〇シックなリビング
　　本日、朝８時頃○○市○○高校付近の
　　交差点で、乗用車と登校途中の男子高校生が
　　ぶつかる事故が起こりました。
　　乗用車を運転していた運転手は軽傷ですが、
　　交通事故にあった男子高校生は意識不明の重体で──

〇山中の滝
星 孔 (ほし こう)「いてて・・・ここはどこだ？」
星 孔 (ほし こう)「俺は、あのとき、引かれて──」
星 孔 (ほし こう)「俺は、死んだのか？──」
星 孔 (ほし こう)「いや違う、引かれてもなお、意識があるということは── そうか!!これが俗に言う！ 異世界転生と言うやつなのか──」
星 孔 (ほし こう)「そうか、そうか、俺も異世界転生者になったか〜でも、実際にもあるんだな──」
星 孔 (ほし こう)「にしてもだ、異世界転生したのなら こう、あの〜特典くれる神様みたいなのが出迎えてくれるような？」
星 孔 (ほし こう)「まぁ、いっか！とりあえず当たりを散策 してみるか〜！」
？？？「──」

〇小さい滝
星 孔 (ほし こう)「ふぁ〜結構歩いたけど、なんもないな〜 それに、誰にも出会わないし──」
星 孔 (ほし こう)「それに、なんか妙なんだよな〜 なんというか、こう寒気するみたいな──」
　　と、辺りを見渡していた──
星 孔 (ほし こう)「何もないな〜」
？？？「きゃ〜!!助けて〜！誰か〜止めて〜!!」
星 孔 (ほし こう)「ま、まさかついに異世界転生に来て 初イベントか〜!?」
星 孔 (ほし こう)「じゃ、なくて助けに行かないと──」

〇山中の坂道
星 孔 (ほし こう)「だ、大丈夫か??」
　　星が、声のする方へ向かうと、
　　草むらから足だけがちょこんと出ていた──
星 孔 (ほし こう)（あれか?!この子助けないとダメ的な？ 試してるのか？俺が特典をあげられる 人物かどうか？）
？？？「んーーー!?んー!!んーん!!」
星 孔 (ほし こう)「わ、わりぃ、今助ける──」
　　ガサガサ
　　星が、草むらから足を掴み引っ張りあげると
　　小学生くらいの身長の可愛い女の子が、姿を見せた。
星 孔 (ほし こう)「頭から突っ込んでたみたいだったけど 大丈夫か？」
れいか「す、すいません 助けて頂いて──」
れいか「わ、わたしは、れいかって言います」
　　女の子は、口を開くと
　　可愛いらしく、弱々しい声で自己紹介を始めた。
星 孔 (ほし こう)「れいかちゃんか〜俺は、星 孔 （ほし こう）って言うんだ！ よろしく！」
星 孔 (ほし こう)「よかった〜！怪我とかもとくに 無さそうだし！安心、安心！」
れいか「こちらこそよろしくお願いします。 ほんとに、助かりました。星さん ありがとうございます!! 何か、お礼を──」
星 孔 (ほし こう)（キター！これがイベントなんだな!!）
星 孔 (ほし こう)「で、ではさっそく、異世界転生の特典 頂きたいなと──」
れいか「い、いせかい？と、とくてん？なんのことですか？」
星 孔 (ほし こう)「えっ？こ、これはイベントではないのですか??」
れいか「いべんと??それはなんでしょうか？ お弁当みたいなものなのですか？」
星 孔 (ほし こう)「おべんとうって確かに、『べんと』はあってはいるけど、ってそうじゃなくて──」
星 孔 (ほし こう)「あ、あれ〜おかしいな〜 助けて、ご褒美に異世界特典をくれる 神様的な人ではないのか??」
れいか「か、神様ですか？神様はいるにはいますが、私は神様ではありません──」
れいか「ところで、気になっていたんですが どこからこられたのですか？」
星 孔 (ほし こう)「どこからっと言われても、どう説明して良いのやら──」
れいか「あと、星さんからはそのなんというか── この世界の人と雰囲気が違うようなというか 生きている人のような──」
星 孔 (ほし こう)「生きてる人のようなって、転生してるはずだから生きてて、いや１度事故で死んでるから 死人なのか？わからん」
れいか「す、すいません、先程から言われている いせかい？とはなんなのでしょうか？」
星 孔 (ほし こう)「あ〜ごめん。いせかいっていうのは俺が住んでいた世界とは別の世界って意味で──」
星 孔 (ほし こう)「って、ちなみれいかちゃん。 確認のため聞くんだけど、ここってどんなところなの？」
れいか「『どんなところ』と言われましても、 ここは、死後の世界ですよ？」
星 孔 (ほし こう)「へ？今なんて??」
れいか「で、ですから、ここは、死んだ人がくる 死後の世界です──」