夜の彼

星野栞

夜にさまよう Ⅵ(脚本)

夜の彼

星野栞

今すぐ読む

夜の彼
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇怪しい部屋
  ついに彼が・・・・・・
  わたくしが棲むこの屋敷に彼がやって来たのです
  この時を、この瞬間をどれほど待ち望んでいたことでしょう
  どれほど夢見たことでしょう
  部屋を出て、彼を迎えるために、わたくしは急いで玄関ホールへ向かいました

〇洋館の廊下
  彼に会ったら何と言おう
  何を話そう
  ああ、胸が苦しい
  苦しくてたまらない!
  明かりが見えました
  家の中に人がいる
  ライトを持って立っている
  あたりを照らしている
  きっと彼だ
  彼に違いない
  わたくしは急に怖くなりました
  彼に会うのが
  彼と顔を合わせるのが怖くなりました
  怖気付いたわたくしは
  こっそり二階へ戻りました
  階下で彼が歩き回っている気配がいたします
  屋敷の中を探索しているようです
  一階の探索を終えたら二階へ上がってくるでしょう
  
  わたくしがいる二階へ・・・・・・
  足音を立てないように
  彼に気づかれないように
  そうっと自分の部屋に戻ります

〇怪しい部屋
  自分の部屋で彼を待つ
  彼がやってくるのを待つことにいたしました
  物音が
  階段を上がってくる物音が
  ああ。彼だ
  彼が二階へやってきました
  もうすぐ。
  もうすぐ会える

成分キーワード

ページTOPへ