エピソード1(脚本)
〇綺麗な港町
──西暦2025年7の月、日本の太平洋側のとある港町から、この物語は始まる。
子安ケント「とうとう、きたか。 あの声を聴いてから、3年、出来る限りの準備はしてみたものの、正直、現実は、どの程度の事が起こるのか?」
渚 カオル「もう、どうしたの?ケント! 今月に入ってから、独り言と眉間に皺寄せて考えてる時が多いよ! 速く老けても知らないよ?」
子安ケント「あー、悪い悪い。いやあ、とうとう、2025年の7月になってしまったなぁと考えていたんだ」
渚 カオル「そっか。ケントは、いつも、2025年に備えろ!て言い続けていたものね」
渚 カオル「でも、私に出来たことは、基礎体力の向上と食糧の備蓄。あとは、水に浮かぶシェルターを買ったことくらいだよ」
子安ケント「それでも、俺の事を信じて、よくやってくれた方だと思うよ。あの声が、ただの思い過ごしなら、その方がいいんだけどさ」
渚 カオル「!!ケ、ケント!! あれ、見て!何か、空間が歪んでいるように見えない!?︎」
子安ケント「あ、あれは!? 嫌な予感はするが、直ぐに逃げても、相手次第では、多少、走ったとしても無意味かもしれない」
子安ケント「ここは、あの空間の歪みの様子を見て判断しよう。大丈夫さ。まだ、敵と決まった訳じゃない」
〇沖合(穴あり)
黄昏れ時の海上の空間に突然、謎の空間の歪みが発生した!!
シャフリヤール「!!ココは? もしかして、地球の地上か? 陸地には、建物が見える。今の支配者達は、誰なんだ? あれから何年経ったのか?」
リスグラシュー「殿下、落ち着いてください。 我らは、まだ永き眠りから目覚めたばかり。 今の時代の情報が不足しております」
リスグラシュー「既に起動しているaiシステムが、現在の状況と情報、言語とこれまでの歴史について収集しています」
リスグラシュー「間も無く解析終了次第、我々の内臓チップにダウンロードされる予定です。原住民との接触や探索は、それからにしてください」
シャフリヤール「ありがとうリス。お前が居なかったら、いつの時代でも不安だが、お前が居てくれたら、私は、いつでも、安心できる」
〇宇宙船の部屋
──船内?
ベガ「シュー様、リスグラシュー様。 お目覚めの時間です。 先程、脳内チップへの新情報のダウンロードが終了しました」
ベガ「我々がコールドスリープをしてから、現在までの出来る限りの情報を吸い上げ、解析してダウンロードしました」
ベガ「地上の原住民は、地域によって言語が異なるようです。標準語なら、どの言語でも同時通訳可能です」
リスグラシュー「ありがとうベガ。殿下は、いつも私を頼りにしてくれるけど、あなたがいてくれて本当に助かるわ」
ベガ「当然の事をしたまでです。シャフリヤール殿下にも同じくダウンロード処理済みです」
ベガ「これから、どうなさいますか?」
リスグラシュー「殿下にお伺いしてきます。それまで、ベガは、他のクルーの状況と目覚め具合を確認しておいてね」
ベガ「了解致しました。では別命あるまで、他のクルーの状況確認と補佐をしています」
〇近未来の開発室
リスグラシュー「殿下、ここにいらしたんですね」
シャフリヤール「ああ。メインコンピュータとほぼ同じ情報を把握したとはいえ、かなり時が経っていたからな。今後の方針について考えていた」
シャフリヤール「我々ムーの一族とアトランティスの連中は、逃走するもの、未来に希望を込めて眠りにつく者など、ほぼ同じ運命を辿ったようだ」
シャフリヤール「しかし、外宇宙からの接触と目醒めるタイミングは、それぞれ時代が異なるのだが、現代の複数の歴史書では、触れられていない」
シャフリヤール「現代人は、シン歴史を知らされず、生活をしているようだ。科学力もまだ我々のレベルまで遠く及ばないようだ」
