クラークコードー愛to憎しみの歴史IF小説ー

神テラス

第10話「時計台での決闘」(脚本)

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〇木造校舎の廊下
野村教授「事実に関する資料は、全て廃棄したはずだった・・・。1枚の写真を除いてな」
  野村教授はおもむろに話を始めた。
ワタシ「それが、女学生達と、札幌農学校一期生の男子学生達が共に写っていた写真か!」
  渡氏がそう述べると、教授はニヤリとした表情を浮かべて話を続けた。
野村教授「彼(丸中教授)はその写真を見つけ、真相を調べるために、同僚の私に意見を求めてきた」
野村教授「「野中先生、大発見です!」とね」
野村教授「私は彼を葬るしかなかったのだ」
野村教授「私は当日、彼と構内で待ち合わせをした」
野村教授「彼には簡単なゲームと称して地図を渡して、その通り構内を歩かせた」
野村教授「晩の北大構内を地図どおりに彼は歩いたのだろう。無論、その後に私に殺されるとは知らずにね」
  教授は不敵な笑みを浮かべながら述べた。
野村教授「札幌農学校は夢と希望に燃えた日本の『青年』たちが作り上げた学校だ。そこに『女子供』は必要ない」
ワタシ「国家や右翼にとっては都合の良い、青年神話か・・・・」
野村教授「もし、男子学生達がクラーク博士を見送りに行かなかったという事が明るみになれば、札幌農学校という神話がなくなってしまう」
野村教授「札幌農学校という青年神話、ひいては、日本の近代化そのものが、否定されてしまう」
ワタシ「お前達は、そのクラーク博士に関する「コード(秘密)」を守ろうとしていたのか!」
  野中教授はスーツのポケットに手を入れた。
ワタシ「真知子さん、ゆっくりとドアから出て、警察を呼んできてくれ・・・。ゆっくりで良い」
  渡氏がそう述べると、真知子さんは少し驚いた顔をした。
真知子さん「え?」
ワタシ「ゆっくりだ。ゆっくりと出てくれ」
  真知子さんは、ただならぬ何かを感じ、研究室のドアから出て行った。
野村教授「ナイフで深く一刺して丸中は死んだと思っていたが、まだ、少し生きていたとは」
野村教授「くたばる間際に、意識が朦朧とした状態で、ダイイングメッセージを残していたようだ」
  教授は不敵な笑みを浮かべながら述べた。
野村教授「君達もまた、札幌農学校の秘密、クラークコードを知りすぎた・・・。死んでもらうよ」
  教授がそう言うと、同時に拳銃を取り出した。
  その瞬間、渡氏は空中を飛び、拳銃を脚でなぎ払った。
  教授は拳銃を払われると、ナイフを取り出し、渡氏に襲い掛かかってきた。
  空中を舞ったあと、左足でナイフをなぎ払う
  だが、教授は後ろに下がり、脚蹴りを避けると、ナイフを握り返して再度、襲い掛かった。
ワタシ「マーシャルアーツか、やべーな」
  渡氏はナイフの攻撃に対して、必死で防戦をしていた。
野村教授「私は、中南米に留学したことがあってね。そこで、退役軍人から軍事教練を受けたこともあるんだよ」
  ニヤリと教授は笑う。

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