エピソード3 新たな刺客(脚本)
〇謁見の間
バックススター「コメダ、コメダよ、応答せよ! く!サンマルクもブルーボトルも反応が無い。もしかして、例の日本支部の発見は本物だったのか?」
バックススター「仕方ない。更なる調査部隊を派遣するか。タリーズ!ドトールよ!日本にいる猿田彦と合流し、」
バックススター「コメダ、サンマルク、ブルーボトルたちと通信が途絶えた付近を調査するのだ!くれぐれも油断しないように」
戦闘員 タリーズ「バックススター様、コメダは、偵察能力は高いが戦闘力は大したことはありません。他の2人は、通常武器使いです」
戦闘員 タリーズ「恐らく日本ということで、武器の選択も誤ったのでしょう。特にサンマルクはバカですから」
バックススター「仲間のことを悪く言うのは、およしなさい。サンマルクも可愛いところがあるのですよ。私には、いつも従順ですから」
戦闘員 ドトール「まあ、誰が相手でも、私の古代魔法には敵いませんよ。詠唱が終わってしまえばね」
戦闘員 タリーズ「確かにドトールの魔法は、フィニッシュには向いているが、その為のガード役が必要だと言うことを忘れるなよ!」
戦闘員 ドトール「はいはあい♪ 頼りにしてるわよ!タリーズ兄さん!」
戦闘員 タリーズ「ク、だから、いつもお前は!」
バックススター「無駄話は、その辺にして、早くお行きなさい。吉報を待っているわ」
戦闘員 タリーズ「ア、アラホラサッサ! 行って参ります」
戦闘員 ドトール「もう、その返事の仕方、絶対ヤダァ!」
〇宇宙船の部屋
ベガ「リスグラシュー様、美味しいケーキ、しかも沢山ありがとうございました♪」
リスグラシュー「どれも美味しかったわね。気に入ってもらって良かったわ」
リスグラシュー「それより、お願いがあるの!」
ベガ「なんでしょう?」
リスグラシュー「先日、帰還時に間者に襲われたのは、知ってるわよね。あの時、殿下が護ってくれたけど、私は、何もできなかった」
リスグラシュー「できれば、私も殿下を護って盾ぐらいの役にはたちたいの。でも、殿下に直接話したら、絶対に断られると思うの!」
リスグラシュー「だから、万が一の為、私にもメタモルフォーゼスーツを使えるようにして欲しいのよ」
ベガ「あのスーツは、確かに一時的にあらゆる能力を向上させますが、基本的な体力や身体の使い方、格闘技等をマスターしている必要が」
リスグラシュー「あります。姫様は、それらの心得が無かったと思いますが。それでもよろしいのですか?」
リスグラシュー「だから、そこを何とか身に付けただけで、色々できるようにして欲しいのよ!ベガにしか頼めないのよ。お願い!」
ベガ「わかりました。私も日本のTVで、ヒーローモノや漫画も読んでます。新しいスーツに弱い筋力でも対応できる変身スーツを製作」
ベガ「してみます。女性らしい、長拳、太極拳、合気道等を中心にスーツと姫様のチップに同時にインストールします」
ベガ「後は、気を体感してください。気功メニューもインストールするので、後は体感と反復練習あるのみです!頑張ってくださいね」
リスグラシュー「ありがとう!流石ベガね! 本当に頼りになるわ! 早速、トレーニングを始めるわね」
〇研究所の中枢
ベガ「リスグラシュー様に頼まれては、断らなかったけど、博士と違って、私にできるかしら?」
ベガ「でも、博士は、人は、イメージしたものは、必ずできると仰ってましたから。 きっと、私にも作れるはず」
ベガ「楽しみにしてくださいね。姫様。 少し、3年間で学んだ私の好みも入れて、挑戦してみましょう!」
リスグラシュー「もう、できたの? 思ったより早かったわね」
ベガ「試着して、テストを繰り返して、本番を作成しますので、正確には、制作途中です。 では、この言葉を力強く、発言お願いします」
ベガ「変身!!」