リスグラシュー「確かに現代人の科学は、我々の足下にも及ばないようです。また、世界をシャフリヤール様が統一するには、都合が良いのかしら?」
シャフリヤール「リス。私は、世界を統一したいとは考えていないよ。それより、今の地球人が目醒めてないことが悲しいのさ」
リスグラシュー「心の広い殿下。殿下の思うままに付いていきます」
シャフリヤール「さて、これからの活動方針だが、大きく3つ考えてみた。一つ目は、最寄りの国である、日本の現状を実際に把握すること」
シャフリヤール「2つ目は、何故、この程度の文明までしか進化していないのかが気にならないか?」
リスグラシュー「確かに化石燃料を使うよりフリーエネルギーの活用が文明を飛躍的に進化させる絶対条件です。エネルギー消費量が重要です」
シャフリヤール「仮に支配するにしてももっと進歩していた方が都合が良いはず。エネルギー資源もフリーエネルギー利用までできていないようだし」
シャフリヤール「そこでだ。これから、シンの地球文明の支配者達の裏の歴史と現代人の表の支配者について、調査してみようと思う」
シャフリヤール「三つ目は、これは、先程の2点の調査にとても重要なことだ。我々だけで、未開の現代地球を調査するには限界がある」
シャフリヤール「だから、現代人の協力者を募り、一緒に調査をしていきたいと考えている。直ぐに現れてくれるとは限らないがな」
リスグラシュー「それなら、ベガにも相談してみましょう。彼女は、私達より3年早く目醒めて、私達の目醒めのサポートをしてもらってましたから」
シャフリヤール「それは頼もしいな。ベガの意見も聴いてみるか」
ベガ「お話はわかりました。実は、私も殿下と同じ様な考えに至り、事前に、発現ポイント周辺に異なる周波数でメッセージを送信済みです」
ベガ「私達の発現を予言的な内容で、興味を持った若者に届くように。もしかしたら、既に目の前の陸地にいるかも知れませんよ」
シャフリヤール「流石だな!ベガは。私は、頼もしい部下を持って幸せ者だよ。早速、会いに行きたいな」
リスグラシュー「殿下は、目醒めた時に私と一緒にいたら、いつでも安心できると仰っていたのに!」
シャフリヤール「ま、まぁ。落ち着いてくれリス。 リスもベガも頼りにしてるから。 どちらが欠けても困るんだよ。 だから、機嫌直してくれよ」
リスグラシュー「久しぶりにレーション以外の美味しい食事がしたくなりました。殿下と! それで、よろしくてよ」
シャフリヤール「わかったわかった。何とかするよ。 陸上で食事なんて久しぶりだからな。でも、今の貨幣は無いけど、どうしようか?」
ベガ「それなら、宝物庫に金塊があります。金については、価値は違えど、現代も換金が可能のようです。銀行や店舗で換金可能です」
シャフリヤール「なるほど、金か!流石ベガ、やはり頼りになるな」
ベガ「3年早く目覚めたのですから、殿下の為に色々事前調査していただけですから」
リスグラシュー「もう、またベガばかり、褒めて! 私だって、3年早く目醒めていたら、それぐらいの事前調査できました!」
シャフリヤール「美味しいものご馳走するから、機嫌なおしておくれよ。リス。 そ、そうだ!この時代のケーキは、とても甘くて美味しいらしいぞ!」
リスグラシュー「そうなんですの? 早くケーキを食べに行きましょう! 殿下!」
シャフリヤール「はあ、やれやれ。 それじゃ、とりあえず2人で行ってくる。 ベガは留守を頼むよ」
ベガ「了解致しました。 私も甘くて美味しいケーキ、お土産楽しみにしています。 気をつけて行ってらっしゃいませ」
〇UFOの飛ぶ空
シャフリヤール「よし、3次元の海上に無事、出現出来たな。 カモフラージュしつつ、人気のいない海岸に降ろしてくれ」
ベガ「了解致しました。しかし、殿下、リスグラシュー様。その衣装で、外出する気ですか? 今の服装に合わせた方がよろしいかと」
