オリジナル(脚本)
〇アイボリー
わたしは保育士です
子供たちを相手に、1日1回は
必ず言う言葉があります
それが──
アイリ「はーいみんなぁ~ お片付けしようね~」
子供は決まって...
園児「やだあ!まだ あそぶんだもんっ!」
と、返してくる
アイリ「そ、そんなこと言わないで、ね?」
園児「やーーーーーだーーーーぁあ!」
分かるよ分かる、すっごく嫌だっていうの
わたしね、
〇オタクの部屋
君たちに引けを取らないくらい、
自分家も、散らかり放題だから...
いや、片付けたいんだよ? ?
けど、やる気と体力と
どこから手を付けるべきかで
いつも考えていると日が暮れてる
せめて自分が5人いたらなぁ~
〇オタクの部屋
アイリ「はーい!わたし、部屋の片付けしとくね」
アイリ「はーい!それじゃあわたしは、 洗濯物とか衣類についてやるね」
アイリ「はーい!わたし、全クリしてないゲーム 全クリしとくね!」
アイリ「片付け終わったから、ほかの部屋 掃除するねえ」
アイリ「はーい!こっちにいらないもの頂戴 アプリで出品するから~」
〇オタクの部屋
アイリ「はあ~~~あこがれる~」
アイリ「自分がいっぱいいたら、1日でやりたい ことがいっぱいできるし!」
アイリ「わたしがいなくても困らな...」
アイリ「はっ!」
アイリ「あーーもう日が暮れてる」
アイリ「なんでいつもいつも...っ!」
アイリ「はあ~」
アイリ「もういい、今日は諦めて」
アイリ「呑もう!」
〇オタクの部屋
アイリ「んん~~...」
アイリ「よく寝た、顔洗おうっと」
アイリ「え、だれだろ...」
アイリ「はーい」
〇玄関内
おっはよーございま~~っす♪ ♪ ♪
にのは「昨夜、ご予約承りました!」
ののは「家事代行サービスでーーーっす」
アイリ「え?家事代行?」
アイリ「そ、そんなの頼んでませんけど..?」
ののは「あれっ おっかしーなぁー」
にのは「でも、住所ここであってますよ?」
なのは「お名前は..」
ののは「"よへほや"さんでよろしかった..ですか?」
アイリ「えええ?なんですかそんな名前っ」
ののは「違いますかね、あっれえ~」
アイリ(も、もしかしてわたし、昨日の記憶が 吹っ飛ぶくらい酔いつぶれたの? ?)
アイリ(住所はこの前ポチったときの 入力履歴が残ってたから 偶然一致できてて、)
アイリ(名前は、予測変換できなくてこんな わけの分からない名前で登録して...)
アイリ(アホすぎでしょわたしっ...)
にのは「あ、あのぉ」
にのは「じゃあサービスは取り消しってことで よかったですか?」
アイリ「えと...」
アイリ「せっかく、来てもらったし」
アイリ「お、お願いしても、いいですか?」
なのは「はい!もちろんです!」
なのは「お邪魔しますね!」
〇オタクの部屋
うわー...
アイリ(さ、三人して同じ反応しなくても...)
アイリ(というか、三人とも顔がソックリ)
アイリ「あの、お三方は三つ子なんですか?」
なのは「そうなんです!」
にのは「私たち、三つ子でして」
ののは「みんなして同じ仕事で働くことになった ので、見分けが付かないからって いつも一緒に行動させられてるんです」
なのは「誰が誰のお客様で対応したかが、 分からなくなって迷惑かけたことも あるしでして──」
にのは「よし、ここの片付け終わり!」
ののは「つぎつぎぃ~♪」
アイリ「ええ、もう終わり?」
〇本棚のある部屋
アイリ「すっすす凄い...」
ののは「次はどこを掃除しましょうか」
アイリ「じゃあ、台所もお願いします...」
なのは「わっかりました~」
〇玄関内
こうして、家事代行サービスの
終了時刻が迫っていた
アイリ「本当に何から何まで、 ありがとうございました!」
アイリ「掃除から今日の晩御飯まで、 作り置きしていただいて...」
アイリ「お三方のお陰です!」
いえいえそんなぁ~~~
にのは「あ!こちら、今日のお代です」
アイリ「ええ?こんなに安いの? 三人も手配したのに?」
なのは「わたしたち、三人で1つなので 1人分のお代を請求してます!」
なのは「通常、このサービスは1家族に1人が お伺いしてますから」
アイリ「そうなんですね~」
アイリ「それだとなんか悪いから...」
アイリ「あ、ちょっと待ってて」
〇玄関内
アイリ「お待たせ」
アイリ「これを」
三つ子に手渡したのは、折り鶴だった
アイリ「わたし、仕事柄折り紙を折っているので お礼にと思って...ささやかですけど//」
うわ~~すごーい!
(わいわいわいわい...)
ああ、ごめんなさい、
はしゃいでしまいました...
とっても嬉しいです!
こちらこそ、お粗末様でした!
またのご利用を、
よろしくお願いします! ! !
〇本棚のある部屋
アイリ「本当にキレイ...」
アイリ「ツイートしちゃおうかな」
昨日の汚部屋が嘘みたい 送信
明日の自分は、三人を見習おうと思う
また来てほしいけどね
ありがとう。家事代行サービス 送信
アイリ「あ、ハッシュタグ付け忘れた...」
アイリ「#明日の自分 #家事代行サービス」
アイリ「#三つ子ちゃん」
アイリ「ふふっ♪」
「明日の自分」が「来週の自分」になってそのうち「せめて人生終わる前にはの自分」になりそうなくらい面倒くさがりなのですが、こういうストーリーを読むといいきっかけになります。顔が違うのはののはちゃんかな?
わー、アイリさん、私と同じ生態だー!酔った勢いで謎の注文をしてしまうところも同じですww(私の場合はお高い専門書でした)
こんな素敵な家事代行サービスなら頻繁にお願いしたくなっちゃいますね。1回だけじゃキレイにならないお部屋に住んでますし💦
凄く気持ちがわかってしまいます。
自分がもう一人二人いれば仕事も家のことも任せられるのに…と思いますが、きっと分身したとしても分身もサボるんだろうなぁ笑