リスグラシュー「変身!!」
リスグラシュー「え?え?」
リスグラシュー「あら?変わったわ! さっき、一瞬、下着になったのは何故なの?」
ベガ「変身は成功ですね。ムートロンエネルギーによって、下着以外の服を一瞬で、変身スーツに変換させたのです」
ベガ「下着ごと、変換してしまうと、ゴワゴワして、着心地が良く無いと思いまして。いかがですか?」
リスグラシュー「なるほど!確かに、下着が無い状態に変身というのも困るわね。変身の一瞬でも、眩しく光るようにしてちょうだい」
ベガ「了解です。次は、アクションプログラムの確認です。準備は、良いですか?」
リスグラシュー「ハイ!旋風脚! 化頸で、敵の突きを受け流し、粘着しながら、捌き、倒す! 倒れなかった時は、両掌を突き出し、双頭掌!ズドン」
ベガ「攻撃を避ける足捌き、目付、相手の動きを読む未来予測等もプログラムされております。 いかがですか?」
リスグラシュー「なんか、私、とっても強くなった気がしますわ!もしかしたら、殿下より強いかも?」
ベガ「それは無いと思いますが。奥義まで発動できるようになったら、良い勝負できるかもしれませんね」
リスグラシュー「ありがとうベガ。これで、私も闘える気がするわ」
〇海辺
シャフリヤール「なんか、最近、ケントと会う時は、夕暮れ時が多い気がするな」
子安ケント「夕暮れは、別名を黄昏れ時と言って、あの世とこの世もしかしたら、別の世界との境目を表してるとも言われてるんだ」
シャフリヤール「なるほど。次元の狭間が、時間によって変化するか。時空間は、常に一定であるようでいて、常に変化している波を表現してるのかも」
子安ケント「そんな事より、例の3人から、何かわかったことはあるのかい?」
シャフリヤール「ああ。まだ、全て解析できていないが、彼ら3人は、普通の地球人であり、日本人だった。だが、彼らに私達を調査する指示した」
シャフリヤール「者達は、どうやら、アトランティスの生き残りの勢力のようだ。多くは知らされず、所詮、彼らは、傀儡に過ぎない」
シャフリヤール「私達と同じようなチップの埋め込みがあった。少し技術が違うようだが。当時のユニバーサル規格で、一部解析が出来たのさ」
シャフリヤール「気になるのは、彼らは、その組織の日本支部だということ。海外にも組織の支部があり、たまたま、私たちに近い場所にいた」
シャフリヤール「彼らが、派遣されたという構図だ。 アトランティスが、いつの時代から、現代の地球に影響していたのかは未知数だ」
子安ケント「なるほど。でも、彼らとアトランティス側の連絡が途切れてるということは、当然、異常に気付いてるはずだよな?」
シャフリヤール「ああ。だから、恐らく近いうちに、通信が途切れたこの辺りを調査部隊が来る可能性は高いはず」
子安ケント「それは、いつ頃なんだろうか?」
シャフリヤール「それは、私にもわからない。しかし、常に用心が必要だと思う」
戦闘員 タリーズ「フ、それは、今かも知れないなあ。 コメダ達を攫ったのは、お前達か?」
シャフリヤール「君達は、何者だ? もしかして、アトランティスの使者か?」
戦闘員 タリーズ「フ、さあな? だが!先に質問してるのは、俺だ! 質問に質問を返すとは、礼儀知らずだな!」
戦闘員 ドトール「もう、タリーズ!問答無用で、気絶させてから、情報引き出そうよ!」
戦闘員 タリーズ「静かに呪文の詠唱だけ、先にしていろ! 先ずは、俺が、あいつの力を測ってやる! 行くぞ!」
子安ケント「おっと!あんたは、素手で攻撃するのか? それなら、先ずは、俺が相手だ!」
戦闘員 タリーズ「貴様のような若造に興味は無い! ましてや、羊のような日本人にはな!」
子安ケント「それは、聞き捨てならないなあ。 日本人にも骨太な奴もいるんだぜ! フン!」
