バレンタインdeキッス

尾長イルカ

前編(脚本)

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尾長イルカ

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〇大きな木のある校舎
旺太(おうた)「💖💖💖💖」
旺太(おうた)「決めた 決めたぞ!!」
旺太(おうた)「バレンタインにチョコもらう!!」
浩(ひろし)「誰に?」
旺太(おうた)「今日 転校してきたアイツ」
  チョコもらってみせる❤️❤️
旺太(おうた)「よう転校生! 俺は旺太ってんだ 君は?」
彩心(いろは)「かえで いろは」
旺太(おうた)「いろはにほへと?」
彩心(いろは)「彩る心と書いて いろは」
旺太(おうた)「いい名前だな お 俺・・・」
彩心(いろは)「どうして血圧が上がっている?」
旺太(おうた)「え??」

〇電脳空間
「心拍数が高い 呼吸も速い」
「脈拍 血圧 呼吸 体温 バイタルサインがすべて上昇している」
旺太(おうた)「バ バイタル?」

〇大きな木のある校舎
彩心(いろは)「熱があるのか? 病気なのか?」
旺太(おうた)「病気なんて俺は ゴホゴホ」
彩心(いろは)「インフルエンザ? それとも・・・」
クラスメイト「はやりのコロ・・・? マズいじゃん」
旺太(おうた)「咳じゃない むせただけだ」
彩心(いろは)「保健室へ行こう」
旺太(おうた)「な なんで?」
彩心(いろは)「熱があるようだ」
  額に手を当てる
  さわられて 旺太の体温は急上昇した
彩心(いろは)「体温が急激に上昇 心拍数も高い 隔離が必要だ」
旺太(おうた)「俺は病人じゃねぇ!!」
  保健室に連れて行かれる旺太
初恵(はつえ)「旺太 病気だったの?」
クラスメイト「はやりのアレよ!」
浩(ひろし)「ちがうよ もっとヤバいやつ」
初恵(はつえ)「なに? もっとヤバいって」
浩(ひろし)「医者も治せない病だよ」
初恵(はつえ)「え 難病じゃない タイヘン」

〇保健室
彩心(いろは)「先生 病人です」

〇電脳空間
旺太(おうた)「病人じゃねーよ!」
「心拍数が高い  熱のせいか 顔が真っ赤だ」

〇保健室
学校保健師「ハハーン たしかに真っ赤ね」
彩心(いろは)「なぜ笑う?」
学校保健師「「お医者様でも草津の湯でも 恋の病は治りゃせぬ」ってね ちょっと古いかしら?」
旺太(おうた)「ほ ほっといてくれよ」
学校保健師「あははは」
彩心(いろは)「恋の病? そんな病名は初めて聞いた」
彩心(いろは)「医学データベースにはなかった」
学校保健師「原因はあなたね」
彩心(いろは)「私? 何故だ?」
旺太(おうた)「だから ほっといてくれって」
学校保健師「恋の病はね 体がジンジン熱くなるの」
学校保健師「あなたの手は?」
  彩心の手をさわる保健師
学校保健師「アラ 冷たい! 残念・・・」
学校保健師「どうやら脈なしね」
旺太(おうた)「うるせーよ・・・」
彩心(いろは)「人間とはおかしなものだな」
  立ち去る彩心
旺太(おうた)「ちょっと待てよ💦」
学校保健師「あなたは寝てなさい」
  体温計を旺太の口に突っ込む
学校保健師「のぼせてるようね」
学校保健師「落ち着いてから 教室に戻って」
旺太(おうた)「畜生 恥かかせやがって! チョコなんかじゃ済まないぜ 覚悟しろ!!」
  お気づきだろうか 彩心はロボットだ
  しかし旺太は まだ知らない
旺太(おうた)「やってやる キスなんて軽いもんじゃない キッスだキッス ぶちゅっと バレンタインキッスだ~」
  まだロボットだと知らない・・・

〇教室
初恵(はつえ)「お願いがあるの」
彩心(いろは)「?」
初恵(はつえ)「これを旺太に渡して 難病でしょ? お見舞い」
彩心(いろは)「なぜ自分で渡さない?」
初恵(はつえ)「幼馴染からチョコなんて・・・ きっと嫌がるよ」
彩心(いろは)「バレンタイン関連か?」
彩心(いろは)「日本のバレンタインデーは海外と違い 女性が男性にチョコレートを渡し 愛の告白をする日・・・」
彩心(いろは)「起源は昭和11年説 33年説 35年説 諸説あり チョコレート年間消費量の約20%を バレンタインデーに消費される」
初恵(はつえ)「なんか AIみたいね彩心ちゃん」
彩心(いろは)「AIというより サイバネティック・オートマトン・エンバイロンメンタリー・フレンド──」
初恵(はつえ)「わかったわかった!! とにかくスゴイ!!」
初恵(はつえ)「コレ義理だからね 勘違いしないで 義理 義理!!」

