それは夢か現か

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それは夢か現か(前編)(脚本)

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〇男の子の一人部屋
鈴木 敦「ハハ、やっぱこの人の実況動画は面白いなぁ 動画時間1時間あるのにあっという間だな」
鈴木 敦「・・・」
鈴木 敦「ふゎぁ〜はぁぁ・・・」
鈴木 敦(眠くなってきたし、明日は教授と研究の打ち合わせもあるからそろそろ寝なきゃな)
鈴木 敦(電気を消してっと)
  カチッ

〇男の子の一人部屋
鈴木 敦「・・・」

〇合宿所の稽古場
鈴木 敦「・・・んん、んー」
鈴木 敦「は!」
鈴木 敦(あれ?ここは、たしか・・・)
佐藤 妃那(サークルの先輩)「あら、鈴木くん やっと起きたのね どう?調子はよくなった?」
鈴木 敦「あ、佐藤先輩!」
鈴木 敦(そっか、ここはサークルの夏合宿の場所だ)
鈴木 敦「あの、僕は一体どうなってたんですか?」
佐藤 妃那(サークルの先輩)「あら、大変! 記憶が無いの?」
佐藤 妃那(サークルの先輩)「まあ、無理もないわ 鈴木くん、練習中に熱中症になっちゃったのよ」
鈴木 敦「そう言われるとたしかに眩暈を起こした気がするような・・・」
佐藤 妃那(サークルの先輩)「そうよ だから健康管理担当の私が介抱してたの その調子だと会話が普通にできるから とりあえず大丈夫そうで安心したわ」
鈴木 敦「は、はい 先輩、ご迷惑をおかけしてすみません おかげでだいぶ楽になりました」
鈴木 敦(それにしてもリアルな夢を見てたなぁ)
佐藤 妃那(サークルの先輩)「べつにいいのよ 今はもう練習終わってみんなBBQの準備してるから落ち着いたら来なさい 私は先にみんなに報告しに行ってるわ」
鈴木 敦「はい、色々とありがとうございます!」
  グゥゥゥ〜
鈴木 敦「うぅ〜、急にお腹空いてきたな 僕も急いでみんなのところへ行こう」

〇野営地
大池 力和(サークルの仲間)「だから俺おもわず壺を頭に被っちゃったわけ」
正名 幸孝(サークルの仲間)「マジ!? それはヤバいわ〜」
大池 力和(サークルの仲間)「お、ようやく来たか」
正名 幸孝(サークルの仲間)「ほんとだ、おーいこっちだよー」
鈴木 敦「あ、リッキーとユッキーじゃん」
大池 力和(サークルの仲間)「ったく、来るのおせーよ もうすぐ肉が無くなっちゃうぜ」
正名 幸孝(サークルの仲間)「まあまあ、そうあせらせないの」
正名 幸孝(サークルの仲間)「敦はもう大丈夫そうなの? その、体調もそうだけど食欲とか気分とか」
鈴木 敦「うん、ぐっすり休んだからもう大丈夫だよ 食欲もあるし、 気分もだいぶよく・・・・・・」
鈴木 敦(あれ? な、なんだか急に意識が遠くなっていくような気が・・・・・・)
鈴木 敦(ダメだ・・・どうしようもできない・・・)

〇役所のオフィス
「・・・くん、鈴木くん!」
鈴木 敦「・・・んん、んー」
鈴木 敦「は!」
鈴木 敦(ここは・・・研究部屋か やっぱ合宿は夢だったか)
鈴木 敦(というか、この声まさか・・・)
柴本 蓮五郎(教授)「やっと起きたかね」
鈴木 敦(やっぱり柴本教授だ! まさかこれ僕やらかしたか?)
柴本 蓮五郎(教授)「打ち合わせの時間になっても来ないから 気になって見に来たらお昼寝とは 呑気なことだね」
鈴木 敦「す、すみません 以後このような事が無いよう努めて参ります」
鈴木 敦(やっぱやらかしてた〜!!)
柴本 蓮五郎(教授)「ふん、まあいい 15分程度とはいえ、次からは気をつけるようにな それと、準備できたら至急私の部屋に来るように」
鈴木 敦「はい、すぐにお伺いします」
鈴木 敦(はぁ〜、行きたくないよ・・・)

〇研究所の中
柴本 蓮五郎(教授)「それで、進捗はどうかね? 少しは進んだかね」
鈴木 敦「それが・・・カプセルがズレてたらしくて圧力に偏りが発生してサンプルが破損し、まだ実験結果が得られてなくて・・・」
柴本 蓮五郎(教授)「なんだね、また失敗したのかね 他にもしなきゃいけない実験はあるんだろう? そろそろ結果を出さないと困るのは君だよ?」
鈴木 敦「はい、もっと慎重に取り組むよう肝に銘じます」
鈴木 敦(はぁ〜 これはやってしまったなぁ)
柴本 蓮五郎(教授)「そうそう、あと来週行う論文紹介のプレゼン資料はできたかね?」
鈴木 敦「あ、えっと・・・ 来週ではなくて再来週ではないですか?」
柴本 蓮五郎(教授)「そうだったかね え〜と・・・」
柴本 蓮五郎(教授)「いや、来週で合ってるぞ」
鈴木 敦「え、そんな!?」
柴本 蓮五郎(教授)「まさかとは思うが、 まだできてないとは言わないだろうね」
鈴木 敦「それがその、できてないとは言わないですが まだやってないと言うか手を付けていないと言うか、これからやろうと思ってまして、」
柴本 蓮五郎(教授)「なんだと!?」
柴本 蓮五郎(教授)「だいたい君は研究に対してやる気はあるのかね!講義と違って研究は自ら進んで行動しないといけないとあれほど言っているだろう!」
鈴木 敦(はぁ〜 これが夢ならどんなによかったか・・・ もしもこれが夢ならそろそろ覚めてくれ! 頼む、お願いだから夢であってくれ!)
鈴木 敦(頼む!頼む!頼む!頼む!頼む!頼む!!!)

〇男の子の一人部屋
鈴木 敦「・・・んん、んー」
鈴木 敦「あ、」
鈴木 敦「よかった〜 夢で本当によかった〜」
鈴木 敦「って、時間は!? 寝坊してないよね?」
  壁掛け時計は10時を指していて焦ったが、
  昨日電池が切れたことを思い出して
  今度はスマホを見ると7時と表示されていた
鈴木 敦「やったね、これであの悪夢とはおさらばだ」
鈴木 敦「それにしても不思議な夢だったなぁ 夢から覚めたと思ったらそれがまた夢だったとはなぁ」
鈴木 敦「考えてみればサークルの夏合宿なんて去年だし、そもそも僕熱中症で倒れてないからなぁ」
鈴木 敦「けど妙にリアルだったなぁ まるでIFの世界線を経験した感じでとても夢だとは思わなかったな」
鈴木 敦「起きてみれば現実と違う部分に気付くのに夢の中にいる間はそれに気付けないって不思議だなぁ」
鈴木 敦「教授の夢も確かに先週は実験に失敗したけど、昨日ちゃんと成功して結果出てるし、 プレゼンもちゃんと再来週だから大丈夫!」
鈴木 敦「とりあえず、顔洗ってこようっと」
ロピカ「・・・・・・・・・」

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