妖気な家族

アシッドジャム

エピソード1 妖気な晩餐(脚本)

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〇実家の居間
聖 洋介(ひじり ようすけ)「ただいま!」
聖 ビビ(ひじり びび)「おかえりなさい! お父さん!」
  ここにいるのはよくいる普通の四人家族
  しかしこの家族には
  少しばかり変わったところがあるようです
聖 ビビ(ひじり びび)「お父さん今日は見つけた?」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「今日も会社で発見したぞ!」
聖 小豆(ひじり あずき)「どんなの?」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「それはな・・・」

〇オフィスのフロア
  それは別の部署の前を通りかかった時だったよ
  ちょっと気になって観察してたら気づいちゃったんだ
  この部署の部長であるナガラ部長が
  妖怪だっていう事に!
ナガラ部長「ああ、忙しいなー本当にもう本当に」
  なんて独り言をぶつぶつ言いながら
  デスクの上のペン入れにさしてあるボールペンをとってデスクにしまっていたんだ
  そしてまたそのペンをデスクの引き出しから取り出してペン入れにさしている
  ずっとそれを繰り返していたんだ!

〇実家の居間
聖 ビビ(ひじり びび)「それは間違いなく」
聖 小豆(ひじり あずき)「妖怪だね!」
聖 星子(ひじり せいこ)「なんていう名前の妖怪かしら?」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「そうだね〜 仕事もしないで忙しいフリをしてボールペンの移動ばかりしているからな〜」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「「妖怪サボりペンころがし」はどうかな?」
聖 小豆(ひじり あずき)「いいね!」
聖 星子(ひじり せいこ)「それで決まりね!」
にゃーす(しかしこの父も仕事しないでそんなもんばっかり見つけてくるな・・・)
聖 ビビ(ひじり びび)「わたしも今日学校で妖怪見つけたんだ!」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「おお!どんな妖怪だい?」
聖 星子(ひじり せいこ)「さぁさぁ!そろそろ晩御飯にしましょう! わたしも今日見つけたから、ご飯の後で発表会ね!」
聖 ビビ(ひじり びび)「わーい!」

〇大きな一軒家
  実はこの一家
  世間に紛れる妖怪を見つけることが大好きな妖気な家族だったのです

〇実家の居間
聖 洋介(ひじり ようすけ)「ごちそうさま! やっぱりお母さんの料理は美味しいね!」
聖 星子(ひじり せいこ)「ありがとう! そういえばこの食材を買ったときに妖怪を見つけたんだったわ」
聖 ビビ(ひじり びび)「どんな妖怪?」
聖 星子(ひじり せいこ)「それはね・・・」

〇スーパーの店内
  晩ごはんの材料を買いにスーパーへ行った時のことよ
「さぁさぁ美味しいお肉が大特価だよ!」
「試食してってちょうだいな!」
聖 星子(ひじり せいこ)(あら!美味しそうね!)
  美味しそうなステーキの試食をやっていたの
おばさん「どれどれ、本当に美味しいのかね〜 試食させてもらうわよ」
  そう言っておばさんは試食をしたわ
おばさん「ふん!大した事ないわね!」
  そう言っておばさんはどこかへ行ったのよ
聖 星子(ひじり せいこ)「わたしも試食させてもらいますね」
聖 星子(ひじり せいこ)「まぁ美味しい! 一つもらうわ!」
  さっきのおばさんはあんな事言っていたけど、とても美味しかったし安かったから買ったのよ
  それから他の食材を見ていたらまたさっきのおばさんがいたの
おばさん「試食させてもらうわよ!」
  そう言って今度はウインナーの試食をしてたわ
おばさん「ふん! 大したことないわね!」
  また食べるだけ食べて買わずに行ってしまったの
  しばらく観察してたんだけど
  おばさんはスーパーにある試食を全部回ってたのよ!
  買わないで何周も試食をして回っていたわ
  しかも一周ごとに顔の表情を変えてた。
  最終的にはとんでもない変顔になっていたわ
  おそらく顔の表情を変えて別人のふりをしようとしてたのよ
  文句を言いながら試食を繰り返して結局試食コーナーに用意されていた食材を全部食べてたのよ!
  でも誰もそのおばさんに文句を言っていなかったの。いえ、言えなかったのね
  おばさんは変顔のし過ぎで顔が鬼のようになっていたから、
  怖くて何も言えなかったのね、きっと
  最終的に試食とは何も関係がない玉ねぎだけ買って帰って行ったわ

〇実家の居間
聖 洋介(ひじり ようすけ)「なるほど! それは間違いなく妖怪だ!」
聖 星子(ひじり せいこ)「でも名前をどうしようかしら?」
聖 小豆(ひじり あずき)「「妖怪試食荒らし」はどうかな?」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「うーん、それだと鬼の要素が入ってないかな〜」
聖 星子(ひじり せいこ)「そうね〜」
にゃーす(毎回名前にこだわるよな〜)
聖 小豆(ひじり あずき)「それなら「妖怪試食鬼(ししょっき)」はどうかな?」
聖 洋介(ひじり ようすけ)「いいね! 妖怪っぽい! 試食の時の食器ともかかってたり なんか荒らしそうな雰囲気も出てるよ!」
にゃーす(まぁ頭に妖怪ってつけときゃ大抵は妖怪っぽくなるけどな)
聖 洋介(ひじり ようすけ)「公式になった場合にやっぱり名前は重要だからね!」
にゃーす(公式ってなんだよ?)
聖 ビビ(ひじり びび)「今度はわたしが見つけた妖怪の話ね!」
聖 小豆(ひじり あずき)「わたしも学校で見つけたよ!」
にゃーす(毎日毎日よく見つけてくるよな。 この家族が妖怪を見つける妖怪みたいだよな・・・)

〇大きな一軒家
  こうして今夜も妖気な家族の妖怪談義は続いていきました
にゃーす(やれやれ)
  つづく
にゃーす(続くのかよ・・・)

コメント

  • そう考えると、おじさんおばさんを中心に世の中には無尽蔵に妖怪がいますね。むしろ妖怪じゃない人なんていないんじゃないかな。にゃーすのツッコミがあってこそ成立する陽気で妖気な家族ですね。

  • にゃーすの心の声が可愛すぎて癒されました。
    そしてにゃーすの言っていたように
    この家族が妖怪を見つける妖怪って言うのは
    中盤あたりから私も思っていました😂
    試食のおばさんが何買うかまで観察してるあたりが徹底してるなあと思いました😂

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