黄昏れ時のリフレイン

天馬流星

エピソード2 不穏な影(脚本)

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〇街の全景
  ──食事の後、街を散策中
シャフリヤール「いやあ、寿司は、想像以上に美味しかったよ。データでは、米に魚の切り身を乗せただけ。しかし、食べてみて驚いたよ!」
リスグラシュー「私は毎日でも食べられそうでしたわ。 また、連れてってくださいね」
渚 カオル「毎日だと飽きるかもしれないけど、また一緒に食べたいね!」
子安ケント「そうだな。シャフリが食事代出してくれるなら、いつでも行けるかもしれないな」
シャフリヤール「私達は、まだまだ、現代について疎い。色々勉強させてもらっているお礼だと思って欲しい」
米田(コメダ)「こちら、米田(こめだ)。特殊な内蔵チップの反応が出ている人物を特定した。接触しますか?指示をください。バックススター様」
バックススター「そうですか。ご苦労様。その周辺で彼らの乗物に戻る瞬間まで、泳がせなさい。確信できるまで、接触しないこと」
バックススター「ただし、彼らの会話が傍受できるなら、なるべく行ってください。くれぐれも気付かれないようにね」
米田(コメダ)「は!お任せください。必ずや、彼らの乗物の手掛かりを持ち帰ります」
バックススター「あれから一万年以上、この世界に不時着してから、我らの乗物は、故障し、修理することが出来ずに留まることしかできなかった」
バックススター「結界を張りつつ、オーバーテクノロジーで時の文明を支配した我々は、超古代文明の末裔が出現する時期を待ち続けた」
バックススター「表向きは、協力し、時の権力者が栄えるあらゆる知識を与えてやった。しかし、文明を加速しても我々のレベルまでは」
バックススター「未だに到達していない。高次元航行する為には、彼らのスペースシップが必要なのだ。何としてでも入手したい!」
米田(コメダ)「彼らは4人組で、そのうち2名から、チップの反応があります。これから、ケーキ屋に寄るようです。念の為、応援お願いします」
バックススター「わかりました。応援を手配します。あなたの座標に送ります。ケーキには、私達のコーヒーが合うと教えてあげたいわ」
子安ケント「さて、お寿司も食べたし、デザートのケーキを食べに行こうか。その後は、どうする?」
渚 カオル「ようやく、ウチのケーキを食べてもらえるね!楽しみにしてて!絶対に美味しいから!」
リスグラシュー「それは、とっても楽しみですわ!」
シャフリヤール「とりあえずケーキを食べたらベガの分をお土産に一旦、船に戻ろうと思う」
子安ケント「そうか。それなら、別れる前にスマートフォンを俺が2台追加で契約するから、それを2人に渡すよ。これで、いつでも連絡できる」
シャフリヤール「電話のようなものか?それはありがたい。我々は、チップ同士で、以心伝心できるから、何も持たなくて良いんだ」
子安ケント「へー。でも、考えてることが全部繋がるのも怖いな。プライベートも無さそうだし」
シャフリヤール「信頼してる者同士は、そんなことは気にしない。慣れ次第だな。ケントもチップを入れてみるかい?」
子安ケント「い、いや、俺は、まだ遠慮しておくよ」
渚 カオル「私は、ケントが入れるなら、一緒に入れてもらいたいなぁ」
子安ケント「ま、まあ、そんなに焦らなくても良いかなあ。あ!もうすぐ、カオルの店に着くぞ!」

〇ケーキ屋
渚 ゲンゾウ「いやあ、いらっしゃいませ!ケント君。 なんだ、カオルも一緒だったのか?」
子安ケント「ご無沙汰してます。おじさん。 最近、色々、調べ物してて忙しくて」
渚 ゲンゾウ「そうか。若いうちは、どんどん勉強して、立派な社会人にならないとな。就職先は、地元でしてくれれば、それが一番嬉しい」
子安ケント「え?学生は勉強が本分なのは当然だけど、なんで就職先が、地元の方が嬉しいんですか?東京進出も選択肢の一つかなと考えてます」
渚 ゲンゾウ「そりゃあ、可愛い娘が、遠くに嫁ぐより、近くにいて、できれば店も継いでくれると、尚、嬉しい。しかし強制ではないさ」
渚 カオル「お、お父さん!何、変な事言ってるの! わ、私とケントは、ただの幼馴染なだけよ! 変なこと言わないで!‥」
渚 ゲンゾウ「そうなのか?いつも2人で遊んでるからてっきり。じゃあ、これから、閉店まで、店番頼めるか?」
渚 カオル「わかったわ。着替えてくるね。 じゃあ、ケ、ケント、後はよ、よろしくね。オススメのケーキは、お父さんに聞いて」
子安ケント「あ、ああ。仕事頑張ってな。 じゃあ、イチゴショート3つと、お土産にケーキを数種類お願いします」
渚 ゲンゾウ「はい、毎度ありがとうございます。あー言ってるが、娘は、いつも君の事を楽しそうに話してるよ。シェルターも買わされたしなw」
子安ケント「そうですか。でも、シェルターは、万が一に備えていつでも使えるようにしておいてくださいね」
シャフリヤール「では、ケーキもいただいたし、例の浜辺に戻ろうか。リス」
リスグラシュー「はい。今日は、ケーキだけでなく、土産話も沢山持って帰れそうですね」

