英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

5話「脱出」(脚本)

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〇暗い廊下
  魔術で周囲の情報は共有して出口はアレックスもわかっているはずなのに明らかに違う場所へ目指してなんの迷いもなく進んで行く
  一切の迷いもなくアレックスは明らかに外とは繋がっていない扉の前で立ち止まった
リンカ「出口はあっちだよ?もしかして方向音痴なの?って!!ちょっ!何を!!!」
  アレックスは勢いよく扉を蹴破った。
  扉の奥にあったものを見てぜわざわざここに来た意味がわかった。
  そこには──

〇鍛冶屋
  扉の奥には大量の武器庫が並んでいた。
  どうやらここは警備兵の武器庫のようだ。
アレックス・ワトソン「やっぱりここだったか」
  アレックスは僕から受け取った情報を元に武器庫の位置を一発で当ててしまった。
  元軍人の経歴は伊達ではないらしい。
アレックス・ワトソン「ここからでた後のことを考えるとある程度の装備は必要だ。お前もそんな格好で街中を歩きたくないだろ?」
アレックス・ワトソン「五分後に出るからそれまでに着替えとけ」
リンカ「まだかい?置いていっつゃうよ?」
  僕が必要とする装備は一通り揃っていた。
  
   黒いブーツに黒のローブ、どちらも紫のラインが入っている。
  杖も手に入ったためこれで大半の魔術が使えるようになった。
  これだけ揃えば正直一人でも逃げ出せるがここまできてアレックスを置き去りにする訳にはいかない。
  一度乗った船はしっかりと最後まで乗るのが礼儀と言うものだろう
  アレックスは黒いブーツ、ナイフ、大きめの何かを入れてあるリュックサックを身に付けて扉ではなく窓の前に立った。
アレックス・ワトソン「誰が扉から出ると言った?」
リンカ「アハハハ!・・・冗談だよね?」
アレックス・ワトソン「冗談だと思うか?」
  アレックスは窓を開け、窓の縁に足をかけた。

〇中世の街並み
  牢獄を出てからはひたすら町を飛び回った。
  屋根から屋根へとジャンプで移動しているわけだが軽量化の魔術を使っている私はともかくアレックスは自力で飛んでいる訳だが・・
  元軍人とはいえあまりにも異常な運動神経だ。彼の体にあきらかな何が起きている。
アレックス・ワトソン「逃げるのはいいが。宛はあてのか?」
リンカ「東の国ならかくまってくれるはずだよ」
  東の国は魔王退治の際に装備や食料をなどあらゆる面でサポートしてくれた国だ。
   それなりに信用はできる。
リンカ「娘さんもそこにいるよ。今は普通の学園生活を楽しんでいるはずだ」
アレックス・ワトソン「そうか・・・」
アレックス・ワトソン「あの壁はどうする?」
  アレックスは西の国を覆う巨大な壁を指差した。
  戦時中に築かれた国をおおう防御壁は敵国、特に魔王からの侵略を防ぐために作られたもののためそう簡単には破壊できない。
  おまけに出口は全て厳重な警備体制がしかれている。
リンカ「ここで君の出番だよ! 異世界最強の軍人でしょ?あんなのすぐに平らげれるはずだ!さあ行け!!アレックス!!」
アレックス・ワトソン「ふざけてんのか?俺はお前の使い魔じゃねぇぞ!!」
リンカ「あっ!!」
  足を踏み外してし、頭から地面に真っかさまで落ちていく。
  軽量化していてもこの高さじゃあただではすまない。
   地面が迫ってくる。身構えて身体中力みながら目をつむる。
  だがいつまでたっても地面に激突しないため
  恐る恐る目を開けると地面から数cmのところで体が止まっていた。
  よく目を凝らしてみてみると身体中に糸が巻き付いているのを確認できた。
不知火 白夜「やっと見つけたぞ。手間かけさせやがって」
  そこにはかつて共に戦った戦友の白夜が立っていた。
   手から糸が伸びていることからリンカを助けたのは白夜なのだとわかる。
リンカ「ありがとう。相変わらず目が死んでるね!白夜!!」
不知火 白夜「お前も同じ目に合わしてやろうか?」
リンカ「あはは、ギャグも相変わらず寒い」
  白夜が舌打ちしたのと同時に身体中の糸が外れ地面に落ちる。
リンカ「痛てて。もう!レディの扱いが相変わらず雑なんだから!」
不知火 白夜「さっさと立て。行くぞ」
リンカ「ちょっと待って!助っ人がいるからその人が来てから出発させてよ」
不知火 白夜「助っ人って赤い目の奴か?」
リンカ「そうだよ!すごい変わってるけどすごい強い人だよ。あっ!後あの人は・・・」
アレックス・ワトソン「動くな!」

次のエピソード:6話「一触即発」

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