腰抜け将軍と戦国JK

kujyakugumo

腰抜け将軍と戦国JK(脚本)

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〇図書館
とあるJK「レポート、めんどくさいな〜」
  ドサッ
  何か大きなものが落ちるような音がした
???「痛いでござる・・・」
とあるJK「あ、あんたどっから・・・」
???「ここはどこじゃ!? きょうのすけ〜、父上〜 ううっ・・・ ぐすっ・・・」
とあるJK「ちょっと・・・ なんで泣いてるのよ・・・」
???「帰りたい・・・ 安全城に・・・」
とあるJK(安全城・・・ まさか・・・!?)
とあるJK「貴方もしかして・・・ 弱之助!? あの有名将軍、最弱之助なの!?」
最弱之助「そうじゃ・・・ お主、もしかしてわたしを知っておるのか?」
とあるJK「知ってるも何も、あなたは有名な将軍で、私、よくあなたのこと調べていて・・・」
最弱之助「本当か! 私はここから帰りたいんだが、何とかしてくれぬか? お主だけが頼りなのだ 帰り道が分からなくなってしもうて・・・」
とあるJK「そんな事言われても・・・ 私もどうしたらいいか・・・」
最弱之助「私はここで死ぬのか・・・」
とあるJK(伝記通り、本当に情けない人・・・ でもこのまま放っておく訳にも行かないし・・・)
とあるJK「よし!!私についてきて!!」

〇見晴らしのいい公園
最弱之助「なるほど・・・ お主の名前は勝美というのか。 そして私は今、私のいた時代よりもはるか先の時代にタイムスリップしたと・・・」
勝美「あんな取り乱してたのに飲み込み早すぎでしょ・・・ ていうか将軍が横文字使わないでよ なんか嫌なんだけど」
最弱之助「私はタイムスリップしてしまったのか・・ どうすればこのタイムスリップから抜け出せるか・・ 解決の鍵はタイムスリップし・・」
勝美「あんたタイムスリップって言いたいだけでしょ。 ていうか、これからどうするのよ」
最弱之助「戻り方も分からぬし・・・ そうだ、勝美どの 先程私の伝記があると言っておったな? それを見に行くというのはどうじゃ?」
勝美「ちょ、ちょ、ちょっとまって!」
最弱之助「どうしたのだ? 勝美どの」
勝美「わ、わたし、あなたの勇敢なエピソードが大好きなの! 伝記じゃなくて、私の口から聞いて欲しいな、なんて・・・」
最弱之助「ふっはっはっはっ・・・そうかそうか・・・ もちろんだとも勝美どの、お主の話、いくらでも付き合うぞ!」
勝美「それじゃあ・・・」
  勝美は、伝記で学んだ弱之助のみっともない話を、弱之助が喜びそうな感じに作り替えながら話した。

〇見晴らしのいい公園
勝美「はぁ・・・ もう語り尽くしたかな・・・ すっごい長くなっちゃたけど・・・」
最弱之助「ふふっ・・・ すごく面白かったぞ、あっという間に時間が過ぎてしまった。 きっと、勝美どのの話し方が上手かったからだな・・」
勝美「ありがとう・・・ なんか私も楽しくなっちゃって・・・」
勝美(嘘のこと話しちゃった。 申し訳ないことしたかなあ・・・ でも、本当のこともいくつかあったんだよ・・・)
そこら辺のチンピラ「おい! そこの女! 俺と遊びに行かねえか?」
勝美「えっ・・・ わたし!?・・・」
そこら辺のチンピラ「おうよ な?行こうぜ、こんなやつ置いてさぁ」
  チンピラが勝美の腕を乱暴に掴む
勝美「いやです! やめてください!」
最弱之助「おい!やめろ! 勝美どのに乱暴するな!」
そこら辺のチンピラ「うるせえ! 変な格好してるくせによぉ!」
  チンピラの拳が弱之助の顔面に直撃した
最弱之助「ぬうっ・・・ なんのこれしき・・・」
そこら辺のチンピラ「オラァ!オラァ!」
  チンピラは、間髪入れずに弱之助に拳を振るった
勝美「もうやめてください!」
そこら辺のチンピラ「ちっ・・・ 冷めちまったじゃねえか・・・」
  チンピラは、唾を吐き捨てると、どこかに行ってしまった
勝美「ごめんなさい・・・ 痛かったよね・・・」
最弱之助「大丈夫さ これくらい、いつもの事だ 私は毎日・・・」
勝美「えっ・・・!?」
  弱之助の身体がほのかに光り、消え始めている
最弱之助「これは・・・ ここに来た時と同じ・・・」
最弱之助「勝美どのともこれでお別れか・・・ 今日は感謝する。勝美どの また会えたらどこかで・・」
勝美「わ、わたし! 秘密にしてたことがあるの!」
勝美「本当は、本当は! 伝記の中の貴方はみっともなく書かれていて! みんなあなたの名前を見て笑ったりするの!」
勝美「部下が戦っているのに、貴方は怖くて動けなかったり 農作業をしている時に、転んで膝を擦りむいただけで泣いたり」
勝美「みんなそれを見て言うの 『他の人の方がかっこいいよ』 って」
勝美「でも私は・・ 怖くても逃げないで立ち向かおうとするところとか 農民の手伝いを一生懸命するところとか そういうところが・・」
最弱之助「分かっていたよ」
  弱之助は優しく答えた
勝美「え・・・」
最弱之助「私はそんなに強い人間ではないから、自分が一番、分かっている。 しかし、 本当のことも、いくつかあったんだろう?」
勝美「うん・・・」
最弱之助「いいんだ、私は今日ここに来れて、良かったと思っているよ たった1人でも、私の事を誇りに思ってくれる人間がいたからね・・・」
  弱之助の身体は、もうすぐ消えるところまできていた
勝美「わたし! あなたのこと尊敬してるし! あなたの頑張り屋さんな所、大好きだよ!」
最弱之助「私も、 勝美どのに会えてよかった。 その優しい心、いつまでも大事にして欲しい」
最弱之助「私にもあった、逃げずに立ち向かう心 勝美どのにもきっとある。 お主は私の誇りだ。 では、またな・・・」
勝美「うん・・・」
勝美「またね・・・」
  弱之助の姿は消えていた。元の時代に帰ったのだろう
勝美「弱いけど・・・」
勝美「かっこいいんだから・・・!!」
  勝美はその夜、レポートに逃げずに立ち向かったのだった

コメント

  • 人との出会いは出会うべくして、、、と聞いたことがあります、このお二人も何かをお互いから学ぶためだったんでしょうね、腰抜け将軍、、、(笑)

  • 「タイムスリップって~」のところで笑ってしまいました笑
    二人とも優しい人なんだなぁってほんわかした気分になりました。
    いいところに目がいく人って素敵な考え方が出来る人なので。

  • タイムスリップの言葉を連呼しているところがとっても笑えました。戦国武将が未来に来るパターンはあまりないですね。未来にタイムスリップの話もいいです。

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