〇海辺
シャフリヤール「さて、ベガとコンタクトを取る。 ベガ、聞こえるか?私だ。 母船を浜辺まで頼む。一度、私達は帰還する」
ベガ「こちらベガ。 おかえりなさいませ、シャフリヤール殿下。 これより、殿下の座標近くに母船をワープさせます」
ベガ「間も無く到着致します。 衝撃に備えてください」
米田(コメダ)「バックススター様!彼らの母船が、海岸にやってくるようです。どうやら、一時的に帰還する模様。いかが致しますか?」
バックススター「米田!応援のスタッフと一緒に2人を取り押さえなさい。2人が難しければ、1人でも構わない。やり方は任せます」
米田(コメダ)「いいか2人とも!バックススター様の長年の願いが、我らの働きにかかっている!彼らの母船を手に入れるのだ!」
戦闘員 サンマルク(赤髪)「だってよ!青」
戦闘員 ブルーボトル(青髪)「命令には、了解といえ!これまで訓練してきたことを遂行するだけだ。問題無い」
米田(コメダ)「おーい!そこにいる君たち!君達に聴きたいことがある。少し、話をしないか?」
戦闘員 サンマルク(赤髪)「話し合いなんて、めんどくせぇ。 ぶん殴っちまえば、はえーよ。米田のオッサンよー」
戦闘員 ブルーボトル(青髪)「上官に口答えをするな!赤髪!」
子安ケント「おい、シャフリ。あの黒スーツのおじさんは、知り合いかい?なんか、怪しいんだけど?」
シャフリヤール「ふむ。私にもわからないな。しかし、あの連れを見ると、笑顔の裏が気になる。間も無く母船が来る。どうしたものか?」
シャフリヤール「ベガ!聞こえるか? 到着地点付近に怪しい者が現れた。なるべく母船の存在を知られたくない。出現を遅らせることはできるか?」
ベガ「既に出現ポイントに向けてワープ中です。間も無く到着します。今からの変更は無理です!出現と同時にカモフラージュは施します」

〇UFOの飛ぶ空
ベガ「海辺上空に出現! 同時にバリアー展開! カモフラージュ起動!」
ベガ「シャフリヤール様、上空にて、指示を待ちます」
シャフリヤール「ありがとうベガ。ついでにこの海岸から半径500メートル付近にバリアとバリア空間にカモフラージュをかけてくれ!」
ベガ「了解しました。直ちに処理します」
米田(コメダ)「あ!あれは、一瞬UFOみたいなものが見えて、消えた。どうやら、間違いないようだ」
米田(コメダ)「あそこの3人に詳しいことを聞くとしよう」
子安ケント「そこのスーツのオジサン!俺達になんかようかい?一緒の2人が、軍服みたいなのが、気になるんだけど?」
米田(コメダ)「怪しいものじゃないよ。ちょっとオカルトについて調べていてね。先日、この辺りでUFOらしきものを見たという噂を調べに」
米田(コメダ)「きたのさ。現場付近に君達がいたから、色々質問させてくれないか?手間は取らせないさ。大人しく答えてくれたらね」
シャフリヤール「ほう。では、大人しく答えなかったら、どうだと言うのだ?私達が答えられるものは、何もない!」
戦闘員 サンマルク(赤髪)「めんどくせぇ!手っ取り早く、吐かせましょう! オラァ!大人しく、質問に答えやがれ!」
子安ケント「やれやれ。まだ、お前達、何の質問もしてないんだが、いきなり暴力とは、困った奴らだ。正当防衛ということで良いか?」
  ──赤髪の男が、シャフリヤールに向かって殴りかかってきた刹那!ケントが、赤髪の脇に向かって肘打ちを放ち、赤髪はグハ!
  と呻めきつつ、横へ吹っ飛んだ。
子安ケント「八極拳!外門頂肘!、崩れずに吹き飛んだか。俺の修行もまだまだだな。 さあ、次は、どちらが相手だ?」
米田(コメダ)「全く、赤髪め! 君は何か学んでいるのかな? しかし、所詮は、素人。 対武器は、怖くて、動けないだろう?」
  ──スッと、米田は、懐からナイフを出し、構えた。そして、青髪の男に目配せをすると、青髪の男もスタンガンロッドを出してきた
シャフリヤール「ケントありがとう。だけど、対人はいけそうだが、対武器の相手の経験はあるか?」
子安ケント「実は、ほとんどない。セオリーは学んでいるが、実戦で対武器の相手はこれまで遭遇しなかったから」
シャフリヤール「わかった。私は、戦闘も戦争指揮の経験もある。ここは、私に任せてくれ。目覚めたばかりだから、本調子では無いけどな」

