RiversideBaron~最終章~

山本律磨

VS女神VS踊り子VS歌姫(4)(脚本)

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〇大衆居酒屋
天粕「蓬莱街が分裂、しただと?」
最上「ああ。自由というものに対する見解の相違らしい」

〇荒廃した教会
  『ひとつは、自由の女神率いる新生美しきけものたち』
  『武闘派や御堂組のシノギに喘いでいた者たち』
  『流れてきた活動家の残党たち』
  『それに、構成員と称するその日暮らしのチンピラたち』
  『今はそれらの総称と呼んで差し支えないだろう』
  『首魁は自称アーティストたる高等遊民、根室清濁こと校倉倫太郎』
  『・・・いや』

〇大衆居酒屋
天粕「・・・どうした?」
最上「・・・」
最上「そんなことは百も承知か」
天粕「続けてくれ」

〇廃倉庫
  『今ひとつは震災と貧困に打ちひしがれてなお芸道を貫かんとする新生バロン一座』
  『過激な革命運動についていけなくなったインテリ層、その実純然たる夢追い人』
天粕「(笑)」
  『それに思想活動に興味を示さぬ子供達』
  『その他各方面から戦力外通告を出された生粋の役立たずが含まれている』
天粕「(笑)(笑)」

〇大衆居酒屋
最上「やかましいな。河岸を変えるか?」
天粕「ここでいい会話を聞きとられずにすむ」
天粕「さも人の好さそうなバーテンなど幾らでもスパイとして使えるものだ」
最上「・・・!」

〇シックなバー

〇大衆居酒屋
最上「なるほど」
最上「来栖川派というだけでそこまで抜かりないお前だ。この情報も言わずもがなか」
天粕「だが少なくとも今のお前が妙な動きを見せていない事は把握している」
天粕「あの丸い女記者を鼻血が出るまで痛めつける必要があったか否かはさておき」
最上「・・・」
天粕「で」
天粕「どう動く?」
最上「同志討ちをさせては?」
最上「例えばバロン一座に対し美しきけものからスパイを送り込む」
最上「バロン一座を潰せば、蓬莱街は革命一色になるだろう」
最上「あの『来栖川似』の男も公然と逮捕でき、一石二鳥だ」
天粕「確かに黒蓮団を潰した、のは些か早かったやもしれん。貴重な暗殺者の手駒を失ったは痛い」
最上「仕方あるまいよ。来る『蓬莱事変』の折に寝返られては厄介だ」
天粕「具体的な同志討ちの手段を聞きたい」
最上「そ、それは。熟考中であるが」
天粕「・・・そこまでか」
最上「すまん」
天粕「まあいい。いきなり頭の血の巡りが良くなられても扱いに困るところだ」
天粕「お前はお前だった。還って安心したさ」
最上「からかうなよ。これでも必死に片腕感を出してるんだ」
最上「憲兵隊から引き抜いてくれた事、感謝している」
天粕「共に新時代を」
最上「新時代を」
??「新時代を!」
最上「お前は・・・!」
天粕「私が呼んだのだ」
根室「呼ばれてしまいました。はっはっは」
最上「・・・」
  つづく

次のエピソード:VS女神VS踊り子VS歌姫(5)

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