シャフリヤール「それは、気づかなかったな。流石ベガ! ありがとう。 い、いや、リスも、スタイルチェンジを楽しんで欲しいな」
リスグラシュー「私は、まだなにも申し上げておりませんわ!」
ベガ「間も無く到着しますので、ご準備お願いします」
シャフリヤール「よし!準備OKだ。 よろしく頼む」
ベガ「殿下、万が一の為にも、戦闘服へのメタモルフォーゼも出来るようにしてありますので、いざという時は、ご使用可能です」
シャフリヤール「流石ベガ! 何から何まで、準備万端だな。 ありがとう。ケーキは楽しみにしておいてくれ」
リスグラシュー「殿下、早く行きましょう! (このままだと、ベガの株だけ急上昇してしまうわ)」
〇海辺
ベガ「子安ケント様、聞こえますか? 私は母艦から発信しています。間も無く、私達の代表者が地上へ降り立ちます」
ベガ「今回のコンタクトは、現代で生きる日本人のケント様と情報交換することが目的です。シャフリヤール様を宜しくお願いします」
子安ケント「あれは!あの声は! 一瞬、空間が歪んでUFOみたいなのが見えたと思ったら消えた。3年前から聞こえた声が、また聞こえた!」
子安ケント「カオル!これから、UFOから、代表者が降りてきて、俺と話がしたいそうだ。お前は、どうする?」
渚 カオル「ど、どうするって言ったって、 わ、私、1人じゃ嫌だよ!会うのも怖いけど!でも、ケントが一緒なら、その方がいい」
子安ケント「まあ、俺も不安でしか無いけど、何故か、あの声は、信じられる気がするんだ。だから、この日まで、準備もしてきた」
渚 カオル「ケントが聞こえてる声て、もしかして、女性の声なの?」
子安ケント「あ、ああ、そうだよ。どうして、わかったんだ?」
渚 カオル「ふーん。やっぱり。 何者かわからない女性の声でもケントは、信用しちゃうんだね!」
子安ケント「おいおい、今は、そんな事関係ないだろ? 何を怒ってるんだよ」
渚 カオル「知らない! 別に怒ってなんかないもん!」
子安ケント「そんなことより、誰か、出てきたぞ! 宇宙人なのか、古代人なのか? 地球人と見た目はどう違うのか? とりあえず、接近する」
〇海辺の街
シャフリヤール「君が子安ケント君か?余は、シャフリヤール14世だ。ここでは、シャフリと呼んでくれ」
シャフリヤール「紹介しておく。一緒にきたのは、リスグラシューだ。リスと呼んでくれたまへ」
リスグラシュー「ダメです!私をリスと呼んで良いのは、シャフリヤール様だけです!撤回してくださいませ!」
シャフリヤール「あ、ああ。すまなかったな。リスのことは、リスグラまでとする。これで、良いかな?」
リスグラシュー「なんで中途半端な呼び方なんて、嫌ですわ!」
子安ケント「ああ。わかりました。見た目は、ほとんど、俺たちと変わらないので安心しました。 子安ケントです。よろしく」
子安ケント「一緒に来るのは、てっきりベガという女性だと思ったんだけどな。リスグラシューさん、よろしくお願いします」
リスグラシュー「あなた、ベガに会いたかったの?帰ったら伝えとくわ。とっても気の利く可愛い子よ。私より少し下だけど」
渚 カオル「ベガて、可愛い子なんですか?」
リスグラシュー「とてもチャーミングよ。 歳は、そうねえ。恐らく、あなた達より二万歳くらい歳上だけどね」
子安ケント「2、二万歳歳上⁈」
渚 カオル「ベガさんて、可愛くて、気が利く子で、二万歳も歳上なんですね! 良かったね!ケント!」
子安ケント「ああ。何が良かったのかわからないが。 そんな事より、食事でもしながら、これからのことを話しませんか?」
シャフリヤール「ありがとう!料理への対価は、私が支払おう。これくらいで良いか?(金の延べ棒一本ドン!)」
子安ケント「こ、こんなには不要だよ!でも、この世界で、色々お金はあった方が良いから、先に換金してから、レストランに行こう」
リスグラシュー「ケーキも食べてみたいの!必ず食べさせてね」
