読切(脚本)
〇観覧車のゴンドラ
楓と私は、観覧車にいました。
外では、パレードを締めくくる花火が
打ち上げられて、綺麗に咲いていました
優里「私、楓のことが──」
〇駅前広場
遡ること、半日前
〇駅前広場
今は、明日、4月2日に引っ越す楓と
最後に遊園地に行くため、
待ち合わせをしているところです。
そして、この私優里は、恋をしています──
優里(今日こそは、この気持ちを伝えないと──)
楓「おまたせ〜、優里まった??」
この子が、楓です。
幼なじみで優しくて、普段はぼっーとしているのにたまにかっこいいところを見せてきます。
優里「大丈夫だよ〜笑」
ちなみに、想い人です──
楓「よ〜しじゃあ行こっか!」
そう言って、手を取ってくれる楓。
やっぱり、好きです。
〇遊園地の広場
遊園地に着いてから、私たちは
人混みから少し離れた場所で座りながら園内地図を見ていました。
楓「どこから回ろうか〜 優里は、どこか行きたいところはある?」
優里「そ〜ね〜。 コーヒーカップもいいけど、 ジェットコースターも捨てがたいわよね〜」
2人は、園内地図に指をさしながら、
アトラクションを決めていました。
楓「じゃあ、行こっか!」
優里「早く回らないと全部回りきれないものね!」
そして、行き先を決めた私たちは、
アトラクションを求め、歩き始めました。
〇遊園地の広場
私も楓も、こどものようにはしゃいでいました。
楓「次、何行こっか?」
楓「あっ!ここなんてどう?」
楓に言われて、向いた先には
なんと、私が最も苦手なお化け屋敷がありました。もちろん、反論します。
怖いですから──
優里「えっ!?お化け屋敷!?無理よ! 楓も知ってるでしょ?」
楓「知ってるよ〜、けどたまには行こうよ〜 私の手握ってていいからさ〜」
そう言った、楓は私の袖を掴み子供のように
駄々をこねてきました。
可愛すぎる──
優里「わかった──絶対手を離したら嫌だからね──」
わたしは楓の圧力と可愛さに負けて渋々了承し、付き合うことにしました──
〇遊園地
楓「楽しかったね〜!!」
優里「そうね〜たまには悪くないかもね──」
お化け屋敷で、散々叫び過ぎてしまったのと一日の疲れでヘトヘトになってしまいました。
それを見ていた、楓が、私の手を取って
観覧車を指さして──
楓「そうだ、最後にあれ乗ろうよ〜」
優里「観覧車か〜、いいわね〜」
私は、ここしかないと思いました。
ラブストーリーの定番です。
観覧車の中での告白──
神様、仏様、私に告白する力を──
私は、覚悟を決めるように、軽く拳を握りました。
楓「なら、レッツゴー!!」
〇観覧車のゴンドラ
楓「綺麗だね〜、小さい頃もこうして 来たよね〜」
観覧車が半分を回るまでは、景色を堪能していました──
優里「そうね〜、懐かしいわね〜」
私と楓は、昔の思い出に浸りならがら、
窓から見えるパレードを見ていました
優里(今しかないよね──)
この時、窓の外から入る光が、私を応援してくれるペンライトのように見え、背中を押してくれているような気がしました。
頑張れ私──行くんだ優里──
優里「あのね、楓、驚くかも 知れないけど── 私、」
優里「私、楓のことが好きなの──」
言っちゃたー!!
私の心臓は、はち切れそうほどに鼓動が早く心臓の音が、楓に聞こえるんじゃないかと思うくらいでした。
そして、告白をした私の口は、恥ずかしさのあまり、つい、はぐらかせしてしまいました。
優里「ご、ごめんね、じょーだんよ、 じょーだん!!今日は、エイプリルフールだからね!!」
その様子を見ていた楓は歩み寄り──
楓「僕、知ってたよ優里の気持ち── それに──」
と言った、次の瞬間
私は楓に押し倒されて、私は楓を見上げていました。
そして、押し倒した私が逃げないように
手を押さえて、たまに見せる小悪魔のような
笑顔を浮かべて──
楓「エイプリルフールって、嘘をついていいのは 午前中まで、なんだよ──それに、」
楓「僕も優里のこと好きだよ──」
そして、気づいた時には
私の唇は、
ふたをされてしまいました──
そして、私の唇から唇を離し、体を起こした楓は、微笑みながら──
楓「優里は、やっぱ可愛いな──」
そう言った、楓は私に引っ越しのことを
問いかけてきます──
楓「優里、僕が引っ越しの手紙を送ったの覚えてる?」
優里「え?─うん──覚えてるけど?」
当然、覚えています、
大事な手紙ですから──
楓「実はあれ、嘘だったんだ〜」
優里「え?ん??どゆこと──」
私は、何を言ってるのか、さっぱり分かりませんでした──
楓「確か、手紙は午前中に私が直接 渡したはずだよ──去年のこの日に」
優里「え?つまり?引っ越しはしないの???????ん??」
私は、キスとこのことで
思考回路が追いつかず、頭が真っ白でした──
楓「だからね、1年越しのネタばらし──」
そう言った楓は、『どう、おどろいた?』と言わんばかりの顔を私に見せて来ました。
楓「だから、これからもずっと一緒だね──」
そう言った楓は、顔を私に近づけて
たまに見せるかっこいい声で──
楓「愛してる──」
私も、何もかも考えることをやめて──
優里「愛してる──」
そう、ささやき口付けを交わしました。
この時の口付けは、
忘れられない、私の甘酸っぱい思い出となりました──!?
めちゃかわいいお話で、すっごく萌えました!
垣間見る心境も、読んでて楽しかったです。
二人ともめちゃかわいくてキュンキュンしまくりました!
まさかの心に秘めている気持ちを引き出して欲しくて1年越しのエイプリフールをしたのかな!?2人とも可愛すぎてキュンキュンさせてもらいました!
ベゴニアの花言葉が”片思い”と耳にしたことがあったので、ひょっとしたらこの恋心が成就しないのかと思いながらドキドキして読み進めていました。読後は無事安堵感に包まれましたが。