ちょっとしたデスゲームの話

フレー彗星

第一ゲーム 鬼ごっこ(脚本)

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〇教室
k-52638「ここであってるな」
m-57359「すご~い!広いね!」
k-52638「ああ、不自然なほど広い。我々看守含め180人も居るのにな・・・体育館くらいあるんじゃないか?」
k-52638「だが、だからといって大声は出さなくてもいいだろ・・・」
m-57359「え~ケチ~ちょっとくらい良いじゃんね?」
k-52638「・・・やれやれ」
上家 啓一「まあまあ、争っても良いことないですって」
「それはそうだけど・・・」
m-57359「うげ最悪・・・被った」
k-52638「失敬な!」
僕「あ、始まるみたいですよ」
k-52638「ナイスタイミングだな」
m-57359「む!!逃げたな!」
ゲームマスター「それでは第一ゲーム 鬼ごっこです! 今から鬼を一体だけ放つので逃げて下さい!ただし、教室から出てはいけません」
ゲームマスター「その場合は看守は速やかに処刑を行って下さい。また、鬼に捕まってしまったら即座に肉片となってしまいます」
ゲームマスター「最後に看守を除いて30人生き残ったらゲーム終了とします。それでは生き残ったらお会いしましょう!」
k-52638「なるほど、だから教室がとんでもなく広かったのか」
上家 啓一「そんなこと言ってる場合じゃないですって!」
僕「失礼なこと言いますけど・・・これ看守いらないんじゃないですか?教室から出てしまってもセンサーとかで察知した方が効率が良い」
僕「違います?」
k-52638「なるほどな。だが、看守は様々な面で必要になってくる」
k-52638「例えば先ほど言った反則者の始末、対象が逃げ出さないように監視、新鮮な反応を保たせるために場合によっては対象のメンタルケア」
k-52638「そして何よりも──」
上家 啓一「早く逃げましょうよ・・・」
ゲームマスター「それでは第一ゲーム、スタート!」
鬼「ウガアアァ!!」
k-52638「始まったな」
m-57359「想像の500倍くらいヘンタイ感あるね」
k-52638「言ってやるな。でもこれに関しては激しく同意だ」
上家 啓一「これが鬼・・・ですか」
k-52638「でもまあ、とりあえずは」
「逃げる!」

〇荒廃した教室
k-52638「大暴れしてるな」
鬼「アァァァァァァ!!!」
m-57359「よくあれで体力もつよね。やっぱ服がスカスカだから・・・?」
k-52638「だからヘンタイ扱いしてやるなと」
上家 啓一「ハアッハアッ・・・グッ」
k-52638「大丈夫か?」
m-57359「まあ、こんだけ人が死んでるんだし無理ないって」
k-52638「いや、これはおそらく喘息によるものだな」
僕「そうか・・・だから啓ちゃんは走るのが遅くて、いつも疲れてるような感じだったんだ・・・」
僕「本当にごめん。いっつも遅いとか言ってて。喘息なのに急かすようなことしちゃって」
上家 啓一「いいんだ・・・僕だって言わなかったのが悪いんだから」
僕「本当につらかったら言ってくれよな」
上家 啓一「ありがとう」
参加者の1人「クソッ・・・30人に減れば良いんだから、誰かあと1人殺してやる・・・!」
上家 啓一「・・・え?」
僕「あ・・・」
僕「う・・・うわああああ!!!」
k-52638「・・・安らかに眠れよ」
m-57359「・・・え?」
m-57359「ちょっと私PK始末いってきます」
k-52638「さっき言おうとした、看守がいる最大の目的、それはPK、プレイヤーキラーが出ることを防ぎ、起きた時に始末するためだ」
k-52638「今回は、死んでしまったがな・・・」
ゲームマスター「ゲーム終了!!!」
k-52638「・・・ゲームが終わったようだな」
ゲームマスター「生き残った皆様、おめでとうございます!」
ゲームマスター「プレイヤー同士の殺人が起きてしまったのは残念ですが、1度失った命は2度と戻ってこないのですから、仕方ない犠牲だったのです」
ゲームマスター「本日は疲れたでしょうから、一階のベッドルームでお休みください。それではまた明日お会いしましょう!」
k-52638「いつまで泣いているんだ。さあ、早く行くぞ」

〇保健室
僕「・・・啓ちゃんは、死んだんですよね」
k-52638「そうだ。あんたの友人はナイフで頸動脈を切られて死んだと通達を受けた。かわいそうにな」
僕「・・・啓ちゃんには、本当に感謝しかなかった。いつもひとりぼっちだった僕に手を差しのべてくれたのが彼だったんです・・・」
k-52638「・・・そうか」
m-57359「しんみりしてるとこ悪いね。お疲れ様」
k-52638「だいぶ遅かったな。心配したぞ」
m-57359「ちょっとやだ~私のこと心配してくれてたの?可愛いなあ~」
k-52638「あんたが死んで、新しい看守を探すのが面倒だからだ」
m-57359「むう~ツンデレさんめ!」
k-52638「はあ!?誰がツンデレなもんか」
僕「ちょ、ちょっと静かにしてください。他の人達が戻ってきたときにうるさく思うかも知れませんよ!」
k-52638「確かに・・・」
m-57359「ぐぬぬ・・・また逃げたな!」
k-52638「ところで、あんたはここに何のようだ。ベッドルームは個室だろう」
僕(なるほど。だから30人までだったのか・・・)
m-57359「うーん・・・なにか言いたいことがあってきたんだけど、忘れちゃったあ・・・」
m-57359「あ!!」
m-57359「そうだ思い出した!」
m-57359「あのね、結局誰が啓ちゃんを殺したか分からなかったの」
k-52638「・・・は?それは何でだ」
k-52638「あんたなら、悔しいけど私よりも優秀だろう。すぐに分かるはずだ」
m-57359「それがね、さっきなんか言ってた人がいたじゃない。ほら、あと1人なら殺してやる~とかなんとかほざいてたアホが」

〇荒廃した教室
「クソッ・・・30人に減れば良いんだから、誰かあと1人殺してやる・・・!」

〇保健室
k-52638「そういやそんなやついたなあ」
僕「じゃあ、そいつが啓ちゃんを殺したんですか」
m-57359「いや、それがそうじゃなくてね」
m-57359「プライバシー保護のために容疑者とだけ言わせてもらうと、容疑者は素手だったんだ」

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