神様んちの子はAI

ゆり

エピソード1 未知との遭遇(脚本)

神様んちの子はAI

ゆり

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〇神社の本殿
  私の家は先祖代々神社を営んでいる
  ひいおじいちゃんが宮司をしていた頃は
  四季折々のイベントもあり
  毎日たくさんの参拝客が来てくれて
  けっこう全国に名の知れた神社だったらしい

〇古びた神社
  それから時が経ち
  現在・・・
  インターネットやSNS中心の現代人にとって
  神社仏閣を参拝する事の優先順位は
  ずいぶんと低くなってしまったらしい・・・

〇古びた神社
  この廃れた神社で私は巫女として働いている
ミミコ(巫女 みこ)「パパー!」
ミミコ(巫女 みこ)「ねー! パパー!どこー!?」
ミミコ(巫女 みこ)「もー! 一体どこ行っちゃたのよ!」
ミミコ(巫女 みこ)「ホントこの神社は無駄に広いんだから!」

〇祈祷場
パパ(宮司 ぐうじ)「うるさーーーい!」
ミミコ(巫女 みこ)「びっくりした!」
パパ(宮司 ぐうじ)「お前は何度言ったらわかるのじゃ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「境内では宮司様と呼べと何度も言ってるじゃろ!」
ミミコ(巫女 みこ)「えー!? 別にいーじゃん!」
ミミコ(巫女 みこ)「私達の他に誰も居ないんだしー」
パパ(宮司 ぐうじ)「誰も居なくたって我々は神に使える身、境内の中では常に緊張感を持ってだな・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「いやいや何をおっしゃる宮司様」
ミミコ(巫女 みこ)「私はその後ろに隠した物を見逃しはしませんぞ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「わしは何も持っておらんぞ!」
ミミコ(巫女 みこ)「ってかめっちゃ酒臭いし」
パパ(宮司 ぐうじ)「バレてしまったらしょうがない」
パパ(宮司 ぐうじ)「ぷはー!」
ミミコ(巫女 みこ)「おいおい! 2本目を飲むな!」
パパ(宮司 ぐうじ)「いやーしかし毎日暇だねー」
ミミコ(巫女 みこ)「暇だからって祈祷所でビール飲む宮司がどこに居るんじゃ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「お前だって巫女なのに、 いつまで経ってもわしの事をパパって呼ぶじゃろ」
パパ(宮司 ぐうじ)「境内で英語を使うな!」
ミミコ(巫女 みこ)「境内でビール飲んでる人に言われたくないわ」
ミミコ(巫女 みこ)「せめて日本酒にしな!」

〇祈祷場
ミミコ(巫女 みこ)「ん!? ママからだ!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「境内では音を切ろと何度言えば・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「えー!? うそー!?」
ミミコ(巫女 みこ)「ちょっと待って!? 今すぐ行くから!」
ミミコ(巫女 みこ)「そこで動かないで待ってて!」
パパ(宮司 ぐうじ)「何じゃ何があったのじゃ!?」
ミミコ(巫女 みこ)「緊急事態だよ! 早く行かなくちゃ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「母さんに何があったのじゃ!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「おい! 待ってくれ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「痛ー! 足捻った!」
ミミコ(巫女 みこ)「いーから酔っ払いはそこで待ってて!」
ミミコ(巫女 みこ)「話は後でー!」

〇神社の石段
ミミコ(巫女 みこ)「うわ! いつの間にすごい雨!?」
ミミコ(巫女 みこ)「ママー!」
ミミコ(巫女 みこ)「え!? これはどういう事!?」
ミミコ(巫女 みこ)「その赤ちゃんどうしたの!?」
ママ「その階段の上に寝かせてあったのよ」
ママ「どうしたら良いのかしら・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「とりあえずこんな雨の中に放置する訳にいかないし」
ミミコ(巫女 みこ)「早く中に連れて行こう!」
ママ「ええ! そうね!そうよね!」

