今田家 - IMADAKE -

Nazuna

今田家:最強のファミリー(脚本)

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〇簡素な一人部屋
「はい、今田です」
  どうも、泉です
「・・・ああ、泉さん」
「今日はどういったご要件で?」
  いえ、今度また一緒に食事でもどうかと思いまして
「時間と場所は?」
  oo県のxx区にある倉庫、今日の20時でどうでしょうか
「構いませんよ」
  コーヒーを注文して、お待ちしております
  それでは
「はい、また」
今田ワタル「・・・ユウト、ミウ」
今田ミウ「はい、お父さん」
今田ワタル「外出の用意だ」
「了解」

〇通学路
近所のおばさん「あら、今田さん」
近所のおばさん「家族でお出かけですか?」
今田ワタル「ええ、まあ」
近所のおばさん「相変わらず仲のいい家族で羨ましいですわ」
今田ワタル「佐藤さんは、犬の散歩ですか」
近所のおばさん「そうですわ」
近所のおばさん「ほら、ポチ、ご挨拶なさい」
犬「ヴヴヴ・・・」
近所のおばさん「あれ、ポチちゃん、どうかしたの?」
犬「ヴ──」
今田ワタル「あはは、嫌われちゃったみたいですね」
近所のおばさん「ごめんなさい、普段は人懐っこいのに・・・」
今田ワタル「いえいえ」
今田ワタル「それでは、私たちはこれで」
近所のおばさん「ごめんなさいね」
近所のおばさん「家族でのお食事、楽しんでくださいまし」
近所のおばさん「ほらポチちゃん、行くわよ」
犬「ヴヴヴ・・・」
今田ミウ「ね、お母さん」
今田ミウ「あの犬、気づいてたのかな」
今田サクラ「そうかもね」
今田サクラ「犬は火薬の匂いに敏感だから」
今田ワタル「さあ、先を急ぐぞ」
今田ワタル「時間に遅れるわけにはいかないからな」

〇荒れた倉庫
男「ほらよ、今週のブツだ」
ボス「ああ、確かに」
ボス「助かるぜ。最近取引先と急に連絡が取れなくなっちまったんだ」
男「礼ならそこの兄ちゃんに言ってくれ」
ボス「あんたがブツを仕入れてきたんだってな?」
ボス「しっかりと受け取ったぜ」
謎の男「・・・俺はもう行くぞ」
男「ああ」
ボス「・・・変わったやつだな」
男「ああ、だが腕は確かだ」

〇車内
謎の男「出せ」
運転手「はい」
謎の男「ふう」
運転手「上手くいきましたか?」
謎の男「あ? ああ」
謎の男「小麦粉とホンモノの区別もつかない馬鹿な連中だったよ」
謎の男「ま、騙されたことに気付くころには、あいつら全員檻の中さ」
運転手「・・・”今田家”、ですか」
運転手「私は彼らのことをよく知らないのですが」
運転手「彼らはそんなに信用できますか」
謎の男「ああ」
謎の男「仕事の成功率は100%」
謎の男「今田家は俺の知る限りじゃ、史上最高の”ファミリー”だね」
運転手「そんなにですか」
謎の男「お前もあいつらとは仲良くすることになるだろう」
謎の男「今後のために、メンバーの特徴くらいは知っといた方がいい」
謎の男「いい機会だ、教えてやるからよく聞いとけ」

〇港の倉庫
  19:58
今田ワタル「準備はいいか、ユウト、ミウ?」
今田ユウト「ああ」
今田ミウ「大丈夫」
今田ワタル「今回のオーダーは”コーヒー”だ」
今田ワタル「意味は分かるな?」
今田ミウ「分かってるって」
  コーヒー
  殺ー非ー
  殺さず鎮圧せよ、の意
今田ワタル「よし」
今田ワタル「サクラ、準備はいいか?」

