23歳アイドル引退します

めぐる

超えない一線(脚本)

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〇空っぽの部屋
  ──次回は、グループの皆様で・・・
  今回は一人だけ、モモさんに来ていただきたいのですが・・・
監督「ありがとうございます。よろしくお願いします」

〇撮影スタジオのセット
  お疲れさまでしたー!
  それじゃ、打ち上げ予約してあるんで、各自移動してくださーい!

〇大衆居酒屋
モモ「えっ!?ここって・・・」
  さーみんな、入って入って
モモ「あの、私未成年なんですけど」
  え?大丈夫大丈夫!
  無理矢理お酒飲ませたりしないから!
モモ「で、でも・・・」
  ・・・あのね、モモちゃん。
  なんで君がここに誘われたか、わかる?
  次の収録では、ぜひモモちゃんをメインに使いたいって、監督からの要望だよ?
モモ「えっ!?」
  そのミーティングも兼ねてだから、今帰ったら、ここにいる他の子に取られちゃうかもよ?
モモ「はい・・・」

〇繁華街の大通り
  うぃーっす!
  二次会行くぞーー!
  あ、この近くに会員制のバーあるんで、予約取っておきました
モモ「えっと、それでは、私はここで・・・」
  えっ!?モモちゃん帰っちゃうの?
モモ「はい、もうすぐ終電なので」
  まーまー、そう言わずにさぁ〜
  腕を掴まれ、私は怖くなって必死にその手を振り払った
モモ「帰ります!お疲れさまでした!!」
  えっ、ちょっ!!

〇豪華なリビングダイニング
  おかえり。遅かったわね
モモ「あ・・・打ち上げに参加してて」
  こんな時間まで?
  どこでやってたの?
モモ「えぇ〜っと、それは・・・」
  ・・・正直に言いなさい
モモ「はい・・・」

〇豪華なリビングダイニング
  ・・・なるほどな
モモ「ごめんなさい」
  いや、悪いのは、未成年をこんな時間まで連れ回す奴らだ
  しかしこの業界、そういうのも多いから気をつけなさい
  ろくなスタッフじゃないわね
モモ「でも、私、最後きちんとお礼も言わずに帰ってきちゃって」
モモ「もう、次は呼ばれないと思う」
モモ「せっかく、次はグループのみんなでって、話してたのに・・・」
  気にすることはない。
  そんなことをしている奴らは、後々廃れる
  売れたい気持ちはわかるけど、そんな番組に無理して出る必要ないわ
  自分を大事に、ね
  そうだぞ。そんなところで仕事してたら、他のメンバーの子はもっと嫌な思いをしたかもしれん

〇空っぽの部屋
監督「──と、こういうことがあった。 みんなも今後、同じようなことがあったら、すぐに相談してくれ」
メロン「とりあえず、モモが無事で良かったよ〜♪」
監督「あぁ。 誰だって売れたい欲はある。それを逆手にとる大人もいるからな」
監督「そこできちんと断る判断ができたのは、立派だと思うぞ」
ヒマ「ってゆーか、未成年って居酒屋入っちゃダメなんだっけ?」
監督「18歳以上はまぁ、法律的には、お酒を飲まなければOKだけど・・・」
監督「ただ、写真を撮られたりしても面倒だからな」
監督「芸能メディアだけじゃなく、今は一般人のSNSからもそういうのが広まる可能性があるしな」
モモ「そうですよね・・・これからは気をつけます」
監督「モモのご両親が言うように、悪いのはそういうやり方をしている奴らだ」
監督「超えてはいけない一線はある 超えさせてはいけない一線もあるんだ」
メロン「グラビアだと、もう20歳超えてる人も多いから、飲み会で仕事取ってきてる人もいるんだけどね」
監督「まぁ、実際そういう側面はあるからなー」
監督「うちのグループは今、メロンとマリンは成人、モモとヒマは未成年と、ちょっと難しい時期だな」
マリン「これから、そういう付き合いも増えてくるのかな・・・」
監督「アイドルの仕事は、中学生や高校生もいるから、あんまりないと思う」
監督「今回のモモみたいに、個人で呼ばれる時は一人の「タレント」扱いだから、そういうこともあるかな」
メロン「そういう付き合いが得意だったら、利用しちゃえば良いんだよ♪」
メロン「苦手だったり、何か危険を感じたら、全部「事務所NG」って言っておけば大丈夫!」
監督「ははっ!その通り! さすが、メロンは歴が長いだけあるな」

次のエピソード:ガチ恋!?

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