〇電脳空間
シャフリヤール「メタモルフォーゼ! チェンジ!タイプ アクセラレータ!!」
シャフリヤール「私のスピードについてこられるかな? 行くぞ!!」
  超加速したスピードで、シャフリは、米田の背後に廻り、先ず、首元にバシ!と手刀を喰らわす。
シャフリヤール「1人目! 次!!」
  ──米田に続いて、一瞬で、青髪の目の前に現れ、正拳突き1発ドン!!で、青髪は、衝撃が、内部に走り後ろではなく、崩れ落ちる
  ──倒れてる3人をまとめてうつ伏せに並べて、腕にそれぞれ、光の腕輪をつける。
シャフリヤール「フー、とりあえず、こんなものか。 この3人は、私から聞きたいことがある」
シャフリヤール「もしかしたら、現代人以外の情報が得られるかもしれないしな。  ケントは、怪我は無いかい?」
子安ケント「なんか凄いな。そのスーツもスピードも。ほとんど見えなかったよ」
シャフリヤール「この戦闘用スーツは、スピードタイプ、パワータイプ、各種武器を内臓したフルアーマータイプと大きく3種類あるんだ」
子安ケント「そうなんだ。なんか戦隊モノや映画でみたアベン〇〇〇〇ズみたいだな。まさか、本物を見る事になるとは思わなかった」
子安ケント「それで、こいつら、どうするんだ? 警察に出すかい?」
シャフリヤール「できれば、私達の存在も公にしたくない。 マザーシップには、捕虜用の留置所があるからな。一先ず、そこへ連行する」
シャフリヤール「寝てる間にチップを入れて、そこから、必要な情報を得て、危険が無いと判断したら、記憶消去して解放する。そうで無ければ」
シャフリヤール「内容により、即処分するか、彼らを遣わしたモノとの取引に使わせてもらう」
子安ケント「現代の地球人だけの話で済まなかったら、俺達の法も通用しないかもしれないしな。慣れてるシャフリの判断を信用するよ」
シャフリヤール「ありがとう。モラルも正義もその時代、双方の正義により変化するからな。なるべく悪いようにするつもりは無い」
リスグラシュー「あ、あの殿下。さっき、赤い髪の男が飛んで来た拍子に転んでしまって、お土産のケーキが、潰れてしまいましたわ」
子安ケント「それは、済まなかった。シャフリを守ろうと必死だったんだ。発勁が、敵の体内で爆発してたら、真下に崩れ落ちていたんだが」
子安ケント「俺の爆発呼吸と発勁の威力が未熟なので、勢いよく、横に飛んでしまったんだ。ケーキは、弁償するよ」
シャフリヤール「ケントは、私の為に護ってくれたんだ。お礼を、するのは、私の方さ。ケーキ代、改めて、私に出させてくれ」
シャフリヤール「私達は、この者達を母艦に連れて行く。その間にケーキを買ってきてくれないか?ケント。私たちは、ここで待ってるから」
子安ケント「ありがとう。さっきより、美味しいケーキを持ってくるよ。では、後ほど」

〇ケーキ屋
渚 ゲンゾウ「おや、また、来たね。 もしかして、娘に会いに来たのかい?」
子安ケント「い、いや、そうじゃなくて。 さっき買ったケーキをリスグラシューさんが、転んでしまって崩れてしまったんだ」
渚 カオル「ケントがちゃんと持ってあげて無かったからじゃないの?昨日、取りに来てくれなかったバチがあたったのかもね?」
子安ケント「まあ、そう言うなよ。こうやって、カオルが働いてるところも観れたしさ。頑張ってるね」
渚 カオル「は、早く、代わりのケーキ持っていってあげて」
子安ケント「あ、ありがとう。 じゃあ、また、連絡するよ。 頑張れ、よ!」
渚 カオル「ケントに言われなくたって、頑張るわよー」

次のエピソード:エピソード3 新たな刺客

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