〇ビルの屋上
今田サクラ「視界良好、いつでもいけるわ~」

〇港の倉庫
今田ワタル「よし」
今田ワタル「それじゃあ、全員の用意が整ったということで」
  20:00
今田ワタル「仕事を始めよう」

〇荒れた倉庫
男「それじゃあ、俺もそろそろ・・・」
ボス「なんだ!?」
構成員「ぐはあ!」
構成員「ど、どうした!?」
構成員「ぐっ」
  今田家の兄、ユウト
  通称:沈黙の暗殺者(サイレント・アサシン)
  任務中、一切音を立てずに標的に近づくことからそう呼ばれている
構成員「くそっ、よくも!」
構成員「うおおおおお!」
構成員「ぐはっ!」
今田ワタル「ほっ」
構成員「ぐうう・・・」
今田ワタル「おっと危ない」
今田ワタル「鼻血が服につくところだった」
  父、今田ワタル
  通称:清潔な殺し屋(クリーン・キラー)
  返り血を浴びることなく、スマートに標的を抹殺する
  今田家のまとめ役だ
今田ワタル「ユウト、大丈夫か?」
今田ユウト「別に助けてもらわなくたって・・・」
今田ユウト「おい、後ろ!」
構成員「よくも仲間たちを!」
構成員「ぐはあ!?」
構成員「くそ、一体どこから・・・」
構成員「ふぎゅう・・・」
  ちょっと~
  任務中に雑談しないでよね~
今田ワタル「ああ、すまん」
今田ワタル「助かったよ」

〇ビルの屋上
今田サクラ「もう、全く・・・」
今田サクラ「ま、私が撃たなくたって対処してただろうけど」
  母、今田サクラ
  通称:見えない狙撃手(インビジブル・スナイパー)
  現場には姿を見せず、遠距離からの正確無比な射撃で今田家をサポートする

〇車内
謎の男「・・・・・・」
運転手「・・・あれ」
運転手「今田家は三人だけのグループなのですか?」
謎の男「いや、実際はもう一人いるらしいんだが」
謎の男「こいつは最近現場に出てきたばかりで、情報が少ないんだな」
謎の男「俺も見たことはないが、まあ他と同じく熟練の殺し屋だろうよ」
運転手「なるほど」

〇荒れた倉庫
ボス「くそっ、一体どうなってやがる!」
構成員「ボス、あそこに女がいます!」
今田ミウ「わ、私!?」
ボス「あいつも敵の一員か?」
ボス「よしお前ら、あの女からやっちまえ!!」
「はい!」
今田ミウ「女から先に狙うなんて・・・」
今田ミウ「いい度胸してんじゃねえか糞ヤロウども~!!」
構成員「機関銃!?」
今田ミウ「死ねえええええ!!!!」
「ぐわあああああ!!」
  ちょっと~
  今日は殺しはなしよ?
今田ミウ「ゴム弾じゃ死にやしねえって!」
今田ミウ「あははははは!!」
構成員「こ、こいつ、やべえ・・・」
  妹、ミウ
  通称:なし
今田ミウ「あ~?」
今田ミウ「もう終わりかよ、なっさけねえ~」
今田ミウ「ん~?」
ボス「ひっ!?」
今田ミウ「ワルそうなやつが残ってんじゃねえかよ~!」
ボス「だ、誰か助けてくれ!」
ボス「ぐええ・・・」
今田ミウ「あははははは!!」
今田ミウ「とどめじゃあああ!!」
  最後のは余計だったわよ、ミウちゃん・・・
今田ミウ「ふん」
  まあでも、これで・・・
今田ワタル「任務完了だな」
今田ワタル「よくやった、ミウ」
男「くそったれが、離しやがれ!」
今田ワタル「おっと、暴れないでくれよ」
今田ワタル「服に汚れがついてしまう」
男「くっ・・・」
男「一体何なんだ、お前らは!」
今田ワタル「私たちが一体何かだって?」
今田ワタル「それはね」
今田ワタル「ただの仲のいい”家族”だよ」

〇港の倉庫
今田ワタル「ふう」
今田サクラ「お疲れ~」
今田ワタル「ああ、サポートありがとう」
今田サクラ「ミウちゃん、ユウト、怪我はない?」
今田ミウ「うん!」
今田ユウト「いちいち心配しなくても大丈夫だって」
今田ワタル「みんな、お疲れ様」
今田ワタル「さ、家に帰って着替えたら、今度こそ本当の夜ご飯だ」
今田ワタル「何が食べたい?」
今田ミウ「私、お寿司ー」
今田ワタル「ユウトは?」
今田ユウト「何でもいいよ」
今田サクラ「私、お寿司だったらいいところ知ってるわよ~」
今田ワタル「お、本当か?」
今田サクラ「うん」
今田サクラ「この前、ママ友に教えてもらってね──」