〇電脳空間
「心拍数が上がっている」
初恵(はつえ)「え!」
「血圧 体温 バイタルサインが急上昇」
「旺太と同じ反応だな」

〇教室
彩心(いろは)「お前も恋の病か?」
初恵(はつえ)「そそそ そんなわけないじゃない! なに言ってんの バカみたい!!」

〇電脳空間
初恵(はつえ)「本当 彩心ちゃんって おかしな子!」
「心拍数と体温がどんどん上がってるぞ」

〇教室
彩心(いろは)「なぜ好きなのに 好きでない振りをする?」
初恵(はつえ)「・・・・・・」
彩心(いろは)「なぜ嘘をつく?」
彩心(いろは)「人間とは わからない生き物だ」
初恵(はつえ)「なに言ってんのよ あなただって人間でしょ 変な子!!」
彩心(いろは)「私はサイバネティック・オートマトン・エンバイロンメンタリー・フレンド──」
彩心(いろは)「行ってしまった」

〇怪しい研究所
博士「お帰り彩心 友達できたか?」
彩心(いろは)「友達とは 互いに心を許し合い 対等に交わっている人 一緒に遊んだり 話したりする親しい人 友人 朋友または──」
博士「アー もういい もういい」
博士「お前は経験学習型ロボットだ」
博士「将来 介護用ロボットとして働くため 人間の感情を知ってほしいんだ」
博士「だから学校に入れた」
博士「介護は肉体的な補助だけでなく 精神的にもフォローする必要がある」
博士「だから人間の心と感情を 学んでほしい」
博士「友達ができたら 人の心が 分かるだろう」
博士「将来の介護に きっと役立つ」
彩心(いろは)「博士 恋の病とは何だ?」
博士「恋の病? 難しいなぁ・・・」
博士「それが分かれば 私もこの歳で独身じゃないだろうが・・・」
博士「いやぁ 女性心理は永遠の謎だ 電子工学やメカトロニクスより 難問だぞ」
博士「解明すればノーベル賞だ なにより結婚できる 彩心 私に女心を教えてくれ!」
博士「アレ彩心 どこ行った?」
博士「聞いてないのかよ・・・」

〇ラブホテル
  ホテルに二人を引き込む彩心

〇ラブホテルの部屋
彩心(いろは)「さっさと服を脱げ」
彩心(いろは)「二人で さっさと繁殖行為をしろ」
旺太(おうた)「ははは ハンショク!?」
初恵(はつえ)「そそ それってセック・・・ や や ヤダッ!!」
彩心(いろは)「繁殖のために恋や愛があるのだろう? それなら さっさとしろ」
旺太(おうた)「バカヤロウ! 繁殖したくて 恋すんじゃねえ!!」
初恵(はつえ)「恋して好きになるから繫殖・・・ イヤぁ! 高校生なんだからダメダメ!!」
彩心(いろは)「繁殖したくて恋するのではなく 恋するから繁殖するというのか?」
旺太(おうた)「と とにかく 順番あんだよ」
彩心(いろは)「では さっさと互いに恋しろ」
旺太(おうた)「なんで俺達が?」
初恵(はつえ)「そうよ なぜ私達が?」
彩心(いろは)「初恵は旺太のことが好きだぞ お前と会うと心拍数や血圧が上昇している」
旺太(おうた)「え? マジで?」
初恵(はつえ)「嘘よ嘘! ただの幼馴染みだもん!!」
旺太(おうた)「ゴメン 初恵のこと考えたこと・・・」
初恵(はつえ)「ウルサイ ウルサイ 二人とも大っ嫌い」
  初恵は泣いて飛び出していった
彩心(いろは)「どうして泣いた?」
旺太(おうた)「お前のせいだろ! 俺よりデリカシーないぞ!!」
彩心(いろは)「デリカシーとはデリケートの名詞系 繊細 気配り 配慮 他に優雅な 珍しい食物という意味から  珍味 高級品の──」
旺太(おうた)「バカ そんなこと聞いてんじゃない」
旺太(おうた)「見損なったよ ヒドイやつだな!!」
旺太(おうた)「初恵 待てよ初恵!!」
  初恵を探しに飛び出す旺太
彩心(いろは)「なぜ怒る? なぜ泣く? 人間の感情が分からない」