子安ケント「OK、任せてよ。うまいパティシエの店知ってるから。 な?カオル!」
渚 カオル「それって、もしかして、ウチの店のこと?」
子安ケント「お前の店のケーキが1番美味いに決まってるだろ!この街でも、俺にとっても!」
渚 カオル「えへへ、そ、そうかな? さ、先にケーキ食べに行く?」
子安ケント「いや、今日は、まず食事からだな」
渚 カオル「そ、そうだよね。 でも、売り切れちゃうかもしれないから、先に買いに行こう。あ、予約済みの電話入れとくね」
〇ファミリーレストランの店内
子安ケント「美味しいものを食べるとみんな笑顔になるね。え?カオルが写ってない? ごめんね、3人しか同時にフレームに収まらないんだ」
子安ケント「さて、胃も落ち着いてきたところで、本題に入りたいんだけど、良いかな?」
シャフリヤール「もちろんだ。その為に私達は、来たんだからな。だが、このハンバーグという料理は、非常に魅惑的だな。味、匂い、ジューシーだ!」
子安ケント「思わずハンバーーグ!!と叫びたくなってしまうなw そうじゃなくて、そろそろ、シャフリ達が来た目的について話そうよ」
シャフリヤール「そうだな。先ず、私達との謁見を気軽に応じてくれたことに感謝する。それと、ベガの声を信じてくれてありがとう」
子安ケント「そんな事は気にしないでくれ。俺は10代の頃からムー的な事には興味あったし、気功や武術も鍛錬してた」
子安ケント「そんな時に突然、頭に声が聞こえた時は、驚いたけど、喜びに震えたのを覚えているよ。あれから、3年、色々調べておいたんだぜ」
シャフリヤール「今、ムー的な事に興味があると言ったね?それは、ムー大陸に興味があると同義語と受け取って良いのかな?」
子安ケント「あー、別に構わないぜ。ムーていうオカルト雑誌があってさ。その愛読者だったんだ。今でもさ。ムー大陸についても興味深々さ」
シャフリヤール「フ、さすがベガだな。改めて君に会えたことを神に感謝したくなったよ。そのムー大陸と呼ばれる国の最期の王が私だと言ったら?」
子安ケント「マジか!?でも、あの次元の狭間から出てきたり、脳内に声かけたり、UFOのような乗り物。信じるしかないな」
シャフリヤール「事実上、私が国を放棄したのだ。逃げた者、逃げれなかった者。私は、今はただの過去の存在さ。ムーはもう無い」
リスグラシュー「そんな事はありませんわ!存亡の危機にあり、殿下は最善の選択をされました!殿下がいる限り、ムー帝国は、復活できます!」
シャフリヤール「まあ、そんなに興奮するなよ。リス。て、この赤い飲み物は?」
子安ケント「あー、それは赤ワインだよ。ハンバーグと合うと思ったし、二万歳以上だから、アルコールも経験済みかとおもってね」
シャフリヤール「リスは、昔から、酒は酔いやすいんだ。まあ、すぐに寝てしまうから、問題ないか。 私も一杯もらおうか」
リスグラシュー「もう、殿下、早くきてください。ムニャ くー スースー・・・」
シャフリヤール「さて、落ち着いたところで、先ず、私の目下の目的を話そう」
──シャフリは、ムー帝国が大戦に敗れ、それぞれ別の脱出ルートを使い、外宇宙、別次元、地球の内部に逃げた事を話した。
〇シックなバー
シャフリヤール「リスについて、すまなかったな。先にホテルとやらで、休ませた」
子安ケント「別に問題ないですよ。遅くなるとチェックインしにくくなるし、話が重くなりそうだし、あまり聞かれたく無いと思ったから」
シャフリヤール「フ、気遣い感謝する。さて先程の話の続きをしようか。長き眠りはタイマーをセットしていたんだ。ケントの世界でいう2025年に」
シャフリヤール「私達の国にも預言者がいてな。未来予知をいくつもしていたんだが、最終決戦でも敗北の予知は見えても打開策を立てられなかった」