〇おしゃれなリビングダイニング
今田ミウ「ふわあああ・・・」
今田ミウ「おひゃよう、お母さん・・・」
今田サクラ「おはよう、体の調子はどう?」
今田ミウ「全然、へーき・・・」
今田ユウト「おはよ」
今田サクラ「おはよう、ユウト」
今田サクラ「二人とも、早く朝ごはん食べちゃいなさい」
今田ミウ「いただきまあす・・・」
今田ユウト「あれ、父さんは?」
今田サクラ「さっき出てったわ」
今田ミウ「こんな朝早くから任務・・・?」
今田サクラ「違うわよお ”表”の仕事」
今田ミウ「ああ・・・」
今田サクラ「ほら、寝ぼけてないで」
今田サクラ「二人とも今日は学校でしょ」
今田サクラ「食べ終わったら着替えて行ってらっしゃい」
今田ミウ「はあい・・・」

〇開けた交差点
  私の名前は今田ワタル
  どこにでもいる、しがないサラリーマンだ
  殺し屋じゃなかったのかって?
  あれは”裏”の仕事
  サラリーマンとしての私はいわば”表”の顔というわけだ
  普通に暮らしていく分には、殺しの報酬だけで問題ないんだが・・・
  一般人として社会に溶け込むことも、殺し屋にとっては重要なことだ
  それに・・・
今田ワタル「あ、すみません」
今田ワタル「・・・・・・」
  こういうことも、ある
  昨日の任務ご苦労だった
  奴らの身柄はこちらで引き取らせてもらったよ
  君の働きぶりには感謝している
  今後とも、よろしく頼む
  サラリーマンをやっているのなら、殺し屋の方を辞めればいいじゃないか
  そう思う人もいるだろう
  だが、一度このようなことに関わってしまったら、抜け出すことは難しい
  それに、仕事を手伝ってくれている家族のこともある
  一口に殺し屋といっても、武器を取る理由は人それぞれだ

〇高い屋上
今田ミウ(はあ、学校つまんない)
今田ミウ(早く次の任務来ないかな・・・)
  自らの欲求を満たすため

〇教室
生徒「そんで鈴木がさー」
生徒「はは、バッカじゃねえの!」
今田ユウト「お前それはやばいって~」
  憧れの人に近づくため

〇おしゃれなリビングダイニング
  大切な人を支えるため

〇開けた交差点
  そして、私の場合は・・・
  ・・・家族を護るため、だろうか
  いつか、まとまったお金が貯まったら
  どこか遠い海外にでも引っ越して、家族と一緒に暮らそう
  そしてその時は、私が今度こそ殺しから完全に手を洗う時だ
  それが
  私の夢だ

〇荒れた倉庫

〇諜報機関
???「・・・間違いないですか」
???「ああ」
???「こいつの服を見てみろよ」
???「あんな動きをしておいて、服が全く汚れてねえ」
???「異常だぜ、これは」
???「それでは、やはり」
???「間違いねえ」
???「生きてやがったんだ」
???「”潔癖症の死神”・・・!」
???「見ろよ、この動き・・・」
???「・・・ん?」

〇荒れた倉庫

〇荒れた倉庫

〇諜報機関
???「若い男と女・・・」
???「おい、こいつらは一体」
???「それが・・・」
???「息子と娘!?」
???「映像では確認できませんが、妻もいるとか・・・」
???「あいつが家族を・・・」
???「そうか、いや、そうか・・・」
???「ふ」
???「ふふふ」
???「はっはっはっはっ!!」
???「あの」
???「おい」
???「はい」
???「今すぐ幹部全員をここに呼べ 今すぐにだ」
???「はあ、でも何と言って・・・」
???「決まってんだろ」
  ”潔癖症の死神”を殺すんだよ・・・!!

コメント

  • トリガーハッピー気味のミウちゃんの活躍が見てみたいです☺️
    一人だけ騒がしく、通り名も無いのが家族の中で良いアクセントになっていますね!

  • 話の構成がめちゃくちゃいいですね!
    殺し屋ファミリーの日常、ちょっと見てみたいです😆

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