〇通学路
　　アナタは外にいます！
みかん「何だってぇぇぇ～!? 我は、引きこもりぞ!?」
　　仕事帰りかも知れないし
　　これから何処かへ向かうのかもしれない
　　とにかくアナタは外にいる！
みかん「何だってぇぇぇ～！ 我、引きこもりぞ!?」
　　ありきたりな町の中で、アナタは何処にでもいる一般人の一人だった。
みかん「むぅ～、我をその他大勢と一緒にするのか!?」
みかん「なら、見せてやろう」
みかん「その他大勢との圧倒的な差を!!!」
「分身!!!」
　　ゴマだれ～！
　　おい、待て　意味が分からないぞ？
みかん「分から」
みかん「ないとは」
みかん「失礼なのです」
　　一人が喋れ！
みかん「仕方ないなぁ～」
みかん「仕方ないね」
みかん（お腹すいた）
みかん「おい、私が喋るからお前ら黙れ！」
みかん「我が何故、コピーの言うことを聞かなければならない？」
みかん（あの雲、美味しそう）
みかん「コピーか、フフッ」
みかん「私に言ってるのか？」
みかん「会話のキャッチボールも出来ないのか？」
みかん「哀れだなぁ、コピーくん」
みかん（すんすん・・・）
みかん（アッチからいい匂い）
　　ガヤガヤ、ガヤガヤ!!!
　　ワイワイ！　ワーワー!!!
　　グダグダ、　ワニャワニャ!!!
　　あのぉ～、ちょっと良いですか？
「邪魔するな」
　　・・・・・・えと、分身が一人何処かへ行ったんだけど？
　　・・・・・・・・・
みかん「大変じゃないか、、、」
みかん「言うの遅いんだよバァァーカ！」
みかん「ふむ、何の為に君はいるんだい？」
　　みんながイジメルゥ～!!!
みかん「そんなに泣くものではないぞ？」
みかん「困らせ過ぎた反省する。だから、泣き止んでくれないか？」
　　ほんとの、ほんとうに？
みかん「あぁ、ちゃんと話を聞こう」
　　なら、まず分身の二人を連れてこないと
みかん「・・・・・・・二人？」
みかん「居なくなったのは、一人だろう？」
みかん「何を言ってるんだ」
みかん「なるほど、これは面倒だな」
　　探さないとね
みかん「そうだな。あのコピー共を探しに行こう」
みかん「君は勿論手伝ってくれるよな？」
　　え、いや暇じゃないし。探し終えたら、、、、
みかん「ん？」
　　あ、はい。手伝いますぅ
　　私は楽しく町探検したかっただけなのに
　　問答無用で連れて行かれました
みかん「それじゃあ、コピーを探しにレッツゴー！」

〇車内
　　分身した二人を探す為に
　　私達は車に乗り込んだ
みかん「さて、何処から探そうか？」
　　心当たりはないの？
みかん「あったら、君と一緒に探さないさ」
　　直感だよりってこと？
みかん「そうとも言う」
みかん「だが、我を信じろ」
　　とにかく、信じてみるしかないか
　　車のエンジンがかかり、ゴゥゴゥとアクセルを鳴り響く
みかん「シートベルトは着用したか？」
　　自分は天の声だから気にしないで
みかん「なんと、脳内に直接話していたのか!?」
みかん「周りから見れば、一人で話すヤバいヤツだな」
　　アクセルを踏むな、怖い怖い!!!
みかん「すまん、すまん」
みかん「ところで、天声よ」
　　てんせい？
みかん「お前の名前だ」
みかん「名があった方が呼びやすいからな」
　　天声か、自分はいいけど
　　この子を、なんて呼べばいいだろう？
みかん「ん、普通にみかんでいいぞ？」
みかん「自分のことを我と言ってるが」
みかん「偉くもなんともないからな」
　　みかん・・・・・・
　　じゃあ、他の二人のことは？
　　車内がエンジン音で揺れた
　　ちょっと、アクセルをそんなに強く・・・
みかん「我が本物だ」
　　え？
みかん「他のヤツは我のコピーだ」
みかん「そうだろう？」
　　そう、なのかな？
みかん「・・・・・・」
　　・・・・・・
みかん「キサマにとっては、他も我も同じなのだな」
　　また、車内が大きく揺れる
　　何か怒らせることを言ったのだろうか？
　　みかんの機嫌が悪い？
みかん「ところで、天声よ」
　　どうしたの？
みかん「さっきから、景色が全く変わらないな」
　　窓の外を見ると確かに、同じ景色だ
　　というか、少しも進んでない
　　ねぇ、みかんは車の運転出来るの？
みかん「アクセルを踏めば進むのだろう？」
　　・・・・・・
みかん「それなのに、進まない」
みかん「壊れているのか？」
　　・・・・・・
　　何で、車に乗ったんだぁぁー！
みかん「ハハハッ！」
みかん「すまん、我は免許を取っていないんだ」
　　なるほどなぁ・・・・・・
　　ホントに何で車に乗ったんだぁぁぁー！
みかん「ハハハッ、面白いな天声よ」
　　全く面白くない！
　　ほら、車から降りて探すよ！
みかん「了解した」
　　全く、この調子であの二人をみつけられるのかなぁ？