~始まり~(脚本)
〇殺風景な部屋
あおい「あの・・・!大丈夫ですか?起きてください!大丈夫ですか?」
かなで「う・・・うーん・・・」
あおい「助けてください!お願いします!」
かなで「(誰かの声が遠く聞こえる・・・。う・・・っ、頭が痛い・・・!)」
あおい「起きて!早く・・・っ!!」
かなで「はっ・・・! こ・・・ここは?一体・・・?」
かなで「(酷い頭痛の彼方から意識を取り戻せば真っ暗な部屋の中)」
かなで「(目の前には大きなモニターが置かれ、向こう側の人影が必死にこちらと繋がるモニターを叩きながら助けを呼んでいた)」
かなで「き・・・君は?」
あおい「!!!? やっと起きてくれた・・・!!私の名前はあおいです!そんな事より助けてくれませんか・・・!」
かなで「た・・・助ける?何をいきなり?」
あおい「これ・・・!これ見てください!ここから毒ガスが出てるんです・・・!!」
かなで「毒ガス・・・?」
あおい「はいっ、この天井から出てる煙が見えますか?これが充満してしまうと私、死んじゃうんです!」
あおい「だからっ、お願いします!助けてください!」
かなで「・・・は?いやっ、いきなりそんな事を言われても!」
あおい「こんな事・・・!こんな事、今知り合ったばかりの人にお願いするのは、確かにおかしいとは思います!」
かなで「お、おかしくはないけど・・・!落ち着いて!えっと・・・あおい、さん?」
あおい「はい・・・」
かなで「自分はえっと・・・かなで・・・と言います!あの、なんでそんな所に居るのですか?」
あおい「それは・・・分かりません!気が付いたらここに閉じ込められていて・・・。 かなで、さんは・・・何か思い出せますか?」
かなで「え・・・っ。そ、そういえば名前以外何も思い出せない・・・」
あおい「私も同じです!同じなんです!だからっ、助けてください!」
かなで「えええ・・・っ、そんな・・・!一体どうすれば・・・」
あおい「私が死んでもいいのですか!?今、アナタの目の前にある黒いボタンを押してくれるだけでいいんです!」
かなで「黒い・・・ボタン?」
あおい「はいっ!思い切り!思い切り押してください!早くっ、今すぐ!急いで!!」
かなで「こ、これ・・・?あのっ、でも、どうしてこれを押して助かるって知ってるのですか?」
あおい「そ、それは・・・!」
かなで「あの・・・、あおいさんの後ろにも大きなモニターがあるのですか・・・、それは動かないのですか?助けを呼んだりとか・・・」
あおい「これは!もうっ、壊れてるんです!!だから、助けを呼ぶのは無理!」
かなで「えっ、な、なんでそんな事が分かるのですか?」
あおい「・・・っ、あぁぁあっっーー!!」
かなで「────!?!?」
あおい「もうっ、まどろっこしいなぁ!!いいからっ、早く押せよ、おらぁっ!」
あおい「この毒ガスが見えねぇのか!お前が早く押さないと死んじまうんだよ!」
かなで「そ、そんなにモニターを叩かないでください!画面が割れてしまう・・・!」
あおい「ゔぁ・・・っ、・・・はぁ・・・はぁ・・・、息が・・・っ!」
かなで「大丈夫ですか・・・!?」
あおい「これが大丈夫に見えんのか! 早くっ、押せよ!!いいか?一気に押すんだぞ・・・!」
かなで「でもっ、これで助かるかどうかなんて・・・っ、何が起こるか分からないのに!」
――― かなでの指が少しだけ黒いボタンに触れた途端、部屋の天井からガスが噴き出しモニターの中のガスが少しの間止まる。
かなで「!? ゆ、指がボタンに触れた途端・・・なんでこっちの部屋にガスが・・・!」
あおい「くそがっ、気付きやがった・・・!だからっ、一気に押せって言っただろう!」
――― 黒いボタンから咄嗟に手を離すと噴き出していたガスが止まり、またモニター越しにガスが噴き出す。
あおい「ぐぁ・・・っ、て、めぇ・・・!押すの止めやがったな・・・!」
かなで「も、もしかして・・・!」
あおい「そうだよ・・・、そのボタンを押せばこっちのガスは止まるが、そっちの部屋のガスが噴き出す・・・」
かなで「な、なんてことを!」
あおい「なんてことを、だぁ?どうせお前も人殺しだろうが!これはお偉いさん方が考えた新しい死刑執行法だ」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)
まさに悪魔のアイデアによる悪魔の死刑執行法ですね。モニターが地獄と地獄をつなぐ数珠つなぎの小窓のようで、想像しただけで戦慄が走りました。フルボイスで試聴したいような怖いような・・。
映像があるとまた一味違う感じになってo((*^▽^*))o
モニター大好きですー💕
たくあーーん(๑´ω`ノノ゙✧
ゲームのアレっぽくて面白いですね!