ペットショップのある店員

どんぐり

おかしなペットショップ(脚本)

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〇明るいリビング
  ここはとあるペットショップを併用した前田家。
「おはよう」
前田公子「おはよう。朝ごはんできてるわよ」
前田英二「すぐに食べて、店の準備しないとね」
前田はじめ「そうだね、食べようか」
前田つかさ「そうね」
前田英二「つかさ、学校での様子はどうだい?」
前田つかさ「部活は演劇部にしたのよ。大いに頑張るわ」
前田はじめ「期待してるよ」
前田公子「はじめは店の準備にも頑張らないとね。高校卒業してここを継いでくれたのは嬉しいわ」
前田はじめ「そう言われると照れるよ・・・」
前田英二「とにかくご飯食べちゃいなさい」
前田はじめ「わかった。いただきます!」

〇ペットショップの店内
  そしてここがそのペットショップ。
  一見どこにでもある普通の店だ。
前田英二「さてと今日も営業開始だな」
前田公子「そうね」
  朝食後に制服に着替えたはじめが入ってきた。
前田はじめ「お待たせ」
前田英二「おお、早かったな」
前田公子「はじめもだいぶ店の仕事に慣れたわね」
前田はじめ「そうだね。僕が高校を出てこのお店の店員になって数年たつけどだいぶ動物たちの言葉がわかる気がするよ」
前田英二「次第に僕みたいに理解できるようになるさ」
前田公子「はじめ、大いに頑張るのよ」
  そこへ、制服に着替え終わったつかさが入ってきた。今から学校へ行くのだ。
前田つかさ「じゃあ私、学校行くから」
前田公子「行ってらっしゃい」
前田つかさ「兄さんも父さんと母さんの手伝いよろしくね」
前田はじめ「つかさ、気を付けてね」
  つかさが学校に行くと、面々は清掃などをして準備に励んだ。
前田英二「そろそろパートの面々も来るそうだよ。こっちはバックヤードで仕事に励むよ」
前田公子「私たちもできたらカウンターで手伝うわ」
前田はじめ「ありがとう」
  やがてパートの店員も入ってきた。
パート店員「おはようございます、店長」
前田英二「おはよう」
パート店員「今日もよろしくお願いします」
前田英二「ああ。頑張ってくれよ、宮田」
前田はじめ「じゃあさっそく準備を始めるよ」
「わかりました!」
前田はじめ「じゃあまずはケージの掃除だよ!」
  早速準備を始める一同。
白い鳥「おー来たきた」
茶色い鳥「こっちこっち!!」
前田はじめ「了解!」
パート店員「すごい!動物の言葉がわかるんですか?」
前田はじめ「ま、長く店の手伝いしてりゃ色々とね」
パート店員「ビックリです」
黄色い鳥「こっちも頼むよ」
前田はじめ「オッケー!!」
パート店員「一体どうすればあんなことができるんだろうか?」
パート店員「不思議・・・」
犬「こっちもお願い!!」
前田はじめ「いいよ!!」
  開店時間となり、シャッターも開き始めた。
前田はじめ「そろそろお客さんも来るから、きちんと応対しないと」
「はい!」
  やがてお客が入ってきた。
「いらっしゃいませ」
客「すみません、ペットを買いたいんですけど、何がおすすめですか?」
前田はじめ「こちらはいかがですか?」
チワワ「お願い!!」
客「喋ったぞ!」
前田はじめ「こちらはどうでしょうか?」
白い犬「いや、僕でしょう」
客「迷うなぁ」
前田はじめ「他にもあるのでゆっくり考えてくださいね」
客「そうするよ」
茶色い猫「部屋綺麗にして!」
前田はじめ「待ってて!」
パート店員「じゃあ私が!」
客「これにします」
黄色い鳥「色々とありがとね、はじめくん」
前田はじめ「元気でね」
  こうしてまた今日も動物が売れたのである。
前田はじめ(後で父さんや母さんに伝えないと)