〇ラブホテル
  彩心を見つめる男がいた

〇怪しい研究所

〇黒
彩心(いろは)「────────」

〇研究装置
博士「彩心どうした? 灯りもつけずに」
博士「ぼんやりして」
彩心(いろは)「──────」
博士「まさか 落ち込んでるのか?」
  何も答えず立ち去る彩心
博士「もしかして感情が芽生えた? イヤ ただのバグかな?」

〇グラウンドの隅
浩(ひろし)「賭けは俺の勝ちだな キスどころかチョコも貰えないんだろう?」
旺太(おうた)「まだバレンタインまで 時間あるよ」
浩(ひろし)「バレンタインにキスできないなら 僕との約束守ってもらうよ」
旺太(おうた)「何の約束だよ?」
浩(ひろし)「僕の言うこと 何でも聞いてもらう」
旺太(おうた)「賭けなんかしたっけ?」
浩(ひろし)「なるほどね 君はそういう奴なんだ クラス中に 嘘つきだと言いふらしてやる」
旺太(おうた)「わかったわかった キスできなかったら何でも聞いてやるよ」
浩(ひろし)「約束だぞ」
浩(ひろし)「彩心とキスできなかったら・・・ 代わりに」
浩(ひろし)「僕とキッスしろ」
浩(ひろし)「キスなんて軽いのじゃなく ぶちゅ~と キッスだ!!」
旺太(おうた)「ちょ ちょと待て・・・」
浩(ひろし)「黙ってたけど 僕 君のこと 本当は本当は・・・」
  耳を塞ぐ旺太
旺太(おうた)「イヤだイヤだ 聞きたくない」
浩(ひろし)「いいじゃないか 今は男同士だって そんなに不思議じゃないだろ!?」
浩(ひろし)「旺太 旺太 ぼ 僕とセック・・・」
旺太(おうた)「ぎゃあああああ」
  一目散に駆け出す旺太
  転げ回って笑う浩
浩(ひろし)「あの情けない顔 バ~カ 信じてやがる」
浩(ひろし)「男が好きなわけねーだろ 僕が好きなのは・・・」
初恵(はつえ)「なに 笑ってんの?」
浩(ひろし)「初恵ちゃん」
浩(ひろし)「な なんでもないよ」
初恵(はつえ)「彩心ちゃん 旺太にチョコ渡してくれるかな?」
浩(ひろし)「え?」
初恵(はつえ)「旺太 きっと今年も誰にも貰えないよね それだと可哀想だもん」
浩(ひろし)「・・・・・・」
初恵(はつえ)「浩君 何が面白かったの?」
浩(ひろし)「もう面白くなくなった」
初恵(はつえ)「え? なんで?」
浩(ひろし)「もう笑えない・・・」
初恵(はつえ)「変な浩君」
  立ち去る初恵の背中を 見送る浩
浩(ひろし)「今は・・・泣きたい気分だよ 初恵ちゃん・・・」

〇大きな木のある校舎
旺太(おうた)「彩心とキッスできないと ひ 浩とキッス・・・」
旺太(おうた)「バレンタインまで あと5日! 絶対 彩心とキッスするぞ~ キスじゃねえ キッスだキッス!!」
旺太(おうた)「バレンタインキッス」
旺太(おうた)「待ってろよ 彩心!!!!!!」
  彼女がロボットだと
  旺太は まだ知らない・・・
  後編を お楽しみに

次のエピソード:後編

コメント

  • バレンタインって一時期トラウマでしたが、その事はさて置いて流石のクオリティで、皆の個性がハッキリしてる。あの外見ならロボットだって言われたり分からされたりしたら吃驚されそうだし、あの坊やは欲しい物がゲット出来るのだろうか・・・

  • めちゃくちゃ面白かったです!!
    いきなりホテルに連れて行く所は、めちゃくちゃ笑いました!とんでもなさすぎますね笑
    それぞれの恋の関係が複雑でいいですね!

  • 雰囲気のいい青春群像劇で楽しいですね!
    彩心が仕事デビューする日はだいぶ遠そうだけど😂

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