エピソード1(脚本)
〇神社の石段
雨の中・・・
この子は1人だった。
よつき「おねえさん。 一緒に行ってもいい?」
輝夜「あらっ、奇遇ね。 私も来て欲しいと思ってた」
輝夜「上のとこで、お参りしましょう?」
〇岩山の崖
この手を離したら、この人は死ぬ・・・
平岡透「手を、、手を、離すなよ???」
私が・・・あなたの生きるか死ぬかを握ってる・・・
夜月「ふふっ・・・それはどうかしら?」
夜月「この感覚、堪んない・・・ふふ」
平岡透「いやぁぁぁぁぁぁぁぉぁ!?」
夜月「大丈夫。 あなたは家族をうしなうだけ」
〇おしゃれなリビングダイニング
『錆寂』の一室
唯音「夜先輩!! 男は、私が助けときましたよ?」
唯音「意識不明でしたけど・・・」
〇岩山の崖
5時間前・・・
唯音「というか、大五郎先輩、久しぶりっすね・・・」
大五郎「あぁ、そうだな」
唯音「うわぁ、これ生きてんっすかね?」
水の中を覗き込む唯音。
大五郎「時間がねぇ、早く飛び込め」
唯音は水に入ると
唯音(水形態)「扱い雑くないですか?」
この人魚風な感じになる。
大五郎「知らねぇけど・・・」
唯音(水形態)「というか、大五郎ぱいせんは潜るんですか?」
大五郎「潜らん」
唯音(水形態)「こんなに可愛い唯音が 潜ってると言うのに、、!?」
大五郎「俺は命助ける専門だ・・・ 遺体かわかんねぇけども・・・早く行け」
大五郎「それ、ガスボンベ、」
大五郎「あとヒモだな・・・俺がひっぱりあげるために」
大五郎「釣竿に紐をつけといてっから、」
大五郎「ファイトだ」
水形態の唯音は水には強いが、かと言って死なないという訳では無いので
ガスボンベが必要だ。
大五郎「結構、時間かかるか」
大五郎「いちお、網は張っておいたんだがな・・・」
唯音(水形態)「ぷは~」
唯音(水形態)「いた!!!!」
〇おしゃれなリビングダイニング
夜月「悪かったわね、唯音」
夜月「よく頑張ったわ、ご褒美よ」
唯音「わ~い♡♡♡」
夜月「ちょろ・・・」
荒谷川絵「お二方!」
荒谷川絵「ご飯出来ましたよ~」
唯音「うわぁ、川絵ちゃんの料理まってったぁ! お腹ぺこぺこだよ~」
夜月「川絵、これからの人生を一緒に歩んでいきましょう」
唯音「大丈夫・・・だとおもう!」
荒谷川絵「はい! こちらこそ、いて欲しいです、」
荒谷川絵「冷めないうちに食べましょう!」
夜月「ありがと。頂くわ」
「いただきます!」
〇岩山の崖
10日前のこと・・・
荒谷川絵「なんか、死ぬんだとしたら、こういうとこかなって思うんだけど」
荒谷川絵「わん吉、どう思う?」
裏声でぬいぐるみの声を演じる川絵。
荒谷川絵「🧸これは刑事ドラマの定番だよね??」
荒谷川絵「遺書と靴を脱いで置いて・・・飛び降りるのよね、?」
荒谷川絵「わん吉も付いてく?」
荒谷川絵「🧸川絵を置いて、生きてもなぁ・・・」
荒谷川絵「いや、でもわん吉だけでも生きて!!」
唯音「えっとっととと??」
夜月「死のうとしてるわね」
唯音「ええ?そんなハッキリと?」
夜月「でもなんか・・・呑気よね・・・」
唯音「ぬいぐるみさんと、喋ってる?」
唯音「お姉さん!!!! 夜姉ぇ、ちょっと行ってくる!」
夜月「あっ!待ちなさい。唯音ったら」
〇岩山の崖
唯音「お姉さん!!初めまして! ぬいぐるみ、めっちゃ可愛いですね!!」
唯音「なんて言うお名前ですか?」
荒谷川絵「🧸わん吉ですドヤっ」
ぬいぐるみで顔を隠しながら・・・
ぬいぐるみの手を動かして、カッコつけたようなポーズにする川絵。