〇教室
  その頃つかさは。
同級生「おはよう」
前田つかさ「おはよう。実はうち、家族でペットショップやってるけど、意外な秘密があるの」
同級生「聞きたいねそれ」
同級生「教えてよ」
前田つかさ「動物の言葉がわかっちゃうの」
「ビックリ!!」
前田つかさ「先生が来るわよ」
「着席しよう」
教諭「それでは今から物理の授業を開始します。教科書を開いてください」
  つかさは今日も勉強に励む。

〇ペットショップの店内
  昼時になるとやたら客も多くなっていく。店員も入れ替わり立ち替わりシフトが変わる。はじめに関しては休憩を入れている。
パート店員「俺上がりますんで」
パート店員「私も上がりまーす」
前田はじめ「お疲れ様!」
  やがて別の従業員が入ってきた。
パート勤務「こんちはー!」
前田はじめ「こんにちは!」
前田英二「そろそろご飯できるから、休憩しなさい」
前田はじめ「有難う」
前田英二「パート、頑張りなよ」
パート勤務「ええ!」
パート店員「今日もよろしくお願いします」
前田英二「おう、よろしく」
パート勤務「じゃあ早速スタートするか」
パート店員「そうね」
パート店員「そういえば店員のはじめくんから聞いたんだけど動物の言葉がわかるってすごいよね」
  パート従業員はケージなどの清掃に励む。
前田はじめ「お待たせ!!」
トイプードル「遅えよ!腹すかしてたんだぞ!」
前田はじめ「ごめん、ごめん。今からご飯用意するから」
パート店員「びっくりね。私の時は吠え声だけだったのに」
前田はじめ「このことは内緒だからね」
パート勤務「ちょっとヘルプです」
前田はじめ「どうしたんだい?」
パート勤務「こいつが・・・」
前田はじめ「どうしたの?」
黒いトイプードル「お腹が痛いんだよ」
前田はじめ「これはちょっとした下痢らしいね。下痢止めの薬で応急処置だ」
  数分後。
黒いトイプードル「薬が効いたみたいだ。有難う」
パート勤務「すごいですね。動物の言葉がわかるなんて」
前田はじめ「多分、僕がこの店で働くようになってからだと思うんだ、動物の言葉がわかるの」
パート勤務「ビックリですね」
  やがてお客も入ってきた。
前田はじめ「いらっしゃいませ」
母親「ここで好きなペット買うのもいいわね」
子供「そうだね!」
前田はじめ「いろんな動物がいるから、好きなのを選べます!!」
母親「ありがとうございます」
子供「ママ、あれがいい!!」
母親「ちゃんと飼える?」
子供「もちろん!!」
母親「すみません、この鳥の値段はどのくらいでしょうか?」
前田はじめ「2750円ですね、消費税込みで」
母親「わかりました」
パート店員「今ならケージとかもお買い得ですよ」
母親「じゃあお願いします」
子供「やったぁ!」
緑色の鳥「はじめくん、お元気で!」
前田はじめ「飼い主に迷惑かけないでね」
母親(気のせいかしら?)
パート店員「ケージセットに鳥の餌に先程の鳥の代金含め4290円になります」
母親「クレジットカードは使えますでしょうか?」
パート店員「使えますよ」
母親「わかりました」
パート店員「レシートとカードのお返しです。ありがとうございました」
母親「また来ますね」
パート店員「ありがとうございました!」

〇グラウンドのトラック
  その頃、つかさはというと。
体育教諭「まずはグラウンド周回!」
「はい!!」
  グラウンドを走る面々。
前田つかさ(走るのって結構気持ちいものね!)
  体育の時間だった。
体育教諭「はい、そこまで!」

〇ペットショップの店内
  やがて夕方になった。
前田はじめ「ありがとうございましたー!」
パート店員「今回もいい売れ行きだね」
パート店員「店長も店長の奥さんも助っ人してくれるから助かりますね」
前田はじめ「普段両親は伝票整理とか品物チェックしてるから、なかなか表には出ないけど、頼りになるよ」
パート店員「裏の仕事も重要ですしね」
パート店員「そうですね。裏での重要な仕事もあるからこの店があるのですし」
前田はじめ「僕も手伝ってるよ」