シャフリヤール「勝利の博打をするより、1人でも生き残る道を選んだ。ただし、大切なのは、敵から離れた安全地帯で眠りに入る時にいつ目覚めるか」
シャフリヤール「我が国の預言者は、いくつか歴史の転換点をはるか未来にかけて命懸けで占ってもらった。数万年先の未来まで占う等想像できるか?」
シャフリヤール「いくつかの選択肢があったが、私は2025年の覚醒を選択したのだ。AIの予測も取り入れてな」
子安ケント「それって、もしかして、量子コンピュータレベルの未来予測で、人の占い等必要なかったのでは?」
シャフリヤール「民はコンピュータの回答等で動きはしない。大きな決断を王が降す。その時の拠り所が、神や精霊の名を借りることが有効だったのだ」
シャフリヤール「預言者はその代行をしてくれたんだ。 命を賭けてな。しかし、確率論なら人工知能の予測も重要だ。それらが示す特異点が2025」
子安ケント「古代文明のシンギュラリティが、はるか未来のシンギュラリティの誕生を予測したというのか。まるでパラドックスみたいだな」
シャフリヤール「シンギュラリティを知っているのか?話が早い。それだけではない。外宇宙からの帰還、地下帝国の目覚めも起きる可能性が高い」
シャフリヤール「多くの同時多発的な脅威に地球が曝されるタイミングで、気持ちよく寝てましたでは、私の寝覚めが悪い。だから、この時を選んだ」
シャフリヤール「具体的な話に入ろう。私達は、この時を目覚めのタイミングとしたが、もっと早い時期に目覚めている者達もいるのだ」
子安ケント「え?それって、ムー帝国の人達が?」
シャフリヤール「私達の同胞とは限らない。アトランティスもしくは、一旦、宇宙に逃げた者のリターンの可能性もある」
シャフリヤール「一度、0に近いレベルまで戻ってしまった文明に超文明が接触したら、規模の大きさに関係なくイニシアチブを取ることは、容易」
シャフリヤール「ケントの世界で、シュメール文明、エジプト文明、アステカ文明等、自然発生的に書かれている歴史の裏に超古代文明の影響がある!」
シャフリヤール「AIに現代地球の歴史を調査させたが、外宇宙もしくは、過去の文明との接触については、公のデータには残されていなかった」
シャフリヤール「そこで不思議に思ったのだ。今の文明の科学力は、私達の時代に及ばない。しかし、過去に先行して接触した文明がいたのに、なぜ?」
シャフリヤール「オーパーツは聞いたことあると思うが、過去の遺物の紛れ込みだ。その程度の証拠のみで、劇的に進化していないことが気になる」
シャフリヤール「そこで、私が建てた仮説だ。当時の地球の支配者は、優れた科学に触れた時、それを民に普及させることより独占を選択したのでは?」
シャフリヤール「一般的に科学が生活レベルまで普及したものは、脅威ではない。だが、一部の者が武器として独占所有した場合、それは脅威となる」
シャフリヤール「例えば、今の時代は、化学、薬学の知識を持つものが猛威を奮っているな。流行り病に対して、薬が作れるものが力と金を持つ」
子安ケント「確かに!でも、それも仕組まれていたってことなのか?」
シャフリヤール「そこまで詳しい状況は、わからない。ケントの方が詳しいんじゃないか?考え方について述べたに過ぎない」
シャフリヤール「地球は、今、地上人、宇宙人、地底人から狙われている。そして、今年は月に向かって、地球人が宇宙船で向かう予定だ」
シャフリヤール「地上人同士なら、これまで多くの戦争を経験してきたはず。しかし、科学と文明が優れている宇宙と地底から、地上は守れるか?」
シャフリヤール「早急に調査しなければならないことが、過去の地球文明に宇宙の勢力が関わっていたのか?地底に移った者と地上人での関わりは?」
シャフリヤール「また超古代文明の叡智を得た組織が、知識を独占し、現代までの歴史をコントロールしていた可能性も調査する必要がある」
