ああ、けーじはミステリーだから」
友達「そういうこと!」
友達「サスペンスとミステリーって、違うんだ」
芦本てるみ「そうね、追われる方がメインなのが私?」
芦本けーじ「追う方がメインなのが僕、かな?」
友達「へぇ」
芦本ろい「それに・・・・・・」
友達「わあっ! びくっりした〜」
芦本ろい「ワタシはその山荘の全員──」
芦本ろい「帰さない」
芦本てるみ「ろいは、ホラーだから」
芦本てるみ「その、ね?」
友達「確かに芦本さんの作品はマイルド、なのかもね?」
芦本ろい「うん、そう思うよ」
芦本ろい「呪ったりしないし」
芦本ろい「それと、ワタシてるみ姉ちゃんの作品好きだし」
友達「へぇ、どんなところが?」
芦本ろい「情念が描かれてるとこ」
友達「情念・・・そうなんだ」
芦本ろい「じゃあ、ごゆっくり」
友達「う、うん、ありがとう」
友達「・・・他の人はそんなに、事件、書いてないよね」
芦本てるみ「そう、ねぇ」
芦本てるみ「ママは、恋愛メインだし──」

〇汚い一人部屋
芦本ちから「おっしゃぁ! こっから──」
芦本ちから「100人斬りじゃ〜!」

〇おしゃれなリビングダイニング
芦本てるみ「ハ、ハハハ、ハハ」
友達「・・・・・・どんな状況だろう、ね?」
芦本てるみ「華麗に推理したいけど」
芦本てるみ「ちからの事だし、だいたいはアクションシーンとかで」
芦本てるみ「悪党どもをぶっ飛ばしてると思う」
芦本てるみ「てか、それ以外考えらんない」
友達「じゃ、じゃあ、スッキリ爽快なシーンって感じだね」
芦本てるみ「そ、そうそう!」
芦本もとお「こよみ、姉ちゃん!」
芦本こよみ「どうしたの?」
芦本てるみ(まさか!?)
芦本もとお「闇の大魔術に捧げるのって何人ぐらいがいいと思う?」
芦本てるみ(あぅ・・・・・・)
芦本こよみ「私はリアル感強めよ? 歴史ものだから」
芦本もとお「でもさ〜、詳しいじゃん」
芦本こよみ「じゃあ聞くけど、もとおはどれくらいにするつもりかしら?」
芦本もとお「う〜ん、1000人くらい?」
友達「せ、1000人!?」
芦本こよみ「中世風よね? じゃあ、小さな街ひとつぶんか」
芦本こよみ「いいんじゃない 街一つ壊滅なんて大魔術っぽくて」
芦本もとお「やった」
芦本こよみ「じゃ、私はこれから主人公たちの国を」
芦本こよみ「厳冬の中に放り出すから」
芦本もとお「うん、頑張って」
芦本もとお「火炎魔法がないって大変だよね〜」
芦本こよみ「ざっと、時代とか考えると数万人かな──」
友達「今度は、す、数万人って言ったね」
友達「大台乗った感、あるね」
芦本てるみ「ま、まあ、歴史的には普通なの、かも?」
友達「ど、どうなんだろ、ね?」
芦本てるみ「ね、もっと静かなところ──私の部屋に行かない?」
芦本てるみ「姉もいるけど滅多に話さないし」
友達「う、うん!」

〇簡素な一人部屋
芦本てるみ「はるか姉ちゃん、お邪魔するよ〜」
友達「お邪魔してます」
芦本はるか「気にするな、邪魔ではない」
友達「何か書いてるんですか?」
芦本はるか「ああ」
芦本はるか「・・・・・・」
友達「・・・・・・」
友達「たしかに、話さないね」
芦本てるみ「でしょ?」
芦本てるみ「じゃあ、なにか飲み物と、お菓子でも持ってくるね」
友達「わかった」
芦本はるか「・・・・・・」
友達「・・・・・・」
友達「・・・・・・」
友達「あの、ちょっと聞いても?」
芦本はるか「なんだ?」
友達「ちょっと気になっていることがあって」
芦本はるか「聞こえていたが、てるみの創作ジャンルが気になっているんだな?」
友達「ま、まあ、その・・・・・・」
芦本はるか「なら気にすることはない」
友達「そ、そうですよね!」
芦本てるみ「あ、忘れてたんだけど、なにジュースが──」
芦本はるか「私なんか、これまで幾つの星や文明を滅ぼしたか数えきれない程だ」
芦本てるみ「なんでこんな時にが限って話すかな〜!」

〇シックな玄関
友達「また、機会があったら、来るね」
芦本てるみ「うん、機会があったら、ね」
芦本てるみ「もう──」

〇おしゃれなリビングダイニング
芦本てるみ「あんたたちのせいなんだからね!」
芦本たけひろ「じゃあ、僕らに一服盛るかい? ──もちろん、作中で」
芦本てるみ「たけひろ、茶化すのはあなたの脚本だけに・・・」
芦本てるみ「・・・・・・」
芦本てるみ「いいわね」
芦本てるみ「どうせサスペンス嫌いの男よ」
芦本てるみ「あの男をやってやるわ」
芦本てるみ「私の脚本でね!」

コメント

  • 脚本家っていつも人を殺すこと考えてるみたいですね? 違うか💦
    なんだか物騒な家族で楽しかったです。
    最終的にはやっぱりSF ですかね 。宇宙ごと崩壊させることもできるし…
    ネットミーム知らなかったです…勉強になりました🙇

  • おぉー!!こんな大家族がいたら面白いですよね!!(*^ω^*)
    それぞれのジャンルがあって、1番人が死ぬのが歴史っていうところも、そういえばそうだな!!って思いました!!

    面白かったです!!

  • 被害人数がかなり大規模なことになっていって、笑いました😂
    確かに、サスペンスものだけじゃなく、歴史ものとかでも人はたくさん死にますもんね……!

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