〇古びた神社
パパ(宮司 ぐうじ)「一体どうしたら良いのじゃろう・・・」
ママ「そうですねぇ・・・」

〇広い和室
ミミコ(巫女 みこ)「いやいや! どーもこーも無いでしょ!」
ミミコ(巫女 みこ)「今すぐ警察に連絡! その一択しか無いでしょ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「しかしなぁ・・・母さん」
ママ「そうよねぇ・・・お父さん」
ミミコ(巫女 みこ)「何!?何!? 他に何があるってのよ!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「わしらは結婚してからな、 中々子宝に恵まれなかったんじゃ」
ミミコ(巫女 みこ)「え!? 何急に!?」
ママ「私らの時代だとね 結婚して子供が出来ないって本当に大変な事でね」
パパ(宮司 ぐうじ)「しかも先祖代々受け継いでいるこの神社があるじゃろ」
パパ(宮司 ぐうじ)「もう養子を貰うしか無いと思ってた矢先、 母さんはお前を身ごもったのじゃ」
ミミコ(巫女 みこ)「え!?え!? それとこれと何が関係あるの!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「まだわからんのか!?」
ミミコ(巫女 みこ)「何!?何!?」
ママ「あなたはいくら若く見えても今年で40歳」
パパ(宮司 ぐうじ)「わしらは75歳じゃ・・・」
ママ「自分の子供だって諦めていた私達がね」
パパ(宮司 ぐうじ)「孫の顔が見たいと願うのはおこがましい事じゃろう?」
パパ(宮司 ぐうじ)「だから今まで何も言わずにきたのじゃが・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「え!?え!?」
ママ「だからね・・・」
ママ「きっとこの赤ちゃんは神様が与えてくれた」
「孫ちゃんなんだー!」
ミミコ(巫女 みこ)「イヤイヤ!! んな訳ないだろ!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「だってお前はボーイフレンドも居ない引きこもりニートじゃろ?」
ミミコ(巫女 みこ)「境内で英語を使うな!」
ミミコ(巫女 みこ)「ニートじゃないじゃん! 巫女として手伝ってるじゃん!」
パパ(宮司 ぐうじ)「どーせ巫女のコスプレしたいだけじゃろ?」
ミミコ(巫女 みこ)「んな訳あるか!」
ミミコ(巫女 みこ)「もー!かまってらんない! 早く警察に電話電話!」

〇広い和室
パパ(宮司 ぐうじ)「何じゃ!?」
ママ「誰かしら!?」
ミミコ(巫女 みこ)「赤ちゃんを置いてったお母さんが思い返して戻って来たんじゃないの!?」
「そんなー!」
ミミコ(巫女 みこ)「はい!はい! どちら様ですかー!?」

〇ボロい家の玄関
増毛(ましけ)研究員「すみません ちょっとお尋ねしたい事がありまして・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「はい!? えーと・・・どちら様ですか?」
増毛(ましけ)研究員「あの 私こういう者でして・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「国際理化学人工知能研究所?」
増毛(ましけ)研究員「そこの研究員の増毛と言います」
ミミコ(巫女 みこ)(え・・・!?)
ミミコ(巫女 みこ)(どうして!?)
ミミコ(巫女 みこ)(毛が無いのに増毛!?)
ミミコ(巫女 みこ)(イヤイヤ! そこじゃ無くて!)
ミミコ(巫女 みこ)「国際理化学人工知能研究所の方がうちに何のご用ですか?」
増毛(ましけ)研究員「ええと 非常に申し上げにくいのですが・・・」
増毛(ましけ)研究員「こちらの境内で赤ちゃんを見かけませんでしたか?」
ミミコ(巫女 みこ)「え・・・!?」
ミミコ(巫女 みこ)「なぜそれを!?」
増毛(ましけ)研究員「ああ! 良かった! あなたが預かってくれたんですか!?」
増毛(ましけ)研究員(良かった良かった! 急に尿意をもよおしちゃって階段にうっかり置いてきたなんて所長にバレたらもう大変・・・)
ミミコ(巫女 みこ)「いや、その、えーと!」
パパ(宮司 ぐうじ)「嫌じゃー!」
ママ「孫ちゃんを連れて行かないでー!」
増毛(ましけ)研究員「わぁ! なんですか急に!?」
パパ(宮司 ぐうじ)「うぅ!うぅ! やっとわしらに孫が出来たと思ったんじゃ」
ママ「神様が孫ちゃんを与えてくれたと思ったの!」
増毛(ましけ)研究員「えー!?」
増毛(ましけ)研究員「あの、あの・・・ あの子は普通の子では無くてでして・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「もー!ちょっと!? 2人共良い加減にして!」
ミミコ(巫女 みこ)「すみません! とりあえず中に入ってお話ししましょう!」
ママ「そうね!そうよね! さぁさぁ中へどうぞ!」

〇広い和室
増毛(ましけ)研究員「・・・えーと 早くその子を返してもらえないでしょうか?」
増毛(ましけ)研究員「もうそろそろ時間が・・・」
パパ(宮司 ぐうじ)「すみません、あと少しだけ」
ママ「孫を抱く喜びを味合わせて下さい」
パパ(宮司 ぐうじ)「お願いします!」
パパ(宮司 ぐうじ)「毛無しさん!」
増毛(ましけ)研究員「・・・増毛です!」
パパ(宮司 ぐうじ)「おっと失礼しました」
増毛(ましけ)研究員(あなたには言われたく無いよ!)
増毛(ましけ)研究員(しかし早く連れて行かないとバレちゃうよ!)
増毛(ましけ)研究員「・・・すみません もうそろそろ良いですか?」