子安ケント「うーん。話が壮大過ぎて、スター○○○ズみたいで、全部はついていけないけど、大枠は理解したよ」
子安ケント「現在と過去の地球文明に対して、古代文明の関わりと、それらを独占している組織について調べれば良いんだね?」
子安ケント「この3年間で、調べていたから、ある程度、目星は付くけど、1人じゃ調査は無理っぽい。だから、信頼できる仲間に協力してもらう」
子安ケント「今は2025年、今から調べても、例え答えがわかっても対応できる時間がない。 ベガに頼んで、少し過去に遡って調査協力依頼だ」
子安ケント「2023年のレジェンドオブシティーの皆さん2025年がかなりヤバイ年みたいなので、今から調査協力お願いします!」
シャフリヤール「私からも頼む。2025年が大変な年とわかった上でこの年に目覚めてしまったが、ベガのように3年前に目覚めるべきだったと」
シャフリヤール「心から反省と、もし、必要なら私達は、時空間を超えてワープも可能だ。一緒に地球規模の大災難を乗り越えよう!」
〇可愛らしいホテルの一室
子安ケント「おはよう。夕べは良く眠れたかい? シャフリと俺は結構、深夜まで話し込んだから、あまり寝て無いよな、大丈夫かい?」
シャフリヤール「そういうケントこそ、大丈夫かい? 私は、二万年以上寝てたからな。1秒でも長く起きていたいくらいさ。体調は問題ない」
子安ケント「それならOK。早速なんだけど、この日に備えて、自分なりに日本と世界の歴史の裏表について調べてみたんだ。特に日本についてね」
シャフリヤール「ふむ。先ずは、ケントが住む日本について知っておくか。実はムー帝国も日本とは関わりが深くてな。おっと、ケントの話が先だな」
子安ケント「ムー帝国についても、もっと沢山聞きたいけど、先ず俺の情報の共有をさせて欲しい。この国の神話時代からも調べているんだけど」
子安ケント「他国との関わりで興味深いのは、やはり近現代史。明治維新から現代に至るまで、戦争の時に他国の干渉がかなりある。その裏に潜む」
子安ケント「闇の組織が関わっている。他の国でも戦争や革命で、政治バランスを変えられたり、武器商人が儲かったりしていたらしい」
子安ケント「日本では、明治の戊辰戦争、昭和の日清、日露戦争、第一次、第二次世界大戦。これらが日本より上の存在にコントロールされていた」
子安ケント「戊辰戦争は、旧幕府軍と新日本政府軍の戦いだ。その時に幕府軍側をバックアップしたのがフランス系フリーメーソンリーなんだ」
子安ケント「対する薩長同盟を中心に構成された新日本政府軍は、イギリス系フリーメーソンリーのバックアップを受けた。その支援者が」
子安ケント「トーマスグラバー。彼が用意したのはミニエー銃という当時最新のライフル。対する旧幕府軍には、アメリカの南北戦争で使われた」
子安ケント「中古の銃をあてがわれてた。そして、両軍に武器を売り捌いていた外国人の兄弟がいた。しかし、英国も仏国もその上で繋がっていた」
子安ケント「つまり、当時の日本は、海外のフリーメーソンリー、いや更に上の貴族や組織によって、内戦を仕組まれて、幕府軍は敗れたんだ」
シャフリヤール「なるほど!武器の性能は、戦争には重要な要素だ。金もかかる。そのスポンサーに意図的な考えがあれば勝敗も掌の上ということか」
子安ケント「その通りさ。結果、日本に明治政府というフリーメーソンリーの傀儡政権が誕生したんだ。更にこの時の旧幕府軍についた敗者に」
子安ケント「絶対に逆らえない脅しを込めて、日本全国の原子力発電所を配置したんだ。戊辰戦争で幕府軍に加わっていた藩の位置と原発の位置」
子安ケント「綺麗に重なるんだ。シャフリの時代の科学力ではわからないが、今の地球の科学力では、原子力、放射能を完全にコントロール不可」
シャフリヤール「バカな!戦争に負けた敗者に対して100年以上経っても仕打ちをするというのか? 敗者は永久に敗者として生かされるのか?」