唯音「ふふ・・・可愛い!」
唯音(お姉さんの名前を聞いたんだけどな・・・ 死ぬとは思えない・・・)
唯音「お姉さんのお名前は?」
荒谷川絵「えっ・・・ 私ここに飛び込もうとしてて・・・」
荒谷川絵「死ぬ前に名乗ってもな・・・ははっ・・・意味無いでしょ?それじゃあ・・・」
唯音「待って!」
飛び込もうとした川絵の前に立つ唯音。
唯音「じゃあ、私と一緒に飛び込みます??」
唯音「せ~の!」
〇岩山の崖
唯音(水形態)「お姉さん、起きてください!」
荒谷川絵「えっ・・・と、、死んでない?」
荒谷川絵(混乱が凄い・・・)
荒谷川絵「ちょっと待って?同一人物?」
唯音(水形態)「はい!唯音です! 私水への飛び込みの時、変わってしまうんです体と顔・・・」
唯音(水形態)「おかしなからだですエッヘン!」
唯音(水形態)「水陸両用みたいな・・・」
唯音(水形態)「川絵さん、びしょびしょ・・・」
荒谷川絵「怖かったです・・・」
唯音(水形態)「ぎゅーします! 川絵さん、よく頑張った、!」
水の中でハグしながら川絵の背中をさする唯音。
唯音(水形態)「わん吉さんも一緒に乾かしましょう!」
唯音(水形態)「旅行で来たので、良かったら一緒に来てください!」
〇旅館の和室
夜月「唯音!なんであんな無茶するの?」
夜月「この人が死んだらどうするつもり?」
唯音「ごめんなさい・・・」
荒谷川絵「ヘックション!!」
夜月「ほら、みなさい?」
タオルで川絵の体をふく唯音。
荒谷川絵「なんか生きてるって感じがします」
「・・・・・・」
「(夜)ふふふ (唯)あっははっ!!! (川)えへへ・・・」
唯音「お姉さん、面白いよ~」
夜月「唯音は、こんなやつだけど、優しいから」
唯音「姉ちゃん、分かってんじゃ~ん??」
唯音「あなたは・・・死ぬ価値がない!!」
唯音「って思ったの」
唯音「顔、見てわかった。 だから、バカバカしいって思って欲しかった」
唯音「死ぬ前にさ、」
唯音「あなたを苦しめたひとに 生きる苦しみ 死ぬ苦しみ」
唯音「両方、与えてみない??」
唯音「って、提案したくてさ!」
夜月「名案だけど」
夜月「あなたの意志を尊重するつもりだから」
〇旅館の和室
荒谷川絵「あなた達は?」
「姉妹です!!」
荒谷川絵「でも、あなた達に無理はさせられない!」
唯音「じゃあ何か頂いちゃう?」
夜月「唯音?」
唯音「すみませ~ん」
唯音「私たちが頂きたいもの、一つだけある!」
荒谷川絵「なんですか?」
〇旅館の和室
荒谷川絵「家族。?」
唯音「偽物の家族だけどね」
夜月「何かの時、私たちを助けて欲しいの」
唯音「こういうことしてるとピンチがさ、 やっぱりつきものなんだ…あはは!」
夜月「ボランティア?だけど」
唯音「こんなこと・・・あや・・・」
唯音の言葉を遮るように、川絵は話始める。
荒谷川絵「私、」
荒谷川絵「裏切られたんです」
荒谷川絵「共同経営してた会社、軌道に乗ってきてたんです。」
荒谷川絵「私は大丈夫だって思えた。 やってきたこと報われた日が来たって」
荒谷川絵「だけど、部下で婚約者だった彼に」
荒谷川絵「おかねを着服されてました・・・」
荒谷川絵「あの時は笑うしかなかったなぁ」
荒谷川絵「そんなことも気づけない女なんです」
川絵が突然口を開いたことに隠せないふたり・・・
夜月「えっと・・・聞いちゃって良かったのかしら?」
唯音「こんな短時間で心開いてくれたの?」
荒谷川絵「あっ!えっと・・・」
荒谷川絵「えっと、もう家族ですから・・・!!!」
(警戒心がない・・・!!!)