──拳に赤いオーラを纏わせ、軽く放ったジャブのワンツーも、大気を震わせた。軽く後ろにスウェイで交わすケント。
──内側に右拳を捻り込むように回転させたタリーズの必殺ブローが、ケントの顔面にヒットする刹那!ケントが反撃技を繰り出す。
子安ケント「八極拳奥義!猛虎硬爬山!」
戦闘員 タリーズ「ガハ! な、なにい?」
子安ケント「ム!完全に決まらなかったか! トドメの1発! 少林拳奥義!胡蝶掌!」
戦闘員 タリーズ「グフウ!ま、まさか、こんな現代の日本人の若造にここまでの強さがあるとは!?」
子安ケント「まだ続けるかい?降参するなら、話し合いの余地はあるぞ」
戦闘員 タリーズ「グ!フ、フハハハハ! ただの小手調べで、もう、勝った気でいるのか。本当に現代の日本人は、浅はかで滑稽だな!」
戦闘員 タリーズ「フウー、ハアー! まさか、貴様如きに、私の仮の姿を見せてやることになるとはな。こうなると、手加減できんぞ」
戦闘員 タリーズ「我が親愛なるバックススター様、我が秘技をもって、彼らを血祭りに致します。 ヌウウウン!!」
バックススター「なりません!タリーズ! あなたの力は、この次元では大き過ぎます。万が一、彼らの母船に影響があっては私が困ります」
バックススター「私は、貴方達に言いましたよね?日本にいる猿田彦と一緒に行けと。何故、2人で挑んでいるのですか?」
バックススター「彼は、妖術使い。貴方達3人が組めば、本気を出さずとも、結果を得られるはず。 ここは、一旦、引くのです!」
戦闘員 タリーズ「グ!しかし!日本人如きに舐められては!」
バックススター「口答えは許しません! サンマルクなら、素直にききましたよ!」
戦闘員 タリーズ「は!かしこまりました。 ドトール!ここは撤退だ! ケントとやら、次は、無いからな。 せいぜい、短い余生を楽しむが良い」
戦闘員 ドトール「えー、せっかく詠唱終わってたから、トドメに使おうと思ってたのにー! せめて、これくらいは!!」
戦闘員 ドトール「ブラックマジック発動! サンダーアタック!!」
シャフリヤール「ク!間に合うか!? メタモルフォーゼ! チェンジ タイプ アクセラレータ!」
──魔法陣がケント達の目の前に現れたと同時にシャフリは、スピードタイプのスーツを見に纏い、雷撃魔法が落ちる寸前に
──ケントを抱えて、移動し、雷撃の直撃を避けることが出来た。
シャフリヤール「ハアハア、間一髪だったな。 もっと遠距離から狙い撃ちされていたら、危なかった。威力は凄いが戦術は知らないようだな」
子安ケント「今のは、魔法攻撃? アニメでしか観ないものを初めて見たよ」
シャフリヤール「ヤレヤレ、ケントは呑気というか、肝が座ってるな。かなり、やばかったんだぞ、私たちは」
子安ケント「それでも、何とかなったし、生き延びることが出来た。重要なのは、そこじゃないかなあ?」
シャフリヤール「とりあえず、彼らは、何かの都合で去ってくれた。次、会う時までに対策が必要だな。 ケント、良かったら母船で話さないか?」
子安ケント「え?良いのかい?」
シャフリヤール「私達は仲間じゃないか。歓迎するよ。ムーの科学力も少し紹介したいし、ベガも会いたがっているしな」
子安ケント「では、一緒に戻ろうか。どんな船なのか、とっても楽しみだよ」
シャフリヤール「昔の基地や城に比べたら、大したものじゃないが、ケントにとっては、珍しいと思うよ。 ベガ、また海岸まで出迎え頼む」
ベガ「了解致しました。シャフリヤール殿下。 少々お待ちください。 間も無く到着予定です」
シャフリヤール「さっき、あいつが言っていたバックスター等いくつか気になる点がある。後で、皆で整理してみよう」
子安ケント「ああ。なんか、魔族ぽい者に変身もしてたしな。魔法攻撃についても、俺たちが知らないことばかりだ」
シャフリヤール「一先ず、母船で作戦会議だな」