リスグラシュー「殿下は、敗者にも寛大でしたからね」
シャフリヤール「戦争に良いも悪いも無いと思う。それぞれに正義があり、勝たねばならない理由があるはず。勧善懲悪の戦い等、ほぼ皆無だろう」
シャフリヤール「すまん。話が逸れたな。ケント、続きを聞かせてくれ」
子安ケント「気にするなよ。王様なら、凡人の俺たちとは違う捉え方があるはずだしな。それより原子力発電所だけでは無さそうなんだ。仕打ちが」
子安ケント「第二次世界大戦の終戦間際に日本は、2発の原子力爆弾を落とされたんだ。既に大勢は決まっていたのにね。落とされた広島と長崎」
子安ケント「長崎は、旧幕府の御領地で、関わりが深い藩だった。例えば水戸も御三家の一つだったので、近くの東海村に原発を配置されている」
子安ケント「旧広島藩は、元々、土佐藩と長州藩を取り持つ程の仲だったが、戊辰戦争で功績をたてられなかったので、新政府軍から外されたんだ」
子安ケント「それ以外にも、原爆リトルボーイを運んだエノラゲイは、天皇を○せという意味を持たせていたが、京都には裏天皇である八咫烏」
子安ケント「によって、京都を守護される力が、当時の米軍の上からかけた可能性が高いと睨んでいる。そのとばっちりを受けたのが広島なんだ」
子安ケント「その虐げられた広島出身の日本の首相が、いまだに米国の傀儡政権となっているのは、屈辱でしか無い」
シャフリヤール「そんな長きに亘る屈辱を味わっていたら、今だに欧米に対する国民の反感は高いままではないのか?」
子安ケント「それが、表の歴史の教科書には、これらの事は、ほとんど書かれていないので、知ってる人がほぼ皆無なんだ。だから、反感は無い」
シャフリヤール「歴史は勝者によって塗り替えられるということか。いや、勝者さえ戦争起こす前からコントロールできるならば、もっと上のシナリオ」
シャフリヤール「が存在するということか?シナリオライターが誰なのか気になるな」
子安ケント「その通り。戦争を食い物にしている連中がいる。しかし、戦争さえ、彼らの道具に過ぎず、一つの手段でしかないと考えている」
子安ケント「手段の一つに過ぎないのだが、彼らが味方についた方が勝つ。戦争でもスポーツでも政治や経済でもね。どこまでの影響力があるのか」
子安ケント「まだまだ、真実に辿り着くには、調査不足と言ったところさ」
シャフリヤール「そうか。もしかしたら、地球の文明レベルが低い時代に我々の時代の秘術や科学力を独占して来た者達の末裔かもしれないな」
シャフリヤール「とりあえず、今日は、これくらいにして、気分転換にケントの街を案内してくれないか?時間があるなら、日本全国も見てまわりたい」
リスグラシュー「私も大賛成ですわ!美味しいもの、沢山食べてみたいもの!」
シャフリヤール「リスもあー言ってるし、どうだいケント?」
子安ケント「わかったよOKさ。 カオルも呼んで、4人で、まずは地元から案内するよ。魚料理、特に、寿司を食べて貰いたいな」
リスグラシュー「お寿司!!ガイドブックで見ましたわ! 殿下!早く行きましょう! 約束しましたよね?美味しいもの、ご馳走してくれるって!」
シャフリヤール「やれやれ。はいはい、姫様。 一緒に美味しいお寿司とやらを食べに行こうか」
渚 カオル「ケーントー!酷いよ!あれからウチのケーキ取りに来ないんだもん!!せっかく、人気のイチゴショート食べてもらいたかったのに!」
子安ケント「すまないカオル。あれから、シャフリと2人で、深夜まで話し込んじゃってさ。今日は、美味しいお寿司をご馳走するからさ」
リスグラシュー「私は、お寿司もケーキも食べたいから、よろしくお願いね」
渚 カオル「昨日の分も食べてもらいますからね! それで帳消し。 お寿司は、大トロにうに、いくらが食べたいなあ♪」
子安ケント「ちょっと、後で、シャフリと男同士の相談することにするか」