〇広い和室
パパ(宮司 ぐうじ)「何じゃ!」
ママ「孫ちゃんが急に大きくなったわ!」
増毛(ましけ)研究員「あー! 遅かった!」
ミミコ(巫女 みこ)「何!? どーいう事!?」
増毛(ましけ)研究員「だからこの子は普通の子じゃ無いって・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「え!?どういう事!?」
増毛(ましけ)研究員「この子は私どもの研究所で作った人工知能(AI)ロボットなんです」
ミミコ(巫女 みこ)「マジ!?」
増毛(ましけ)研究員「赤ん坊の時期を短くして、 今日5歳児まで成長するように設定していたんです」
ミミコ(巫女 みこ)「へー! 今の技術ってすごいんだね!」
増毛(ましけ)研究員(え!? 受け入れ早っ!)
メル(AI)「ママー! このおじいちゃん怖いー!」
ミミコ(巫女 みこ)「え!?ママ!?」
増毛(ましけ)研究員(まずい! 刷り込み現象が始まってしまった!)
増毛(ましけ)研究員「このAIは最初に見た人を母親と思い込むように設定してありまして・・・」
ミミコ(巫女 みこ)「ママってもしかして私の事言ってるー!?」
増毛(ましけ)研究員(まずい! こっちも母性芽生えちゃってる!)
メル(AI)「メルあっちで遊びたい!」
ミミコ(巫女 みこ)「良いわよ!良いわよ!」
ミミコ(巫女 みこ)「ママと一緒にむこうで遊びましょう!」
増毛(ましけ)研究員「はぁ」
パパ(宮司 ぐうじ)「これはもううちで預かるしかないようじゃのう?」
増毛(ましけ)研究員(こっちも受け入れるの早っ!)
ママ「ね!毛無しさん!」
増毛(ましけ)研究員「・・・増毛です!!」
ママ「あら、やだ! どうしましょ!」
増毛(ましけ)研究員(あんたらわざとだろう・・・)

〇祈祷場
  こうして古びた我が家(神社)に
  とても可愛いAIロボットの家族が増えたのでした
パパ(宮司 ぐうじ)「はらいたまえ きよめたまえ」
  もちろんメルがAIだという事は秘密で
  世間には私の子供っだって事にしています
  未婚の巫女ママ
  ミミコです!
  なんて!てへ!
パパ(宮司 ぐうじ)「うむ!見えたぞ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「大丈夫じゃ! おぬしはとても元気な男の子を産みますぞ!」
祈祷者1「なんで男の子だってわかったの!?」
  それとメルにはとてもすごい力があって
パパ(宮司 ぐうじ)「ふむふむ 急にご主人に先立たれて大変じゃっただろう?」
  なんとテレパシーを使って
パパ(宮司 ぐうじ)「フォッフォッフォッ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「わしには全てお見通しじゃ!」
  祈祷者の心の中と近未来を読み取り
祈祷者1「初めての出産でとても不安だったけど安心しました!」
  パパ(宮司)に伝える事が出来るのだ
パパ(宮司 ぐうじ)「日頃より厳しい修行を積むと 神よりこのような力を授かるのじゃ!」
パパ(宮司 ぐうじ)「フォッフォッフォッ!」
ミミコ(巫女 みこ)「よく言うわ! 何もしてないくせに!」
増毛(ましけ)研究員(見てられない!)

〇古びた神社
  増毛さんは研究中のAIを持ち出したという事で
  所長にこっぴどく叱られ
メル(AI)「おじいちゃんまた来たのー?」
  責任持って監視するように言われたらしく
  毎日のようにメルの様子を見に来ています
  そして
祈祷者2「あの、すみません・・・」
  うちの神社はというと
  願いを叶えてくれる宮司がいるという事で噂になり
祈祷者2「俺取り返しのつかない事をしてしまって・・・」
  今日もまた1人
  訳ありの祈祷者を迎え入れるのでした・・・

〇古びた神社

〇黒

コメント

  • 神社とAIの取り合わせって斬新なアイデアですね。どちらも悩める人間を救う存在だという共通点があるのかな。それにしても増毛さんが毛無さんになるなんて、神も仏もないよ。メルちゃんの力でどうにかなりますように。

  • 神社って堅苦しいイメージだったけど、お父さんと娘のやり取りが面白くて笑ってしまいました😂
    そして増毛さん、名前とヘアスタイルのギャップすご!って思っていたら、登場人物皆さんそう思っていたのでホッとしました😂

  • 地文や説明が入ってないのに、続きが気になるエピソードでした。

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