〇店の事務室
  一方、店のバックヤードでは。
前田英二「ふう、これでメール発送作業は完了したぞ」
「入っていい?」
前田英二「いいよ」
前田公子「あなた、お疲れ様。もう直ぐつかさが帰ってくるわ」
前田英二「ああ。あいつもいずれははじめ同様、店を継ぐかもしれんしな」
前田公子「店の手伝いも重要ですものね」
前田英二「そうだな」

〇おしゃれな教室
  その頃、つかさはというと。
演劇部顧問「それでは今日はこの辺でおしまいにします。お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
前田つかさ「じゃあ私は、今から帰って店の手伝いしますね、先輩」
演劇部員「じゃあな、前田」
演劇部員「また明日!」
前田つかさ「お疲れ様でした!」
演劇部員「お疲れ様。今度あなたの家のペットショップに寄っていいかしら?」
前田つかさ「構いませんよ、先輩。地図、渡しておきます」
演劇部員「ありがとう」

〇ペットショップの店内
  やがて、つかさが帰宅。
前田つかさ「ただいま。お店手伝うね」
前田はじめ「その前にはまず、勉強だ」
前田つかさ「解ってるわ」
  つかさは高校生なので、勉強にも必死に励んでいる。
パート店員「可愛い妹だな」
前田はじめ「まあね」
  つかさも助っ人に回ることに。
前田つかさ「お待たせ」
  また客が入ってきた。
男性客「すみません、鳥の餌を買いに来ました」
前田はじめ「こちらになりますね」
白猫「こっちもお願いします」
前田はじめ「解った、解った」
男性客「じゃあこちらにしますね」
  はじめが猫の面倒を見てる傍らでつかさは急いでレジの応対に入る。
前田つかさ「はい、レシートとお釣りのお返しです。ありがとうございました」
男性客「ありがとうございました。また来ますね」
  やがて閉店時間になった。
前田はじめ「じゃあ掃除を始めるよ」
前田つかさ「指示に従ってくださいね」
パート店員「分かりました」
  やがてパートたちも帰っていくことになった。
パート店員「店長、お疲れ様でしたー!!」
前田つかさ「掃除が済んだらご飯にしましょう」
前田はじめ「そうだね」
白猫「ケージの掃除もよろしくね」
前田はじめ「はいはい」

〇明るいリビング
  夕食の時間になった。
前田はじめ「今日も大いに頑張ったよ」
前田つかさ「お客さんにも喜んでもらえたし、動物たちも喜んでたわ」
前田英二「それは何よりだね」
前田つかさ「私ね、将来はこの店を継ぎたいのよ」
前田公子「もしかして、この店が好きだから?」
前田つかさ「そうかもしれないわ。小さい頃、いつもお父さんとお母さんの活躍してる姿を見てたもの」
前田はじめ「僕だってそうだよ。 つかさと一緒に手伝いしてたしね」
前田つかさ「兄さんってば・・・」
前田英二「そう言ってくれると嬉しいもんだよ」
前田公子「私だってそう思うわ。後継ぎがいなきゃこの店は成り立たないもの」
前田つかさ「そうね。私も勉強とお店の手伝い、ちゃんと頑張るわ」
前田はじめ「僕も引き続き頑張るよ。このお店、ずっとあり続けたいし」
  はじめは明日もまた、動物と会話をしつつ、店員としての腕を磨く。この店を守り抜くために。

コメント

  • 家族経営でお店をやってる。仲良しの理想的な家族ですね♡とてもほっこりします。作者様の優しさが、にじみ出ていて素晴らしいです!!
    そして動物たちも愉快で楽しいww
    動物の言葉が解ったら、世界が変わるでしょうね。そんなこともふと想像してしまう素敵な作品でした😃

  • 動物の言葉がわかる最大のメリットは体調の悪さを伝えてもらえることですね。見た目は可愛いのに口の悪いトイプードルはいい味出してました。あと、売れた鳥たちが「はじめくん、世話になったね」と声をかけて店を出るのがほっこりしました。

  • 私もよく子供たちにお話を作って聞かせますが、その時も動物と話せる設定にしています。動物たちがしてほしいことを伝える様子や喜ぶ気持ちがよく分かる楽しいお話でした。また、登場人物がみんないい人で安心して読むことができました。

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