夜月「依頼することでよろしいのかしらね?」
荒谷川絵「はい!!こっぱみじんにお願いします!!」
唯音「容赦ないね・・・(笑)」
「ようこそ。 「錆寂」へ!」
〇旅館の和室
輝夜「夜月」
輝夜「唯音」
輝夜「あなた達を2人だけにしてしまって申し訳ないわね」
唯音「いいえ!楽しいです!!」
唯音「夜パイセンには本当にお姉ちゃんみたいに甘えられるから」
夜月「唯音はおっちょこちょいで何しでかすかハラハラさせられるけれど」
夜月「優しい心がみんなを救えているのだと思う」
「輝夜ねぇ様」
輝夜「本当はあなたたちと暮らしたい・・・」
輝夜「でも、あなたたちを守るためには」
輝夜「(小声で)難しい・・・」
〇病室
透の病室
病室にピッピッピッと鳴り響く
「透?」
平岡透「誰・・・ですか?」
「・・・・・・」
透の病室の外で、大五郎と川絵は覗いて見ていた。
大五郎「心を失ったよ」
大五郎「記憶が無くなって こいつはどうなんのかね・・・」
〇旅館の和室
輝夜の部屋にて
大五郎「今日も輝夜様のために・・・」
輝夜「ふふ」
輝夜(ちょろ・・・)
大五郎「大五郎さんって呼んでくれないかい?」
大五郎の胸の辺りの襟を掴み、顔を近づけながら、輝夜は言う。
大五郎「えっ・・・えっと」
輝夜「私の可愛い可愛い唯音を突き落としたとか、、」
輝夜「許しません」
輝夜「名前呼びはなしです」
大五郎(近かった・・・!!)
大五郎「あぁ、私は、 今日も近くで輝夜様を見られるだけで幸せです・・・」
そう、こんなおかしな4人たち
輝夜が集めた、唯音、夜月、大五郎で
家族として、世の復讐代行業者を
しているというわけ。
唯音「ええ・・・私はおかしくないと思うけどな~」
唯音「こんな私たちだけど、ちゃんとしごでき(※仕事は出来る)ではあるよ??」
〇古びた神社
ゆいね「おいていかれたんだ」
ゆいね「お参りして・・・トイレ行って来るって言って・・・」
ゆいね「ははは・・・」
泣きじゃくりながら無理くり笑おうとする唯音。
神社に唯音の鳴き声が響く。
よつき「またいたよ」
輝夜「ね・・・」
輝夜(かわいい)
輝夜「あなたのお名前は?」
ゆいね「ゆいね・・・です」
輝夜「3人でお参りしましょうよ?」
ゆいね「トイレ行くって言わない??」
輝夜「ふふ、どうして? あっ・・・」
輝夜「じゃあこれからはゆいねが先に入る」
輝夜「私がゆいねを待っててあげる」
輝夜「それで安心でしょう?」
〇旅館の和室
輝夜「だから、私は、あなたの言うことに従うだけなのよ」
〇古びた神社
ゆいね「じゃあ!やくそく!」
輝夜「あら?何かしら?」
ゆいね「私の家族になってよ。 おねぇさん!」
「夜月と輝月の出会い」と「二人と唯音の出会い」のシーンがなんとも切ないですね。明るく振る舞う唯音ちゃんにもそんな過去があったんだ。それぞれに闇を抱えた人たちが集まった擬似家族の必殺仕事人。彼女たちの今後の仕事ぶり(復讐方法)に興味が湧きました。
川絵さんの話を聞いているとすごい悲しくて胸が痛みました😢
世の中、卑怯なことする人がいるんですね。
ぬいぐるみに話しかけながら自殺しようとしていたなんて、とても辛くて追い込まれていたんですね。
でもこれからは家族が出来て、寂しくないし幸せになって欲しいです。