天魔一家(脚本)
〇男の子の一人部屋
一郎「zzz・・・」
???「一郎、起きなさい。朝だぞ」
一郎「・・・」
???「一郎?」
一郎(僕の名は『天魔 一郎』)
一郎(僕には悩みが2つある。 その1つは・・・)
???「一郎!」
一郎「うわっ!?」
〇おしゃれなリビングダイニング
一郎「・・・おはよう」
悪斗「おはよう、一郎。 朝ごはん、先に食べてるぞ」
天子「一郎、早く顔、洗ってきなさい」
一郎「それより父さん。 起こすのに雷落とすのやめてね」
一郎(悩みの1つ。 それは父が悪魔らしいことと、 母が天使らしいこと)
一郎(どう見ても普通の人間じゃない)
一郎(しかし、回りの人たちは、 特になにも思ってないようだ。 むしろ──)
〇通学路
友人「一郎の親はいいよなー。 優しくてさ」
友人「うちは口うるさいだけだぜ?」
一郎「アハハ・・・」
友人「でも一郎ってさ。 両親と全然似てないよね」
友人「普通っていうかさ」
友人「そだなー。 カッコいいお父さんと 美人なお母さん」
友人「のわりに、お前は普通だなー」
一郎「そ、そうだね・・・」
一郎(悩みその2)
一郎(親があれなのに自分は普通なこと)
一郎(回りは気づいてない?けど、 仮にも悪魔と天使の子供のはず・・・)
一郎(なのになんで僕は普通の人間?)
〇おしゃれなリビングダイニング
一郎「ただいまー」
悪斗「おかえり、一郎」
天子「おかえりなさい、一郎。 ママは晩御飯の準備中だから 父さんと話しててね」
一郎「ねえ、父さん」
悪斗「ん、どうした?」
一郎「父さんって・・・悪魔なんだよね?」
悪斗「ハハハ。 何を当たり前のことを言っている」
悪斗「天魔 悪斗。800歳。 ACMカンパニー勤務のサラリーマン。 お前も知っているだろう」
一郎「いや、まあ、そうだけど・・・」
天子「ちなみに母さんは 天魔 天子、年齢はヒミツ。 主婦よ」
一郎「その・・・天使と悪魔なのに、 どう出会ったのかなって・・・」
「知りたい?」
一郎「え? ま、まあ・・・」
「それは──」
一郎「それは・・・?」
「ヒミツ!」
一郎「ええー・・・」
〇男の子の一人部屋
一郎(結局、 だいぶ話したけど、父さんも母さんも、 ヒミツの一点だった)
一郎(でも、父さんは前に・・・)
悪斗「ここだけの話、父さんはな・・・」
悪斗「実は世界征服を目指す組織の一員なんだ」
一郎(とか言ってた・・・)
一郎(で、知らないはずの母さんは・・・)
天子「一郎、ここだけの話なんだけど」
天子「ママはただの主婦じゃなくて、 世界を守るスーパー天使主婦なのよ!」
一郎(お互いのやることが真逆なんだけど・・・)
一郎(それもお互い知っているのだろうか?)
一郎「まあ、でも・・・」
一郎(リビングで仲良く談笑してる 2人を見ると、そんな心配は無用かな と思った)
一郎(ちなみに、 なんで僕は2人に全く似てない、 ただの人間なの? と聞いたら)
悪斗「善と悪が混ざって普通になったのでは?」
一郎(と、あっさり言われた)
〇おしゃれなリビングダイニング
休日──
一郎「ふああっ。おはよ──」
閻子「お寝坊さんじゃな、一郎兄」
一郎「閻子!? なんでうちに?」
閻子「ぬ? 聞いておらんのか?」
天子「ごめん、一郎。 昨日、言い忘れてたわ」
天子「閻子ちゃん、しばらくうちに泊まるから」
一郎「えっ、なんで?」
閻子「うちを改修中でな」
閻子「父上と母上は 丁度よく出張に行きおった」
天子「だからしばらくお願いね」
一郎「ええー・・・」
悪魔と天使を混ぜたら普通の人間になった一郎だけど、配分がきっちり半々=普通になることの方が奇跡なのでは?世の中は悪魔だけではもちろんダメだけど天使だけでも成り立たないから、一郎みたいな普通の人間は本当は貴重なんですよね。
とっても楽しい両親ですね。悪魔と天使の子で普通の人間なら、悩んだり戸惑ったりして当たり前ですねww
そしてラストに登場の閻子ちゃん、どんなキャラか気になるヒキですね!
斬新な家族設定ですね! でも主人公がその状況をきにしながらも、両親の元で普通に暮らせているところ、外見なんかより気持ちが通じ合っていることに家族の意義があるんだと思えました。