つっちー家の華麗ならざる日常

おかぶさん

読切(脚本)

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〇おしゃれな廊下
  ここは、都内某所にあるマンション。
  そこに住むつっちー家の、華麗なる物がた・・・
  ピーッ、ピーッ、ピーッ!!
  ごほん。失礼しました。
  華麗なるもの・・・
  ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ、ピーッ!!
  ・・・。
  ・・・・・・。
  ・・・・・・・・・。
  訂正、します。
  華麗ならざる、物語です!

〇飾りの多い玄関
  まずは、家族紹介。
  つっちー家の大黒柱、つっちーパパ。
  優しくて、穏やかな性格です。
  ・・・でも、ちょっと天然なところあり。
つっちーパパ「天然!?」
  続きまして。
  明るくかわいい、つっちーママ。
  小さいことは、気にしません。
  こう見えて、つっちー家の影の支配者。
つっちーママ「失礼な!」
つっちーママ「誰が影の、支配者よ!」
  つっちー家の長女、もーたん。
  かわいいモノや、オシャレが大好きな4歳児。
  キレイな言葉遣いがかわいいとご近所でも評判の、つっちー家のアイドル。
  ・・・ただし食べ物の趣味は、渋好み。
もーたん「それは、言わなくていいですよ!」
  そして最後を飾るのは、つっちー家の長男 みーくん。
  やんちゃ盛りの、男の子。
  もーたんの、ふたごの弟です。
  ・・・ちなみに、鉄ヲタ。
  ・・・なぜ、そこで照れる?

〇おしゃれなキッチン
  そんなつっちー家の、華麗ではないけれど

〇明るいリビング
  楽しい日常を、お送りします。

〇スーパーマーケット
  これは先日スーパーに行った時に起きた、
  本当にあった、こわい話です。

〇スーパーの店内
  その日私はふたごと一緒に、スーパーに買い物に行きました。
  しかしそこで、小さな事件が起きました。
  いつもはそんな事はないのですが、みーくんが電車のオモチャのついた食玩を見つけて
  買って欲しいと駄々をこね、店内で大騒ぎし始めたのです。
みーくん「買ってくれるまで、絶対帰らない!!」
  しかしそんな事を言われても、甘やかしてハイハイと、買ってあげるわけにはいきません。
  なので私は、ちょっと強めに叱りました。
つっちーママ「ワガママを、言わないの!」
つっちーママ「今日はおやつは買わないって、お約束したよね?」
  結果、みーくんは大号泣。
  だけどこれ以上騒いでも買ってはもらえないと判断したのか、食玩は諦めてくれました。
  しかし、ホッとしたのも束の間。
  今度はもーたんが、どうしても欲しいモノがあると、騒ぎ始めました。
もーたん「ママ!あれを、買って下さい!」
もーたん「買ってくれなきゃ、もーたんはおうちに帰りません!」
もーたん「わーん!!」
  ここはきちんと平等に、要求をはね除けるべきでしょう。
  だけど私は、迷ってしまいました。
  なぜなら、もーたんが買ってくれと、駄々をこねたものは・・・
  なんと、もずくだったのです!
もーたん「もず・・・」
もーたん「もずく、買って下さい!」
もーたん「もずくを、買ってくださ──────い!!!」
  号泣し続ける、もーたん。
  ざわつき始めた、店内。
  しかも、運悪く。そこにはもーたんをいつもかわいがって下さる、ご近所さんたちの姿も。
客B「あらあら。もーたんったら、あんなに泣いて。 可哀想に・・・」
客A「しかも欲しがってるの、もずくでしょう?」
客C「お菓子やオモチャじゃないんだから、買ってあげたら良いのにねぇ」
客B「そうだわ! おばさんが、買ってあげよっか?」
客B「もーたんの、も・ず・く♥️」
  別に、ケチってダメって言ってるわけじゃ、ないんだけどな・・・
  えーい、仕方ない!
  お菓子とか、食玩じゃないし。
  健康にも、いいんだし。
つっちーママ「ありがとうございます、でもお気遣いなく」
  ちょっと納得がいかない気がしながらも、もずく酢を買い物かごへいれた。
もーたん「いいんですか?ママ!」
つっちーママ「うん、いいよ。 おやつや、オモチャじゃないしね!」
  (ホントはあんまり、良くないけどな!)
もーたん「ありがとうございます、ママ!」
もーたん「大切に、食べますね!」
客B「あらぁ・・・。 おばさん、もーたんに買ってあげたかったんだけどな・・・」

〇商店街
  そして、この結果。
みーくん「もーたんだけ、ずるい!」
みーくん「僕もお菓子、欲しかったのに!」
  帰り道。再びみーくんが、大号泣。
つっちーママ「みーくんが欲しいのは、オマケの電車のオモチャでしょ?」
つっちーママ「この間も同じの、買ってあげたばっかりだし」
みーくん「同じじゃ、ないもん!」
みーくん「この前はこまちだったけど、今日のははやぶさだもん!」
つっちーママ「ダメなものは、ダメ!」
みーくん「わーん!!」
もーたん「もずく♪」
もーたん「もずく♪」
もーたん「もーたんの、も・ず・く~♪」
もーたん「あ!」
もーたん「みーくんにも、一個分けてあげますね!」
みーくん「もずくなんか、いらない! 僕もはやぶさ、欲しかったよぉ・・・」
  それでもどうにか、ふたりを連れて家に帰ったのですが・・・

〇飾りの多い玄関
つっちーパパ「ただいま!」
「おかえりなさい、パパ!」
つっちーパパ「今日はみーくんに、おみやげがあるんだ」
  なんだろう?
  嫌な予感しか、しない!
つっちーパパ「はい、これ!」
つっちーパパ「たまたま店で見かけたから、買ってきちゃった!」
つっちーパパ「はやぶさのオモチャ付きの、お菓子!」
みーくん「パパ・・・」
みーくん「僕パパのことが、大、大、だーい好き!」
つっちーパパ「みーくん・・・」
つっちーパパ「パパもみーくんが、大好きだよ!」
つっちーママ「・・・おかえりなさい」
つっちーママ「とりあえず今から、パパは説教な💢」

コメント

  • 食べ物が渋好みのもーたんが可愛すぎてニマニマしちゃいました。「もーたんにもずく酢買ってあげたかった」って言ってた近所のおばさん、自分かと思ってビビった。ママとパパの行動はどちらも気持ちがわかるなあ。ママに怒られてシュンとなるパパが想像できますね。

  • ほっこりとする家族ですねぇ。
    エスパーのようにお土産を買ってくるお父さん、そしてそれを怒るお母さん、日常の幸せを感じました!
    もずくは健康に良いですね!

  • なんかずっと読んでいたくなるような可愛らしいストーリーでした。ママは影の支配者というのは、とても前向きな意味だというのがわかります。パパはきっとかなりきつくお叱りをうけたことでしょうね!

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